兼好法師の「徒然草」には三人の名人の知恵が書かれていま

 す。

 

 (1)木登りの名人

   「あやまちは、安き所に成りて、必ず仕り候。」

   過ちは、易しいと思ったところに潜んでいる。

 

 (2)双六の名人

   「勝たんと打つべからず。負けじと打つべきなり。」

   勝とうと思わないで負けないように打て。

 

 (3)碁の名人

   「これも捨てず、かれも取らんと思う心に、かれをも得ず、これを

   も失うべき道なり。」

   これも、あれも、取ろうと思っていると、どちらも失ってしまう。

 

 兼好法師は各界の名人たちの知恵を集めて、彼らの知恵から学ぼうとしたんだね。私たの身の回りにも、釣りの名人、料理の名人、家庭菜園の名人、絵や音楽や写真の名人、それに詩人や歌人や俳人。たくさんの師匠がいる。そういう人たちの技や知恵を学ぶことも大切ですね。