初期の『必殺仕事人』 | 奇は奇術師の奇

初期の『必殺仕事人』

以前にも書いたけど、

私は、前期必殺シリーズのファンなのだ。

必殺シリーズは大きく分けて、前期と後期があり、

無論近年のジャニーズ必殺は除くのだけど、

第1作『必殺仕掛人』(1972年)から

第10作『新必殺仕置人』(1977年)までが前期と言われていて、

この時期のファンは大変多いのである。

出演する役者の方々も素晴らしいのであるが、

いわゆるパターン化した作劇でなく、練られた脚本、

映画のような演出もあり、大変見応えがあるのだ。

 

その『新必殺仕置人』の最終回は、このブログでも何度も書いたが、

テレビ時代劇の最高傑作と思えるほどの素晴らしい作品で、

出演者のすべてが輝いていて、中村主水が最高にカッコいいのである。

 

そんな最高の形で、最終回を迎えたものだから、

以後の必殺シリーズは、気の抜けたサイダーみたいになり、

シリーズ第14作『翔べ!必殺うらごろし』で、最低視聴率となり、

スタッフは、次の第15作である『必殺仕事人』で、最後にしようと、

原点回帰を計り、第1作『必殺仕掛人』の原作池波正太郎の世界と、

テレビが独自に育ててきた中村主水の世界を融合させた意欲作を送り出した。

 

殺しの依頼を受ける元締めが居て、掟に縛られる仕掛人(仕事人)の姿を

描くということで、ハードボイルドタッチの中村主水世界が誕生したのだ。

 

これが最高に面白いのだなあ。

 

そして松竹さんが、YouTubeでこの

『必殺仕事人』を一話から順に期間限定無料公開。

6月25日まではあの第三話が公開されてる。

二転三転する脚本の妙。
あの、ミラーマンの石田信之さんが、極悪人を演じる。
そしてなんと言っても、ロマンポルノ出身の田中真里さん
お茶の間テレビで流してもいいのか!というような、
もう逝ってしまっているような演技を披露。凄まじい
 
そして、仕事人の元締である鹿蔵役の歌舞伎界の大御所
中村鴈治郎氏!

最後に仕掛けるその恐ろしさ。

光と影の演出も相まって、表情の変化が凄まじいのだ。

 

その鴈治郎氏が元締め演じるのも六話まで、

体調不良で降板、誠に残念な話。

その第六話まではすこぶる面白い。

 

丹波哲郎氏がゲストで、

上方の仕事人を演じる第四話。

 

あの天津敏さん(赤影の幻妖斎)が、

善人役を演じる第五話。

 

目黒祐樹さんと主水の最後の対決が

泣かせる第六話。と、

 

すべてが傑作なので、この機会に是非みていただきたい。

 

仕事人はそのあと元締めを山田五十鈴さんが引き継いだが、

21話で降板。

 

そのあとを木村功氏(七人の侍の勝四郎)が引き継ぐのだけど、

こちらも体調不良で、あまり出てこなくなる。

 

しかしながら、秀役の三田村邦彦氏の人気が出て、

のちの『新・必殺仕事人』で中条きよしさんが加入することで、

必殺ブームを巻き起こすことになるのだけど、

作品は安定のワンパターンになってしまうのだ。

 

安心安定、定番の時代劇が、一般大衆は好きなのかなあ。

なんとなくわかるもするけどね。

 

安心安定でないレクチャーも

楽しんでみてください。

 

OSMANDは16日日曜日

ちょっと安定安心を崩したいと考え中

①16:00~OPEN   ②19:00~ OPEN

 

 

どうかよろしく!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ、最初は後期必殺