こんにちは! 本質力リハビリテーション協会代表の安藤一樹です。




今回から当協会の治療の原則の要であるミラーリングについて深掘りしていきたいと思います。



ミラーリングとは無意識に自分と他人、相互に影響を与え合う原則です。


このミラーリングを支えるのはミラーニューロンです。


ミラーニューロンは猿の脳から発見されました。


このミラーニューロンは相手を観察している時も活動し自分が実際に動作を行っている時にも活動します。


例えば相手が手で食べ物をつかんだ時を観察した時ニューロンが活動し、自分が手で食べ物をつかんだ時も同じニューロンが活動しています。



つまり、実際に動作を行なっていないのにあたかも自分が行なっているかのように振る舞っているような活動をするわけです。



猿の脳だけにあって人には無いのではないかと思われるかと思いますが、人だとブロードマンの44野と縁上回や角回に値すると言われています。



前頭葉にあるブロードマン44野と縁上回、角回はどのような部分なのでしょうか?
安井幸彦;中枢神経系.野村嶬(編),標準理学療法学・作業療法学専門基礎分野解剖学第4版,pp250-283,2015より改変引用



ブロードマンの44野は前頭葉のブローカ野に当たるところです。ブローカ野は言語の産出だけでなく、言語の理解のために働く場所です。


縁上回は言語の短期記憶を行っていると考えられています。また、ブローカ野、ウェルニッケ野、角回とともに言語処理を行っていると言われています。



角回は視覚刺激から物事を言語化する領域で言語の理解のために働く場所です。


左縁上回と左角回は、語彙と意味処理を行い、これらの情報を統合しているとされています。

安井幸彦;中枢神経系.野村嶬(編),標準理学療法学・作業療法学専門基礎分野解剖学第4版,pp250-283,2015より改変引用


ここから分かることはブロードマンの44野、縁上回、角回は全て言語を理解するための領域であるということです。


理解するために脳は何を行うか、それがミラーニューロンを活動させることだと思います。


先輩の卒業式で先輩の涙を見たら自分も泣けてきたというのは先輩の心情を理解したからだと思います。



理解するにはミラーニューロンが活動することが不可欠といえるのではないでしょうか。


理解するために自分も実際に行う時に活動するニューロンが働くから影響し合うのです。



今後はこの理解についてもう少し深くお話していきます。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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