『孤蝶の城』 | 日々の徒然

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日常の記録帳

カルーセル麻紀さんをモデルにした『緋の河』の続編です。



性転換手術を終えたシーンから始まります。



モナコで性転換手術を受けた主人公は、術後の杜撰な処置で生死の境を彷徨うも九死に一生を得て、「日本人初の性転換手術者」として帰国して話題を振り撒く。



銀座のクラブで働き、テレビに出、舞台で踊り、華やかに活躍するも、自分には「芸」の基礎がないことに薄々気付いている。

周りも、取り上げるのは「女になった男」としての話題性だけ。主人公の内面に迫るような記事は無く、主人公もマスコミには本当の事は語らない。



飽きられることを内心予測しつつある時、友人の女優から「芝居を学べ」と言われてその世界に入っていく。



『緋の河』は、男性だった主人公が、男でも女でもない「自分」で在ることを証明するためにド派手に生きて、自分で在ることを貫いていく過程の話。



この続編は、「日本で初めて性転換手術をした」という最大の話題を売った後、念願の女の身体を手に入れて、どう生きているかの話。



世間には、ガラッパチで言いたい放題、華やかに面白おかしく生きているようにしか見せないカルーセル麻紀さんの、真の姿を描いた本なのだと思いました。



表面しか見ないマスコミ、異質な主人公を嫌悪する周囲の人々に対して、近しい人たちが素晴らしいのなんのって。



私の中では、主人公の師匠マヤはミッツ・マングローブさん、主人公の友達ノブヨは江口のりこさんのイメージでしたニコニコ