「北海道ローカル線旅日記!夏秋の石勝線~夕張支線」後編(夕張駅→千歳駅)のスタート!

 

午前10時38分に千歳駅を発車した普通列車(2629D)は、午後0時26分、終点・夕張駅に到着。

夕張観光を楽しみたい!ところだが、今日は乗り鉄旅を優先。

折り返しの午後0時34分発千歳行普通列車(2628D)に乗車しよう。

※写真1・キハ40も夕張駅で短い一休み

 

両側の車窓の景色を楽しむため、帰りも進行方向右窓側席に座りたい。早速、駅のホームで写真を数枚撮り、急ぎ列車の乗車口に並ぶ。これで席の確保はOK!

でも・・ここまでやって来て夕張駅滞在8分で、とんぼ帰りとは・・泣

 

折角なので、夕張駅を去る前に駅周辺をご紹介します。

駅を背にして左隣にあるのが「ゆうばり屋台村」。当時は6軒程度のお店が営業しメニューも多彩。週末や夏のお昼時は、乗り鉄さんや旅人で混んでました。

一番人気は夕張カレーそば!(と思います。)夕張市内数店で提供しています。

 

ラーメン好きの私のお勧めは、夕張石炭くろラーメン!

※写真2~5:ゆうばり屋台村と店内掲示のメニューポスター

 

にんにく風味の醤油系スープは、麺との相性もピッタリ!

では、いただきま~す!

※写真6:黒字のマチを目指す!強い思いが込められている夕張石炭くろラーメン

 

夕張の繁栄を支えたのは「黒いダイヤ」と言われる石炭!夕張駅から約3km北にある「夕張市石炭博物館」は、夕張観光では外せません。

 

お勧めは何と言っても「旧北炭夕張炭鉱・模擬坑道(国登録有形文化財)」。本物の坑道なので臨場感抜群の展示が待っています。

日本遺産「炭・鉄・港(たん・てつ・こう)」の重要な構成施設ですが、残念なことに現在復旧中。今後の展開が、よい方向に進むことを願っています。

(※「炭鉄港」は「北海道ローカル線旅日記!夏秋の石勝線→夕張支線②」でご紹介しています。)

 

※写真7・8:夕張市石炭博物館のパンフレットと立て坑やぐら跡。パンフレットの右側の写真が模擬坑道。

 

「炭鉱の仕組み」や「石炭」については、この資料をご覧ください。私のような素人には、とてもわかりやすい。

図のとおり坑道の中には鉄道が敷かれ、人や石炭が運ばれてました。右上の写真が石炭です。

※写真9:炭鉄港推進協議会が作成した児童生徒向けの副読本「おしえて!炭鉄港」から抜粋

(※私も副読本の作成を支援したので完成し嬉しく思います。関係者の皆様に心から感謝申し上げます。)

 

博物館に展示されている石炭の炭塊は凄いね~!でかいわ~!これを砕いたのが石炭です。

※写真10:三菱南大夕張炭鉱で採掘された炭塊(夕張市石炭博物館)

 

石炭の大量輸送を実現したのが蒸気機関車で、代表格はD51(デコイチ)!

長い編成では50両以上(長さ400m以上)の石炭貨車を牽引していたと聞くので、デコイチは汽笛・黒煙・蒸気を豪快に放つ力強い姿を、見せていたんだろうね。一度、近くで見たかった。

 

そして大好きな腕木(うでき)式信号機。私の故郷「国鉄・標津線」もこれでした。今では考えられない手動式信号機、絶滅危惧種。

※写真11:清水沢駅を発車し紅葉山駅(現・新夕張駅)に向かうD51(記念グッズより)

 

石炭ストーブが暖房の主役の座を降りてから約50年・・日常生活で石炭や石炭ストーブを見ることはありません。

 

次の写真は、2016年冬まで活躍した釧網本線の人気列車「流氷ノロッコ号」の、客車を暖めた「石炭だるまストーブ」。

火力が落ちると車掌さんが小さなスコップで石炭をすくい、ストーブの投入口を開けて放り込む。石炭ストーブの火力は強力で、近くにいると顔が赤くなるほどポッカポカになるんですよ。

 

※写真12・13:だるまストーブに石炭投入(流氷ノロッコ号の指定席車両内)

 

この上空写真は、炭鉱が活況を迎えていた頃の初代・夕張駅(1892年~1985年)周辺。夕張市石炭博物館はこのエリアにあります。

炭鉱住宅街が山の斜面まで所狭しと建っていますが、このような歴史の変遷を物語る絵葉書は、北海道では珍しいと思います。

※写真14:夕張市石炭博物館で購入した貴重な絵葉書

 

これもお宝級ポスター!

上段は初代・夕張駅。石炭貨車を牽引する蒸気機関車が停車してますね。

下段は夕張鉄道(夕張本町~鹿ノ谷~栗山~野幌)のディーゼル気動車。初めて見ました、嬉しい発見!

※写真15:夕張市石炭博物館の特別展「夕張の石炭を運んだふたつの鉄路~国鉄夕張線と夕張鉄道~」のポスター

 

次の写真は炭鉱閉山後の初代・夕張駅。

山の斜面の炭鉱住宅街や駅周辺の炭鉱関連施設は姿を消し、晩秋の景色に寂しさを感じます。

※写真16:ツートンカラーと、ツートンカラーから首都圏色(タラコ色)に塗装されたキハ22!これは値打ちのあるクリアファイルだ(表面)

 

裏面も充実していて、懐かしの硬券切符と硬券入場券、そして1964年(昭和39年)8月改訂版時刻表が掲載。

 

当時は「準急・夕張」が、夕張~追分~岩見沢~札幌間を1日2往復運行していたんですね。

所要時間はおよそ2時間半。冷凍みかんを食べながら、一度乗ってみたかった。

※写真17:安価で幸せな気持ちになれる、凄いクリアファイル。超お宝級!(裏面)

 

それでは千歳駅に向けて旅を進めよう。

※写真18:今となれば大切な夕張発千歳行乗車券

 

9月に夕張駅を訪れた時の驚きは、駅のホームで立ち売りを始めた、駅弁と懐かしい容器入りの番茶!

 

子どもの頃、蓋を「おちょこ」にして、ほろ酔いのおじさんを真似しながら、ちょびちょび呑んでました。(笑)

今思えば「呑み鉄本線こども旅」だったかも・・

※写真19:豪華な幕ノ内弁当~ありがとう夕張支線弁当~

 

9月の夕張駅です。

折り返し列車に乗って、とんぼ帰りをする旅人が結構います。

赤とんぼ君も見送ってます。

※写真20:赤とんぼ君・・ここで「じ~と」してました。まさか鉄?

 

お帰りなさい~あたたかい言葉だね。

帰るところがある、待っている人がいる、きっとそのような気持ちになれる、嬉しい一言です。

※写真21:ゆうばり盛り上げ隊・ありがとう夕張支線実行委員会さんが手作りし、全ての乗客に手渡しされた爪楊枝入りのお土産。黄色は幸せを招くラッキーカラー!

 

発車時刻が迫ってきました。

地元の方々が黄色いハンカチを振って、笑顔で見送っています。

ありがたいね。列車で来てよかった。

 

※写真22・23:夕張発千歳行普通列車(キハ40)まもなく発車

 

黄色いハンカチを持って手を振っている人に、お話を伺いました。

「夕張を訪れる人に感謝の気持ちを伝えたい。そのために私一人でも何かをしよう。」

私の方こそ、笑顔で見送っていただき、本当にありがとうございました。

※写真24:記憶に残るあたたかい一コマ、ありがとう夕張支線・・

 

(撮影時間:50秒)
 

 (つづく)

 

※追伸

「北海道ローカル線旅日記!夏秋の夕張支線→石勝線」をご訪問いただきまして、ありがとうございます。

 蒸気機関車(C11型)の汽笛や発車シーン【動画】は「北海道ローカル線旅日記!冬の釧網本線SL編3・6」で、ご紹介しています。

 

「旅のお供」時刻表とP2~P3の地図は、ご覧のとおりです。