昨日の『みと全国ダンス・コンペティション2014』。
私達5人の審査員は、5組の出場者の演技が終わる毎に演者一人一人に講評をする事になっていた。
その中で、本多実男先生が一人のダンサーに投げ掛けられた言葉が耳に残る。
『バレエの世界には制約がある。その制約を守ってこそ、自由が生まれる。』
私も日頃、クラスの中で生徒達に説く事である。
バレエは特に制約の多いジャンルではあるが、では他のジャンルのダンスには制約が無いか?と言えばそうではない。
勿論、ジャズ・ダンスにも制約に近いものがある。
振付の中のライン、ポジション、音の取り方・・・etc.
決められた事から外れた自由など意味が無い。
それらに忠実にならずに自由や個性を求めるならば、振付は必要なくなる。
全てインプロビゼーション(即興)でよい!と言う事になる。
音に、リズムに乗ると言う事そのものもまた制約。
綺麗なラインがあってこその『崩す意味』。
正確なポジションがあってこその『乱す意味』。
そうしたものが、制約の中で初めて功を奏すのである。
これが理解出来ない内は、どんなに努力を重ねたところで全ては幻。
上達など有り得ない。
なりたい姿、踊りたい形があるのであれば、この制約を理解出来る筈であるが、なかなかどうして・・・
生徒達の中には、これを飛び越えた所での上達を夢見る連中も居る。
『自由に踊る』
・・・と言う事の真意が理解出来ないのである・・・。
昨日の本多先生の言葉を、投げ掛けられた参加者達が、この言葉の真意を理解してくれた事を祈るし、また私も懲りずに、この事をクラスの中、振付の現場で言い続けたいと強く思った。
過去に、この事の真意が解らず、私に食って掛かって来た生徒や、反発して来た生徒も居たが、それはそれで仕方がない。
上達の機会を逸してしまった者に対しては、次の機会が巡って来る事を祈るしかない。
私は、それでも懲りずに同じ事を言い続けるしかないのだから。
根気の要る事よのう(笑)!