少し前の話になってしまいますが、MotoGPクラスの第7戦 カタルーニャGP決勝レースで、クアルタラロがレース中にファスナーが開いてしまい、そのため第4コーナーでチェストパッドを投げ捨てる場面がありました。<motorsport.com>
今週末の第10戦 スティリアGP前にMotoGPの録画を見直していたら、カタルーニャGP決勝レースのスタート直前、グリッド上でのクアルタラロの映像がありました。
これでは、ファスナーが下がって当然でしょうね。。。
ファスナー留め (a☆マーク) よりもファスナーの金具が下にあります。そして、その金具に付いているのが、ファスナーの開閉を行い易くするための紐状のものです。
憶測ですが、この紐上の物がおよそ350kmの風圧にあおられてバタつく、その結果ファスナーの金具もバタついてしまう。その繰り返しでファスナーが下がってしまったのでしょう。
そういった事態を防ぐために、ファスナー留め (a☆マーク) が存在しているのです。正しい装着を行っていなかったため、ファスナーが開いてしまった要因と考えられます。
レース後にクアルタラロが使用していたレーシングスーツのメーカーAlpinestars(アルパインスターズ)が調査し、スーツに問題がなかったと結果を発表した。<auto sport webより抜粋>
ちなみに、クアルタラロ本人も非を認めており、「黒旗が出されてもおかしくなかった」とコメントをしていましたね。
第8戦 ドイツGPより、ファスナー留め (a☆マーク=赤い部分) の周りを大きくしていました。
私の知る限り、こういったケースは何件か聞いたことがあります。某ファクトリーの日本人ライダーも同じミスを犯したことがあります。
レザースーツのファスナーはしっかり上まで上げ、ファスナー留めの中に収めましょう。
意外と全日本ライダーでもしっかりと留めていないライダーが多いですよね。。。
ダラしない装着は、サポートして下さっているスポンサーに対しても失礼です。
レザースーツに限らず、ヘルメットにもバタつき (ゆるみ) 防止が付いています。金具付近にパチッと留めるホックがあればそれがバタつき防止です。
グローブの手首部分を締め付けベルクロで留めるようになっているものは、転倒時の脱落防止です。ライディングに影響しない程度にしっかりと留めましょう。
こんなことはあまり言いたくありませんが、仕事柄多くの転倒や事故を見ています。大きな衝撃があった場合、装具を正しく装着していないとブーツやグローブが脱げてしまう事案は多くあります。悲惨な現場では、何度も目の当たりにしたこともあります。
本当に不要な機能は装着されていないはずです。何のためにそれが装着されているのか、今一度お考え下さい。
このような事例があります。
車検とレースで違うヘルメットを使用して失格になった方がいらっしゃいます。
車検用?!そんなものはあっては駄目です。車検でもレースでも同じものを使用して下さい。
MFJロードレースアカデミーやアドバイザーなどでもお伝えしていますが、練習用だからと言ってレギュレーションの規格外や壊れている穴が空いている装具を使用して良い訳ではありません。
レーシングギアの装具は正しい装着、適正サイズ、正しい取扱いや使用をしなければ、装具本来の安全性を損なうこととなります。
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Twitter <@kazuto_sakata>
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