『不安な個人、立ちすくむ国家 ~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~』 | 中谷一馬オフィシャルブログ「おもしろき こともなき世を おもしろく」Powered by Ameba

『不安な個人、立ちすくむ国家 ~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~』

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http://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf


5月18日に行われた第20回産業構造審議会総会にて発表されたこの資料。20代30代の若手官僚が事務次官と意見を交わしながら作成したとのことで、非常に話題になっています。


少子高齢化を筆頭に私と同年代の若者が感じる将来への漠然とした不安感と、日本のシステムを抜本的に改革する必要性/方向性について、分かりやすく言語化/視覚化された資料であり、とても興味深く、また意義があると感じています。


私が世界経済フォーラムのU-33に選んで頂いた直後に、未来のあり方をメンバーで考え、提言を社会に示したいと意見をさせて頂いたことがあるのですが、イメージはまさにこうしたものでした。


特に私自身が母子家庭の育ちで、政治家としてひとり親世帯の貧困問題をライフワークにしていることもあり、社会的弱者に対する問題提起は非常に共感できます。


資料の中でも触れられていますが、金銭給付だけではその場しのぎの対策に過ぎず、新たな貧困を生み出す連鎖を断つ事はできません。社会全体のシステムや価値観を大きく転換していかなくてはならないと考えていますし、この国の成長戦略の方向性や税制の見直しなどもセットで論じることも必須でしょう。

また、議員時代に散々提言をさせて頂いたソーシャルインパクトボンドやガバメント2.0のような発想が、資料の中でも記載されており、日の目を見る時代になってきたのだということを肌で感じられるようになったことはとても嬉しいことですし、日本をより良く変える一助につながると確信しています。


持続可能な社会の実現、全ての人が幸せになれる社会の実現を目指す私にとっては、賛同できる内容もあれば、疑問に感じる内容もありますが、こうした社会への投げかけが改善の一歩を踏み出すものだとも思います。


しかし、私達若者世代が、自分達の未来のために声を上げ、多くの人々を巻き込んで議論をし、本気で日本を変えていくんだという気概をみせたことが何よりも重要です。


本来であれば、私達政治家(候補者含め)が国民の先頭に立ち喧々諤々で議論をするべきです。そこには党派の利害など持ち込まず、私達がどのような日本の未来像を描いているのかというビジョンを示す義務があるはずです。そして、そのビジョンを実現するために、新たな政策をつくり、既存の制度を改革していくのが仕事です。


このプロセスを実行している政治家が少ないからこそ、国民の皆さんは政治に対して不信感を抱くし、興味が薄れるし、期待感がなくなる。特に私たち世代の人間からすれば、国に頼らず自分達は自分たちで守らなくてはいけないという想いが募っているのだと思います。


日本に、若者に取り巻くこの閉塞感を打破し、世界に先駆け、「少子高齢化社会における国民の幸福度を高める国家モデルケース」を構築すること。その為には、壮大かつ困難な課題に対して、今できることを一歩ずつ確実にやっていくしかありません。


日本には今回の資料を作成した官僚の皆さん、これを見て様々な意見を発信する人々など、志を高くもったたくさんの国民がいます。私自身も、自分のビジョンを多くの人々にぶつけ、そして磨き上げながら、理想とする日本を創っていきたい。この資料を見て、その想いを更に強く強くしています。


皆様もぜひご一読頂き、日本の未来を共に思案頂けましたら幸いです。