浦幌駅を午後3時50分に発車した2429D(滝川発釧路行普通列車・各駅停車)は、十勝平野から山間区間に入り、午後4時5分、常豊(つねとよ)信号場に停車。
車内放送によると貨物列車との列車交換(本日10回目)のため7分停車とのこと。
車窓から前方をのぞき見して、列車が来るのを待とう。ドキドキ・・
来た!レッド・ベアーだ!(DF200形ディーゼル機関車の愛称です)
あら?あまりコンテナを積んでないね。
タラコ君、ボチボチ出発しようか・・
※写真1~4:越えろあの山、太平洋が待っている!(常豊信号場)
エンジン全開で上り続けた2429Dは、てっぺんにあるトンネルへ。
タラコ君、急な上り坂は、なかなか加速しないよね・・お疲れ様。
うなり続けたディーゼルエンジンは静かになり、ここからは下り坂。
トンネルを抜けるとS字カーブが続くので、惰性走行や「シュー・シュー」と空気圧ブレーキをかけながら、キハ40は慎重に坂を下りていく。
ここは滝川駅から243kmなんだね。
※写真5~8:難所・常豊信号場~上厚内(上厚内駅は2017年3月のダイヤ改正から信号場・・残念)
午後4時20分、列車は海辺の街・厚内駅に到着。
次の写真は、2021年夏の帯広発釧路行普通列車。タラコとツートンの豪華編成は、何度見ても最高だ。
※写真9~13:豪華編成に感謝!民家の屋根の向こうに見える薄水色は、太平洋です。(厚内駅)
厚内駅にはいろんな思い出あって、大学時代、夏の帰省時によく乗った札幌発(富良野経由)釧路行「急行狩勝1号」(8両編成)のエピソードは忘れない。
十勝管内は晴れの日が多く、お昼時の気温は30度以上。そうなると車内も暑く、多くの乗客は窓全開。
しかし、そのような車内の様子は、厚内駅に近づくと一変。
急に太平洋からの濃霧に包まれ気温が一気に下がり、乗客の皆さんはバタバタ窓を閉め始め、釧路に近づいてきたことを感じていた。
では、厚内駅の様子を動画でどうぞ。
夕方の列車交換を見送って、次の帯広行普通列車に乗るまでの時間は、夕暮れに包まれ美しい景色が訪れる。
※写真14:また行こう!厚内駅へ
乗り鉄旅を進めよう。
厚内駅を午後4時20分に発車した2429Dは左に大きく曲がり、進路を南から東に変える。
札幌駅を午前7時に出発して9時間が過ぎ、遂に太平洋の大海原が現れた!
旅仲間へ・・「起きろー!みんな見てるか~?右側に海だぞ~!」
海はいいね~
線路付近は海岸段丘の下を走るので日陰だが、太平洋には明るさがあり、そのコントラストが美しい。
※写真15:進行方向右側席から後方をパチリ(厚内~直別)
午後4時28分、直別駅に到着。本日11回目の列車交換のため9分停車。
さすが各駅停車の2429D!すんなり前に進まない・・笑
午後4時37分、釧路発芽室行普通列車がやってきた。車窓からパチリ。
※写真16・17:2019年3月のダイヤ改正から信号場となった直別駅。今となれば貴重な一枚です。
直別駅を発車した2429Dは、午後4時42分、次の駅・尺別駅に到着。
何と、ここでも列車交換のため10分停車。(本日12回目)
これでは走っている時間より、停まっている時間の方が長いのではないか・・笑
さすが全国区の人気を誇る2429D、その鈍行ぶりは半端ない。
尺別駅か・・思い出すな~
大学時代、ここで記念写真を撮って、そして海に行って・・
ここに来たのは、あの時以来。時の流れは本当に速い。プラットホームに降りてみよう。
あら? 可愛い花畑をホームに発見!
そうか・・尺別は映画「ハナミズキ」(2010年・新垣結衣主演)のロケ地だった。4年前の映画だけど、あの映画も主人公が高校時代に恋仲になり、その後、遠距離恋愛が続き、でも・・
似ているな・・自分のストーリーと。
今日のことは、きっと忘れないだろう。素敵な歌とともに・・
さて、列車に戻ろう。
午後4時52分、釧路発札幌行「特急スーパーおおぞら10号」が通過。
※写真18~20:青春時代にタイプスリップした尺別駅。残念ながら2019年3月のダイヤ改正から信号場に・・泣
午後4時52分に尺別駅を発車した2429Dは、東に進む。
進行方向左側にある通称「尺別の丘」から東側を見ると、きっとこんな感じだろう。遠くの海岸線に見えるのが、終点・釧路です。
根室本線はここから左へ右へ急カーブし、音別川鉄橋を渡るが、(次の写真は左側後方から撮影)
あれ? 釣り人がいるね・・海アメ(アメマス)狙いなのかな? 大きいサイズで70cm以上、迫力あり。
川釣りも海釣りも大好きだったので、久しぶりに魚釣りがしたくなってきた。
※写真21~24:海あり、川あり、急カーブあり!変化に富んでいる尺別~音別間
午後4時57分、列車は音別駅に到着。
ちなみに音別には、オロナミンCドリンクの生産工場があるんですよ。愛飲家としては外せない駅だね・・笑
※写真25・26:早朝の音別駅に停車中の釧路行普通列車。音別~釧路間ではキハ54やルパン列車も活躍(2021年秋)
音別駅を発車した2429Dは、音別の市街地を走り抜けると右にカーブし、音別海岸の海岸線を走り続ける。
いいね~穏やかな海は・・癒される。
日が暮れてきたけど、その分、朝から晩まで乗ってきたな~と感じるね。
音別海岸を走るキハ54。釣竿林立。
※写真27・28:直線区間が続く音別海岸。(音別~古瀬・古瀬駅も2020年3月のダイヤ改正から信号場に・・残念)
では、早朝のキハ54を、波音とともにどうぞ。
終点・釧路駅までは約40km&約1時間。
いよいよここまで来たか。
次回は本シリーズの最終回。
旅男5人衆は口数も減り疲労を隠せないが(苦笑)、楽しみながらゴールテープを切りたいね。
(つづく)
*追伸
「北海道ローカル線旅日記!夏の根室本線(滝川駅~釧路駅)」をご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
浦幌~音別~白糠間は、山・海・川・湿原・カーブが次々訪れるので、とても好きな区間です。
ただ、2022年3月のダイヤ改正から窓が開くキハ40・キハ54が姿を消したので、私にとっては臨場感をたっぷり体感できる乗り鉄旅ができず残念です。
当時の記憶を旅日記に残し、いつまでも大切にして、楽しみたいと思っています。