7月1日、2日の日経新聞の一面トップ記事から。

 

1日「香港国家安全法が施行 一国二制度崩壊の危機」

中国の習近平国家主席は30日、中国政府が香港の統制強める「国家安全維持法」に署名し、公布した。

 

2日「香港『国安法』初の逮捕 独立の旗所持 集会含め300人超」

香港警察は1日、6月30日に施行された「香港国家安全維持法」に違反した容疑で男女あわせて9人を逮捕した。(略)。「香港独立

」などと書かれた旗やプラカードを持っていた疑い。

 

 

この話題については

190.「香港デモ―自由と民主主義を守るための命掛けの戦い―」

https://ameblo.jp/kazunari-itoh/entry-12534829144.html

 

195.「現代の日本人にも『侍の国』の末裔としての矜持が残っているのであるならば」

https://ameblo.jp/kazunari-itoh/entry-12600681722.html

 

でも書きました。

中国による「国家安全維持法」が公布、施行され、実際にその日のうちに逮捕者も出ました。

 

これによって、1997年に交わされた国際公約、「中英共同声明」は完全に反故にされ

「香港特別行政区」は中国によって無理やり終わらされました

 

中国自身はこれを「内政問題」と強弁していますが、とんでもありません。完全なる国際社会に対する背信行為です。

自由と民主主義を標榜するいわゆる前世紀でいうところの「西側諸国」に対する挑戦行為です。

 

 

さて、

ここで話を変えて日本国憲法の話をします。

なんで?関係あるの?と思われる方もいるかもしれませんが少しお付き合いください。

 

日本国憲法前文には以下のようにあります。

「1.(略)われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

 2.(略)われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

 3.われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。

 4.日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」

 

ちなみに、日本国憲法前文は単なる政治的宣言ではなく、法規範性を有していると法学的には解されています。

つまり罰則こそ設けられていませんが、これは法律であり、日本人として守らなければならないものです。

 

護憲派の方々にとっては憲法9条と並び「平和憲法の精神」として金科玉条の如く心棒しているものです。

 

しかし凄いことが書かれてますね。

日本は「専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において名誉ある地位を占めたい」とあって、

「いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって」この法則に従うのは「各国の責務であると信じる。」

極めつけは「日本国民は、(略)全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」

 

とあります。

つまり現在においてはどういうことかというと、

 

「専制と隷従、圧迫と偏狭」を自国民以外にも強いている中国は、「地上から永遠に除去」されるべき存在であり、

それについては「いずれの国家も自国のことのみに専念してはなら」ず、上記に従うことは「各国の責務」で、

「日本国民は」「全力をあげてこの崇高の理想と目的を達成することを」誓う事になっているのです。

 

そのこと自体は、このブログでは同旨のことを書いているので一向に構わないのですが、

果たして、日頃「平和憲法を守れ」「アベ改憲は戦争への道」とか主張している野党の方々にこの内容は受け入れられるでしょうか。

受け入れてもらわないと困りますよね。

むしろ現政権よりももっと積極的に中国批判を繰り広げてもらわねば道理に反します。

 

ですから、もし日本国内で今後中国との関係を重視し、この国に対する批判を抑える勢力が、経済界や左側から現れてくることがあったならば、それは「違憲」ですので

しっかりとその事実を指摘してあげることにしなければなりません。

 

 

 

などと、感じの悪い事を書いてしまいましたが、日本としては当然中国の行いを認めてはならず、それによって中国との関係が悪化するようなことがあっても腹を括らなければいけません。

 

もう時代はそういうフェーズに入ってしまったのです。

 

 

 

 

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