割烹 田中屋は、現在154年の歴史を持つ、江戸時代から続く、横浜唯一の料亭です。
昔の常連客には、歴史上のそうそうたる顔ぶれが名を連ねます。
・ハリス(ペリーが日本の鎖国を解いた後、日米通商条約を結んだ人)
・高杉晋作
・伊藤博文
・西郷隆盛
・乃木希典
・夏目漱石・・・etc.
東海道五十三次の神奈川宿にも登場する腰掛け茶屋『さくら屋』、そこを文久3年(1863年)に、創業者晝間弥兵衛が買い取り、旅籠料理屋『田中屋』に改めました。
1859年の横浜港開港により、田中屋向かいの本覚寺に米国領事館が置かれ、米国総領事ハリスをはじめとする多くの外国人達が、接待や迎賓館として利用しました。
当時、坂本龍馬亡き後のお龍さんが仲居として働いており、彼女が英語を話せた為、大勢の外国人客を受け入れられたそうです。
私達がもてなしを受けていると、何処からか三味線の音色が聴こえて来ました。
仲居さんに訊ねると・・・
「只今、玄関の方で女将が三味線を弾いております(⌒‐⌒)」
・・・との事。
女将のさりげない、客達への『おもてなし』のひとつです。粋ですねぇ!!
その昔、お龍さんは月琴を弾いて、客達をもてなしていたそうです。
かつては1200坪あり、宿場最大の料亭でしたが、現在はこの、黒線で囲った部分だけ・・・。
時代の荒波を幾つも乗り越え、高層ビル群に囲まれながら、横浜の歴史、日本の歴史を継ぐ貴重な文化を守り、後世にそれを伝えて行くべく、現5代目女将は頑張って居られます!
私達が食事が終わった時、女将が部屋に来られ、貴重な資料やお話を聞く事が出来ました。