束の間の休息を終え、旅を再開しよう。

午後5時2分、遠軽発旭川行き普通列車(4626D)が白滝駅に到着。

嬉しいね~1年ぶりの再会。

 

あれ?乗車してビックリ!車内は旅人でかなり混んでいる。1年前のガラガラの車内とは大違い。

いったい、どうしたのだろうか?

 

あっ、そうか・・きっと石北本線の下白滝駅・旧白滝駅・上白滝駅が、2016年3月に廃止されることが報道された影響なのだろう。

 

※写真1・2:再会!旭川行き普通列車(4626D)(白滝駅)

 

白滝駅から石北トンネルまで上り坂が続くが、キハ40はキハ54に比べ車体が重く、馬力が小さいため、エンジンを唸らせても思うように加速していかない。

国鉄時代から30年以上走り続けている超ベテラン。とても大変そうで、他人とは思えないね。

 

でも、車窓の景色はゆっくり流れるので、最高の列車だよ!

午後5時8分「秘境駅」の上白滝駅に到着。

上白滝駅は今日で見納めになってしまうのかもしれない・・泣

長い間、ありがとうございました。

 

数人の旅人を乗せ、1日1本の上り普通列車は出発・進行!

スピードは何と時速30km!

今時珍しい正真正銘の鈍行列車だが、急ぐ旅ではない。のんびり行こう!(6月末)

では、動画でどうぞ。

カラス君も見送っている!えっ鉄?

(撮影時間:30秒・2020年8月中旬)
 
列車は湧別川鉄橋を通過し、
エンジン全開で上り坂を進んでいる。
※写真3~7:白滝駅から峠の頂上までは列車泣かせの難所続き(白滝~上白滝~奥白滝信号場)
 

午後5時20分、列車は奥白滝信号場を通過。

常紋峠と同じく急な上り勾配が続くが、ここはキハ40の見せどころ。頑張れ~!

 

 

キハ40が、こちらに迫ってきた!

山間の夕暮れは早く、ヘッドライトがとても目立つ。

うわ~いいね~

 

列車はエンジンを唸らせながら急勾配のS字カーブを上り続けているが、まるで登山列車のような様相だ。

あっ!石北トンネルの入口!

あと少しで石北の峠越えだ。ゴールは近いぞ~

※写真8~15:深い森の中を走り、たどり着いた石北トンネル(奥白滝信号場~上越信号場)

 

午後5時38分、列車はその後も奮闘を続け、やっと峠の上越信号場に到着。

特急列車待ち合わせのため15分停車。

キハ40に一言「本当にお疲れ様でした。すごい力走だったね」

 

高速化の時代に逆行するような、ゆっくりとした走り、懸命な走りは、まるで人間のように思えてきて、つい応援したくなる魅力一杯の列車です。

※写真16:やれやれ・・やっと峠の上越信号場に到着

 

さて、石北本線のハイライト!

この列車に乗った時にしかできないミッションを、早速実行しよう。

 

あっ、あった!凄いしょ、これ!

※写真17:発見!上越信号場の(旧)駅舎中央に設置されているお宝看板

 

この看板は、ここがかつて標高634mにある上越駅だったことを告げているが、驚きなのは「石狩国・北見国・国境」の言葉。

 

「石狩国・北見国」は1869年、蝦夷(えぞ)地を北海道に改めた際、北海道を11に分けた時の地域(国)の名称で、ここが石狩国と北見国の「国境」にあたることを示しているが、150年経った今、このような表現を目や耳にすることはなく、存在自体がとても珍しい。

 

更に、ここで停車しない限り、この看板に気づくこともない。約90年前の開通当時にタイムスリップするような、貴重な「お宝看板」を撮影できて、とっても満足です!

 

撮影後すぐに席に戻り、車窓から進行方向をじ~と覗きながら、札幌発網走行き「特急オホーツク5号」を待つこと10分(午後5時50分)・・

あっ、来た~ しかも、また、スラントノーズフル編成!

そうか!旭川駅で撮影した「特急オホーツク4号」が札幌駅で折り返し運転したんだ。今日はとても運がいい。

※写真18・19:スラントノーズフル編成の「特急オホーツク」と嬉しい再会(上越信号場)

 

午後5時53分、列車は上越信号場を発車し峠を下りていく・・

でも・・その走りは上り坂とはまったく別人で、実に軽快!

 

まるで新春箱根駅伝の「5区・山登り」と「6区・山下り」のランナーの違いのようで、何と人間味のある列車なのだろう。(笑)

 

※写真20・21:石北の峠を軽快に下りていく(上越信号場~中越信号場)

 

1日1本、石北の峠を越え中越信号場を通過するキハ40。この日は珍しい3両編成!ラッキー! 

 

 

 

※写真22~25:遠軽発旭川行きキハ40・中越信号場通過(2019年9月上旬・午後3時10分。駅長さんからお話を聞かせていただきまして、ありがとうございました。)

 

「秋のつるべ落とし」というが、日が落ちて外の暗さがどんどん増してきた。

午後6時15分、列車は急な下り傾斜を活かした快走で、まもなく上川駅に到着する。

 

ちなみに上川町はスキージャンプ・ワールドカップで最多勝利を誇る高梨沙羅さんや、私の大好きな長野オリンピック・男子ジャンプ・金メダリストの原田雅彦さんの出身地!凄い町です。

※写真26:薄暮の中、まもなく上川駅に到着する4626D

 

午後6時16分、上川駅到着。

残念ながら1年前の旅と同様、ここで車窓の景色を楽しむ旅は終了です。

※写真27:上川駅に到着したキハ40

 
でも・・37分の停車時間を利用して、1年前にできなかったことをチャレンジしよう!それはラーメン!(笑) 
 

上川町には「歓迎・上川町、ラーメン日本一!」の看板があるなど、地域の皆さんが町おこしのためPRし美味しいラーメンを提供しています。

 

早速、駅前の「ラーメンの鉄人・しばやま」さんへレッツ・ゴー!

イチオシの「ゴマみそラーメン」ごまの風味が食を進めますね~美味しいです!

※写真28:「ラーメンの鉄人しばやま」さんのゴマみそラーメン

 

ラーメンを一気に平らげ上川駅に走って戻り、発車時刻に何とか間に合った。セーフ!

 

外は真っ暗。何をしようかな~?

今日の写真を見て旅を振り返りながら、のんびり帰ろう。

※写真29:上川駅3番ホームに停車中の4626D・すっかり夜汽車です。

 

午後6時53分、上川駅発車!

外はどのような車窓の景色なのだろう。暗くてまったくわからない。

 

列車は先ほど難解な駅名で知られる安足間(あんたろま)駅を発車。今は、次の愛山駅に続く直線区間を走っていて、その光景はきっとこのような感じだと思う。

※写真30:大雪山連峰を背に、旭川駅に向かうキハ40(安足間~愛山)

 

「ゴ~」、走行音が変わった。鉄橋の上だね・・

※写真31・北海道遺産「石狩川」を渡るキハ40(愛山~中愛別)

 
動画は現在の通過シーン。橋の色が変わりました。
夏空がいいね~マイナスイオンもいただきましたよ~
(撮影時間:25秒。キハ40の鉄橋通過シーンは「北海道ローカル線旅日記!動画編1・夏の石北本線」でご紹介しています。)
 
旅を続けよう。

午後8時5分、4626D・旭川駅到着。

天気に恵まれ、今日もとても楽しく「鉄」分補給ができました。

ありがとうございました。

※写真32:遠軽発旭川行き普通列車(4626D)旭川駅到着

 

石北本線・旭川~白滝間は、山あり、川あり、峠あり、在来線では日本一長い駅間区間あり、そして・・キハ40の奮闘ぶりなど、とても魅力的と思います。

 

現在は2019年3月のダイヤ改正で、午後2時40分旭川発北見行き「特別快速きたみ」に乗車した場合、白滝駅で旭川行きの普通列車に乗ることはできず、上川駅で折り返すことになります。

 

次の写真は現在の午後3時40分の上川駅の様子。

いいね~この光景・・ディーゼル列車好きの私には、もう最高です!

※写真33:役者が勢揃い!午後3時40分の上川駅!(2019年夏)

 

2015年夏に

・左側の1番ホームに停車した北見行き「特別快速きたみ」が右側の3番ホームに

・白滝駅から乗車した旭川行き普通列車が中央の2番ホームに

・上越信号場で列車交換した特急列車(現在は旭川行き特急大雪4号)が1番ホームに停車しています。

 

ちなみに現在の列車ダイヤで旭川~白滝間を楽しむ方法は、

①旭川~遠軽間を普通列車(キハ40)で往復

②旭川→白滝は普通列車(キハ40)、白滝→旭川は「特別快速きたみ(キハ54)」を利用する。

この2パターンがお勧めかと思います。

 

キハ40がいつまで現役でいられるかわからないので、私も新たな列車ダイヤで、この旅を楽しみたいですね。 

 

    (終わり)

 

※追伸

「北海道ローカル線旅日記!夏の石北本線」をご訪問いただきまして、ありがとうございました。

 

なお、2024年3月のダイヤ改正に伴い、キハ40とキハ54は石北本線から姿を消すそうです。

とっても残念ですが、いつかは必ず訪れる運命。長らく石北本線を支え続けくれて、本当にありがとうございました。(2023年12月23日追記)