ゾンビ特急地獄行き | 奇は奇術師の奇

ゾンビ特急地獄行き

最近マジックの専門的な記事ばかりで、一般的でない!

と、敬友のDr.Lさんからおしかりをウケたので、
今回は映画の話。

タイトルは前回の記事とのつながりで、

『ゾンビ特急地獄行き』

冗談みたいな日本版タイトルだけど、
原題は『HORROR EXPRESS』
ピーター(ヘルシング、フランケン、ターキン総督)・カッシングと
クリストファー(ベラ・ルゴシ以降の最高ドラキュラ役者)・リーの
ハマー映画二大看板スター&
テリー(刑事コジャック、女王陛下の007ブロフェルド)・サバラスが主演。
一部映画マニアの間では、カルトな人気を博していたという1972年のスペイン映画だっ!

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1906年の四川省で人類学者サクストン(リー)が類人猿のミイラを発見する。シベリア横断特急で、このミイラを運ぶのだが、駅で、車内で、不可解な殺人事件が起こる。死者は目を真っ白にして、目や鼻の穴から血を流して死んでいるのだ。たまたま同乗したサクストンの友人の科学者ウェルズ(カッシング)は、ミイラが怪しいと睨むのだが…

悪魔崇拝の怪しい牧師は悪魔の仕業と騒ぎ立てるし、殺人事件を調査する刑事は行動がおかしくなる。女スパイや、富豪とその若妻を乗せて、列車は雪の平原をひた走る。やがて、犯人はミイラに寄生していた宇宙生物である事が判明!太古の地球に飛来して、多くの生物の進化を促進してきたこの生物は、目から他者の記憶を吸い取ってしまうのだ。そしてこいつはミイラから人へと宿主を移っていく。

次々に殺人が起こり、パニックの列車に偏狭的な隊長(サバラス)に率いられてコサック軍が乗り込んで来る。むちゃくちゃな車内で、宇宙生物に殺された者がゾンビのように蘇り、コサック隊、サクストンやウェルズと対決する事になる…。

ミイラ、悪魔崇拝、宇宙生物、ゾンビ、といろんな要素を、豪華列車の車内にてんこ盛り。
サービス精神満点というか、なんでもありというか、それでいて、リーとカッシングの重厚な演技と、
ジョン・カカヴァスによる美しいテーマ曲が、このむちゃくちゃな話をとっても格調高く締めている。

世界一のフランケンシュタイン博士役者でもあるカッシングに、死体解剖させたり、
ゆでた魚の目が白いと、驚いたり、
何気なく机の上に月桂冠が置いてあったり、上海駅なのに北京と書いてあったり…
そんなむちゃくちゃなシーンが目白押しなのに、
ともかくサービス精神と、役者のパワーで最後まで見せてくれる。
気付いたらいつの間にか終っていて、見ている者は置いてけぼり…という感じが味わえるのだ。
こういうむちゃくちゃな映画大好きである。

カルト映画の真打ち登場といった感じのこの作品。
レンタル屋においてあったら、迷わず借りよう。
きっと人生を豊かにしてくれます。


ぜんぜん一般的じゃないね…