Nightmare | 奇は奇術師の奇

Nightmare

コンベンションのショーの大トリ。

いつものようにカード、ボール、と

マニピュレーションを演じて、

最後にシルクで派手に締めるという構成。

シルクプロダクション〜ブレンド、

シルクカスケード〜ファウンテンシルク

〜フラッグ という35年前に私の組んだ手順。

営業でもどこでも、ステージのトリネタとして、

評判の良い手順なのだ。

 

*トリネタ=演技の最後に締めとして演じる出しもの。

 

セットも終わり、楽屋で出番待っていると、

プロデューサーのMr.X氏がやってきて、

「カズさん、シルクセットしてるけども

大トリの演技はスリー・ボールじゃあなかったの?」

と、言うのだ。

 

『スリー・ボール』というのは古典ネタの私の改案手順で、

小さな3個のボールが、手から手に移動するという、

サロンショーなどでのトリネタとしてここ20年近く演じている手順。

昨年出した著作にも詳しく解説してある。

シルクから始まって、最後にシルクになって終わるという、

雰囲気のある良い手順なのだけど、

大舞台では、少々規模が小さい。

 

X氏にシルクで行きたいと言うのだけども、

すでに音響と照明はセットされているから、今から変更は無理だと言われる。

いつの間にリハしたのだったっけ。と不審に思いながらも、対応策を考える。

スリー・ボールの道具は会場奥の控え室の荷物の中にある。

会場を通って、その控室に行かねばならない。

 

私の前の出演者の演技が始まった。もう悩んでいる時間は無い!

 

X氏に

「なんとか間を繋いでくれと司会者に伝えてください」

と言って、慌てて会場の端を通って控え室に駆け込む。

カバンを漁って、なんとか道具を取り出す。

しかし、慌てているのかシルクのセットがなかなかうまく行かない。

焦ってなんとかセットして、再び会場を通って、舞台袖に行こうとしたら、

 

なんと、

 

司会者がショーの締めを行なって、

ショー自体が終わってしまったのだあ、

お客様は私に気づかずに、会場から次々出ていく。

 

私の出番は?

マジックはどうなったのだあ?

どうでも良い大トリだったのかあ。

怒りと情けなさで泣きそうになり、

 

いったいどうなってるんだあ!

 

と、叫んだところで目が覚めた。

 

定期的に見る悪夢、

夢であることがバレないようにしてるのか(誰が?)

なんだか設定がだんだん凝ってきている。

 

冷や汗かいたなあ。

 

 

 

明日はOSMAND

①16:00 OPEN  17:00 STAGE

②19:00 OPEN  20:00 STAGE

お時間のある方は是非に!