国産初のカラーアニメ『ジャングル大帝』
著作にも書いた通り、私はテレビ第一世代である。
ということは、マジックのテレビ番組だけでなくて、
手塚先生のアニメや、円谷の怪獣を見て育ったのである。
そして、それらの番組では音楽が非常に大切に扱われていて、
常に高度な楽曲が聴かされたのである。
手塚先生の『ジャングル大帝』(1965年)『リボンの騎士』(1967年)
での冨田勲氏による音楽は、素晴らしすぎて、もう何度も聞いてしまう。
特に『ジャングル大帝』では、毎回ミュージカル仕立てになっていて、
毎度新曲が書かれていたというのだから、そりゃあ虫プロさん、
赤字になるのも当然だわね。
円谷プロもそうだけど、
儲ける儲けないよりも、テレビという新しい世界で、
『良い作品を作って届ける』という思いの方が、当時強かったのだ。
60年も前に予算の限られたテレビの中で、
こんなにも凄い作品を生み出すために戦っていた人達がいた。
その姿勢があったからこそ、時代を超えて語り続けられる作品となるのだ。
だから私は単なる懐古主義でなくて、
この時代のテレビ番組黎明期から発展期の作品が好きなのだ。
このオープニングの見事さは、もうね、どうしようもない!
ディズニーがパクりたくなるのもわかるなあ。
そしてエンディングの引田三枝子さんの圧倒的な歌唱力!
こういうのを見て育ったからか、どうかは知らないけども、
映像と音楽のシンクロの心地よさ、伝わるものの大きさ、などは、
テレビから教えてもらった気がする。
そして、それはマジックで使用する音楽の拘りへとなって
今もしっかり自分の中に受け継がれているのだ。
作品作りの精神と共にね。