物語の始まりはこちらから《第一章》



《第二章》




☆*:.。. o(≧不屈の魂≦)o .。.:*☆

第三章





(恋文の翔!)





翔「わぁ///


これも素敵だなぁ・・・」


智「・・・んふふ・・・」





智さんは。


去年の秋から和くんばかり


描いていたけれど。


春に東京から帰ってきて


その絵に


なんというか・・・


オーラというか・・・




・・・憂い。


・・・儚さ。


それを上回る・・・熱っぽさ。




を、帯びるようになっていた。





それがなんとも色っぽくて


艶っぽくて


ひらひらと舞う桜花よりも


心を惹き付けられる。


智さんも。


なんだか男の魅力を増したし。


この辺りの女子が。


老いも若きも


こぞってやってくるんだ。


昼休みにはあっちの席、こっちの席


全部埋まってハート♡が飛んでる。


俺がちゃんと見張っているけどね。


変なのに捕まらないように、ね。





智「花は流石にもう終わりかな」


翔「すっかり花筏で流れてしまったね・・」




京都の桜は


河津桜から八重桜まで


春にはずっと咲き続けるけれど


皐月を迎えて


新しい葉が次々と薫る候になっていた。





それでも。


変わらないものも、ある。





翔「相変わらずカレー、美味いなー」


智「ふふふ。ありがと」


翔「毎日食っても飽きないねぇ」


智「ちょっとずつ変えているんだ」


翔「え、そうなの?」


智「今日のは、淡路島産の新玉葱を


バターで炒めて多めに入れてある」


翔「この前の釣りで淡路行ったんでしょ?」


智「うん。明石から釣り船に乗って


鳴門海峡を越えて四国の方まで行ってきた」


翔「淡路島の玉葱は甘いからかな?」


智「甘さはね。隠し味にバナナ入れたり


チョコ入れたりもしているよ。


毎日その配分を微妙に変えてるの」


翔「料理もイケル男子だねぇ」


智「・・・ここ、さ。


夜に料理出したら、客、来るかな・・・」


翔「間違いなく来るでしょ。


場所良し。カレー良し。珈琲良し。


マスター顔良し。スタイル良し。色気良し。


常連、俺と松本ね、抜群に、良し。


ちょっと通りから奥になってるけれど


今時インスタとかTikTokに載せれば


すぐに当たるよ。


隠れ家キッチンなんて


ワクワクしかないっ」


智「キッチンもやりかえて


ここに大きな冷蔵庫置こうかな・・・


で、こっちに炭火のコーナー」


翔「本格的だねぇ」





和くんをお迎えしたいんでしょ・・・


料理人になるという彼を


この店に呼びたいんでしょ・・・





俺が小説を書く斜向かいで


ひたすら夢を描く智さんの・・・


そのひたむきな姿を


和くんに


見せてあげたいよ・・・





あ。


お話、書けそうだ♬


タイトルは・・・そうだな・・・


『愛の釣り人』なんてどうだろう?


ふふっ。




翔「それで。


東京に忘れてきたという着物は


どうなったのさ」


智「あ、そうだ。


松兄に取りに行ってもらって


和が預かってくれてる」


翔「他の人に取りに行かせたの?」


智「だって。


カプセルホテルのロッカーだよ。


危ないもん」




へー・・・


メモメモ📝


危ないところには。


近付けない、っと。


おかげさまで筆が進みますよ。