こんにちは!



Flexible Perfect Body協会代表安藤一樹です。



今回から、変形性股関節症(以下股OA)についてお話していきます。

よろしくお願いします。




股OAは、非炎症性であること、関節軟骨の変性があること、周囲の骨と滑膜組織に変化が生じて、股関節の変形が惹起されることが一般的な概念です。



これだけではなく、tateuchiらは、「変形性股関節症は、姿勢悪化と脊柱の柔軟性低下が変形性股関節症の進行に影響する」ことを明らかにしました。



この研究では、「立位姿勢の悪化が、股関節への負荷量を増大させること」や「立ち座りの日常動作では、脊柱と股関節が連動して動くことが多いため、脊柱の柔軟性低下が相対的に股関節の負荷を増大させる」ため、股OAが進行するということが考えられていました。




今回は、脊柱柔軟性低下が、股OAを進行させる要因を、私の考えを元に説明していきたいと思います。


私の考えは、人体は、骨組みと紐の集まりであるテンセグリティー構造となっているということが大前提です。


人体は、骨のみで身体を構成しているわけではありません。


骨同士は、筋膜の張力で配列しています。


下記がテンセグリティー構造の模型です。


骨同士は、接触しておらず、独立しています。しかし、いくつも紐の張力によって、その位置に配列できています。



人体は、このような構造になっています。



話を戻します。



股関節と脊柱を繋いでいる組織があります。


それが、大腰筋です。



引用元:ヒューマンアナトミーアトラス2024


大腰筋:起始 全ての腰椎の横突起と椎間線維軟骨(Th12〜L5)

停止 大腿骨小転子

神経支配 腰神経L1〜4からの枝



大腰筋は、腰椎を過度に後弯させない役割があります。


したがって、大腰筋の筋緊張が亢進すると、腰椎を過度に前弯させることが推測できます。



筋の筋緊張異常は、収縮弛緩が円滑に行えなくなるため、腰椎の前弯後弯の可動域の低下も生じます。




実際に、「股OA患者では、股関節安定性に関わる腸腰筋、梨状筋、中臀筋に著明な筋萎縮を認めた」研究もあるため、股OAのアライメントに、大腰筋の緊張は関係があると考えられます。




最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考文献<論文タイトルと著者>

Hiroshige Tateuchi,ex, Sagittal alignment and mobility of the thoracolumbar spine are associated with radiographic progression of secondary hip osteoarthritis, Osteoarthritis and Cartilage


福井勉,大腰筋機能の臨床的考察.バイオメカニズム学会誌,24(3),153-158,2000

南角学他,変形性股関節症患者の臼蓋形成不全は腸腰筋の筋萎縮と関連する.日本理学療法学会大会抄録集より
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