「北海道ぐるっと乗り鉄旅・目指せ2日で1000km!」は、各駅停車で進む。

午前9時52分、滝川発釧路行普通列車(2429D)は、赤平駅に到着。

右側の車両が2429D、左側は富良野発滝川行快速列車で、キハ40の標準色。

2429Dも、いつもは標準色なんだろう。

赤平駅は「赤平市交流センターみらい」との複合施設で5階建て。道内でこのような、レンガ色の高さのある駅は珍しい。

午前9時52分、2429Dは赤平駅を発車。今日の列車交換は何と15回!これ以上の幸せはないかも?笑

※写真1~4:驚きの赤平駅

 

赤平駅・芦別駅の「JR北海道わがまちご当地入場券」も、表紙を飾るのはタラコ列車。

 

ちなみに「ズリ山」とは、石炭採掘に伴う捨石が長年積み上げられた山で、赤平市が炭鉱で栄えた歴史を物語っている。

駅近くにあるので今度登ろう!かな・・

ズリ山です。凄いね・・

※写真5・6:石炭で繁栄した赤平市

 

午前10時9分、列車は芦別駅に到着。

5月上旬の芦別駅。

 

芦別市もかつては炭鉱で栄えた街。

次の写真は日本遺産「炭鉄港(たんてつこう)」の構成文化財に指定されている「旧三井芦別鉄道(1940~1989)炭山川橋梁」。芦別駅に繋がる鉄道です。

 

芦別駅の今は右端の2本の線路しか使用していませんが、炭鉱で栄えていた時は、10本以上の線路に多くの石炭貨物列車が停車していたんだろうな・・(5月上旬)

※写真7~12:石炭と共に歩んだ歴史が今も残る赤平市と芦別市。「赤平市炭鉱遺産ガイダンス施設」で、元・炭鉱マンのガイドさんのお話を聞きながら、東洋一!の技術を結集した「旧住友赤平炭鉱立坑」を見るのが、お勧めです。

 

なお、炭鉱の仕組みは「炭鉱図鑑」をご覧ください。ちなみに朱書きしているのが「立坑」。

※写真13:炭鉄港推進協議会が作成した児童生徒向け副読本「おしえて!炭鉄港」から抜粋

 

そして、この施設が現在の「旧住友赤平炭鉱立坑」。

施設内はご覧のとおり!。「炭鉱図鑑」のとおり、ここからエレベーター方式で垂直に人や石炭を運んでましたが、その深さは何と最深650m。

1963年に完成し石炭の生産量も倍増したと聞くので、今より3倍以上の人口がいた当時の街の繁栄は、凄かったんだろうね・・

 

次の写真はガイダンス施設内に展示されている石炭と炭層断面図。

右上の石炭を運ぶ蒸気機関車(SL)は、9600型(愛称:クンロク)です。

※写真14~16:旧住友赤平炭鉱立坑と炭鉱遺産ガイダンス施設(赤平市)

 

さて、話を乗り鉄旅に戻そう。

 

タラコ列車(2429D)は芦別駅を発車し、山間の水田地帯へ進む。

4人の仲間はボックス席で、楽しそうに話をしているね。乗り鉄の楽しみ方は、人それぞれあっていい。

 

あ~!進行方向左窓側に空席発見!お客さんが、芦別駅で降りたんだ。

すぐにデッキから移動し、窓を開け、自然豊かな車窓の景色を眺める。

いいね~これぞまさにローカル線!

時速は約80km。車内を流れる爽やかな風と「ガタン~ゴトン~♬ガタン~ゴトン~♬」のサウンドが、とても心地よい。

※写真17・18:至福の時、到来!(芦別~上芦別~野花南(のかなん))

 

列車はまもなく野花南駅に到着する。

野花南は林業で栄えた街で、木材を積んだ貨車が複数の引き込み線に停車していたのだろう。

小さな駅だがホームの線路はとても長く、下り(富良野方面)のホームは、かなり向こうにある。

1981年10月に石勝線(南千歳~新得)が開通するまで、根室本線・滝川~富良野~新得間は、最大10両編成の「特急おおぞら(上下各3本)」や「急行狩勝(上下各4本)」が通った重要幹線。

 

当時は長編成の列車交換で、賑わいがあったのだろうね。今は(ほぼ)1両編成が1日9往復。ずい分様変わりしてしまった。

 

午前10時21分、池田発滝川行普通列車(2428D)が野花南駅に到着。

2428Dは約170km離れた十勝管内・池田駅を午前6時5分に発車し、狩勝峠を越えてやって来た。

新得駅からは1両かい? お疲れ様。

午前10時22分、2428D・2429Dは発車

2429Dは深い森の中へ進んで行く。

※写真19~24:本日2度目の列車交換(野花南駅)

 

野花南駅を過ぎると、列車は原生林が覆い繁る山間を、奥へ奥へと進んで行く。人の気配はまったくない。

 

ピー! 2429Dは甲高い汽笛を鳴らし、長いトンネル【滝里トンネル(5,595m)・島ノ下トンネル(2,839m)】を通るが、ここは1991年に開通した新線。トンネル前後の走りも滑らかだ。

※写真25:トンネルを抜けてパチリ!(後方デッキより)

 

根室本線は1991年まで、ここを流れる空知川の近くを走っていたが、滝里ダムの建設に伴い造られた滝里湖(空知川を堰き止めたダム湖)を避けるため、対岸の山の向こうにルート変更し、現在に至っている。

※写真26:国道38号線からの眺め。大雪山系や夕張山地からの雪解け水などで満水。田んぼを潤す恵みの水に感謝。(6月上旬) 

 

富良野市に近づくにつれ、平坦な盆地が広がってきた。好きです・・富良野。

午前10時40分過ぎ、2429Dは空知川を渡り、右に大きくカーブ。富良野の市街地に入り→

※写真27:2429Dは空知川鉄橋を通過中(車窓の景色より)

 

→午前10時44分、富良野駅に到着。停車時間は何と19分! 少しのんびりしよう。

のんびりしすぎて、キハ40-1749の写真を撮り忘れ。(時々あり・・苦笑)

後日偶然、富良野駅で出会い、パチリ。撮っててよかった。

え~!タラコが増結!知らなかった。

Wow~!

タラコの2両編成!今日は妙に運がいい。

※写真28~32:富良野駅でスタンバイ!Wタラコ2429D

 

終点・釧路駅までは、あと253.8km&7時間19分。

車窓の景色を楽しみながら、各駅停車の

長~い旅を満喫しよう。

 

 (つづく)

 

*追伸

「北海道ローカル線旅日記!夏の根室本線」をご覧いただきまして、誠にありがとうございます。

 

北海道は日常生活から雪が消え、まもなく桜が咲き始め、5月中旬には新緑が大地を彩ります。

そして、6月になれば気温が上がり、窓を開けて車窓の景色を楽しむ「キハ40・キハ54」の旅が待ってます。

待ち遠しいな~  それまでに仕事を片付けなくては・・苦笑

 

穏やかな世の中が続きますように・・