DEADROCK第15話『ゴースト』感想 | ルーメン・イストワール

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真島ヒロ先生を応援しています。
EDENS ZERO/Mashima HERO'S/FAIRY TAIL/RAVE



あらすじ…デッドロックの体育祭「デッド・オア・アライブ」に参加することになったヤクトたち。相手を倒して一番多くポイントを稼いだ組は、神への謁見が許される。神に近づくため、やる気を出すヤクトだが、他クラスや上級生も強者ぞろいだ。ミコトは四魔教のボルトガーと対面し…!?


扉絵

扉絵は、ハニーとチャコで「F組カワイイ枠対決」

マスコットキャラクターポジションが2人もいるの

真島作品にしては珍しい構成ですよね。

しかし、こう言われて気づいたのですが、正直ハニーもチャコもそう可愛いと感じた事がないww

ハニーはギリモアイだし、チャコは性格が可愛くないのよw

この2人、EZのピーノやFTのハッピーみたいな気持ちでは見てないですね…。どっちも残念マスコットのブサカワ枠みたいな印象です。


F組の現状

体育祭「デッド・オア・アライブ」が始まったデッドロック。

前回開幕し、ヤクトとミコトがすぐ会敵していたのは分かっていましたが、今回はそれ以外のF組メンバーの現状が明かされました。

戦況は以下の通り。

  • フレイ、ハニー、チャコが一緒に行動
  • ライゼンは1人で行動
これまた面白いシチュエーション。
てっきり全員バラバラかと思ってましたが、そういうわけでもないんですね
偶然か、はたまたある程度運営側の意図があるのか(少し運の要素があるとか)。
まぁ、元々最初はクラス同士で集まっていたので、レイヤーゲートを同じように通っていたらクラスメイトと一緒の場にワープしている可能性が高いというだけの話なのかもしれませんね。
偶然ではあるが、多少そうなりやすい都合はあるのか。
気になるのは、物語的にこう別れた人選の意味
主人公のヤクトと今回の話で鍵を握るミコトだけが単独で、それ以外は一緒に動いているかと思いきや、ライゼンを残して一緒に行動で、ライゼンだけ分かれているんですよね。
このチーム編成はどういう事?
単にそんなに集まってたら不自然という設定上の都合か、にしてもライゼンだけってのは、ライゼンに少し特別な役回りが待っている前フリのようにも感じます
ある意味ライゼンとその他のメンバーという分け方になってますから、これ。
ライゼンと言えばミコトに操られている死者で、ミコトが死ねばライゼンも死ぬ運命共同体で、今回の「こっちにはネクロマンサーのミコトっつーバケモノがいてよォ」もある種の信頼が感じられますし、そんなバケモノ級に強いミコトのピンチに駆けつけるフラグにも見えました
個人的にライゼンとミコトのカップリングの可能性を探っているので、そんな展開を期待したくなる。

ここも注目して読み進めていきたいです。

アレス

順調にポイントを稼いでいくF組。
神の謁見のチャンスも上がっていき喜ぶヤクトですが、その背後から「いいね〜♪」と話しかけてくる人影が見えました。
「よ」と話しかけるハイライト無しの真っ黒目で飄々とした少年は、3年のアレス
これは、前回ハニーのチェックしている優秀な生徒の1人として名前が挙がっていた人物。
「3年のアレス 裏番長って呼ばれてる」という情報がありました。
そのアレスが早速ヤクトに接触してきました。
アレス、キャラデザめっちゃ良いですね…!!
相変わらずDEADROCKのキャラデザは刺さる率が高いのですが、今回も例に漏れず一瞬で好きになりました。
この軽いのに底知れない感じ、めっちゃ良くない!?
大物感あって凄く惹かれるのですが…!
髪の毛のしなり具合とか、耳につけてるピアスとか、どことなく容姿に女性っぽさを感じるのもジェンダーフリーな魅力があります。
こういう「男」にも「女」にも囚われていないのって、独自の個性を感じて好きなんだ。
一般的とされてる固定概念に支配されない自由な風格がある。
まだ全然分からないですが、既にこの人の生き方に憧れを抱く。興味を持てる。
真島作品でこれまで見た事ないキャラデザで、めっちゃ良いじゃないですか〜〜〜
個人的にキャラデザだとEDENSZEROよりFAIRYTAILの方が好きで、そういう意味で自分が好みに感じられるラインから若干遠のいちゃったのかな〜とも思ってたのですが、DEADROCKは刺さる率が高くて嬉しい。
変な話ですが、いつかまた始まる週刊少年マガジンでのメインの新連載も楽しみになってくる。こういう独特な魅力が損なわれないと良いなと思います!
でもって、何らかの行動を操る力を使えるようですけど、それで自分を殴らせて体育祭を自主ドロップアウトという行動も面白いですね。
「オレはね…おとなしく学園生活をおくりたいの」と言っていて好戦的なタイプではないのかなと思うのですが、にしたって自分から痛い目見て無様な一面を晒せる懐の広さだったりギャグ顔もできるところに格の高さを感じます
何だか、四魔教以上にハイスペックな人であってほしいと望んでいる自分もいるんですが…!?
殺伐としたデッドロックには珍しく冷静で平穏を望んでる人で、そのギャップに惚れる。
前回の1年A組エイジに続いて良キャラが続くなー!

裏番長

初対面でのリアクションの変化ですが、クウガは持ち前のクセの強さもあってか「……」と凝視していただけなのに対して、アレスは「な…何だこの気配…強いぞ この人…」と思われてるの、実力はアレス>クウガと見て間違いなさそうですね。
バトル漫画は後に出てくるキャラが強くなりがちですし、ヤクトがここまで戦う前から「強さ」を実感するのは初めてな気がします。
四魔教に匹敵するか、それ以上の実力者だったりするんじゃないだろうか。
「裏番長」と呼ばれていますが、それはクウガと力が拮抗しているからというより、それ以上の力を持ちながら、あえて「裏」に居座ってるのかもしれません。
カーズベロシティ編時点でクウガにすら満身創痍だったヤクト、アレスに勝てる気がしないなぁ…
そう考えるとアレスの目的が体育祭の優勝じゃなくて良かったと思います。この学校だと敗北=死だから、それを免れて良かった。
ヤクトには「だからさ 君がクウガの代わりにこの学校のトップって事で」と言って自分を攻撃し退場したのも、矢面に立たされる「番長」の地位をヤクトに譲る意味があったのかなと思います
アレスは「おとなしく学園生活をおくりたい」「あまり目立ちたくない」というのが目的のようでした。
そう考えると「番長」の地位は不要。
クウガが殺された今、裏番長と呼ばれているアレスが生徒トップとして扱われていてもおかしくないですし、であるならクウガを倒したヤクトに倒される事で注目を自分から逸らそうと考えるのは容易に想像できます。
地位や名誉に価値を感じていないのもアレスの魅力ですね。
そんな表層じゃなく、もっと内面の本質的な目的に価値を感じていそう。
実力があるからこそ「裏番長」と呼ばれているのに、当の本人はむしろそういう前評判を煙たがっているのがかっこいいです。能ある鷹だから爪を隠そうとしている的な。
この体育祭ですぐには影響出なさそうですが、体育祭終わって暫くしてからの学園生活が怖いですね〜。
クウガもアレスも倒してデッドロックで1番強い生徒「番長」になったヤクトが全校の生徒から命狙われそう。
アレスが捨てた「番長」の地位のデメリットの部分を身を持って体感しそうですね。アレスの存在含め、デッド・オア・アライブ編以降の伏線だと感じた今回。

ミコトvs.ボルトガー

ミコトvs.ボルトガー戦闘開始
ミコトの操る"死者"とボルトガーの操る"海"がぶつかります。
ボルトガーの能力は、海洋生物
祖である「クラーケン」は、近代ノルウェーに伝わっていた海の怪物で、見た目から感じるタコやイカが使いそうな力から、海水のコントロールまでできます。
何か具体的な一言で説明できない、海洋生物っぽい事ができる…みたいな印象
「水」の能力者であれば、真島作品に何人もいますが、触手で敵を捕まえて電撃を放つみたいなのは、ボルトガー特有かな。こういうのもあるので、単なる水の能力者ではなく「海の支配者」という存在感を感じます。
楽しみにはしていましたが、ボルトガー良いですね!
ブレンも面白かったけど、ボルトガーもイメージと元ネタに相応しい似合った能力。
「海の支配者」という表現が似合う絶大さで、四魔教として不足なし。
「おやぁ?教頭先生を殺って勘違いスィてるのかなぁ?四魔教はねぇ 生徒一人にやられはスィないのだよ」というのも説得力を感じました。
いずれF組に倒される宿命が決まってる存在ではありますけど、今この瞬間では確かに簡単に殺れない相手。
ミコトはF組最強の女だと思いますが、そんなミコトでも一方的に蹂躙されて力の差を感じました。
確かにボルトガーの言う通り、ブレンを倒して勘違いしていたというのはあるかもしれませんね。
何となく、ここからはある程度四魔教をサクサク倒せていけるような気がしてた。
一人倒したのだから、同格の相手はもうわけないと思ってしまうのです。
そんな先入観を破壊する力は感じました。
地面から水が湧き出るくらいの海のコントロール、魚の死骸を一瞬で吹き飛ばす圧倒的な咆哮、電撃の力も使えるという芸当の多彩さ。
能力がチートという印象は抱きませんが、元々さして強かったわけでもない鳥賊の力をあれだけ洗練したからここまで使いこなせるようになったのかなと思います。
強過ぎてズルいというより、ちゃんと地に足ついた力強さを感じる。あまり隙を感じませんでした
いずれ倒すにしてもこういう風に感じられる事が凄いです。

ゴースト

四魔教全員の異常性を指摘するミコト
「教頭ブレンは気に入らない生徒を潰す極悪人 ルーゼンは生徒を私物化してる リリスもたたけばほこりは出てくるわ」と並び立てて邪悪極まりない所業を列挙する。
リリスだけはまだ知らないですが、ブレンとルーゼンはミコトの言う通り。
ルーゼンはバトルペットとして死者を愚弄していて、ブレンは簡単に生徒を殺していましたね。
尤も、ブレンに関してはそもそも教師だって生徒に殺される恐れがあるので(ヤクトに殺されたマクスウェルとか)、正直そこまで悪い事をしてる印象はないですが。校則にも「気に入らん奴は殺せ」と許可されているので。
特にルーゼンの方に邪悪さを感じて、死んでまで命を弄んでるのは、F組全員ドン引きする程でした。
デッドロックで一般的な治安から考えても異質で、その特別悪質な所業として列挙するのも頷けます。
そして、今対峙してるボルトガー
ボルトガーは「毎年海での行方不明者を装って生徒たちを人身売買してる」そうです。
やってる事のエグさだとなかなかルーゼンを超えないと思っていましたが、これも背景を想像するとキツいですね。
特に、ここは魔界ですから、売られた生徒たちがどういう末路を辿るか考えるとゾッとする。
殺されてもおかしくないし、性犯罪とかその手の事件も平気で起こってそうだよなぁ。
「人身売買」という言葉そのものに背筋が凍りますし、そういう買い手がいる事、それがどういうタイプの人か、どんな事をしそうか考えると怖い想像が止まりません。
「高く売れんだよ♡お金も入って嬉スィ〜♡」と悪事を認め、見かねたミコトは「認めるのね 魔界特務機関"ゴースト"の名においてあなたを処刑します」と宣言しました。
ゴースト!?魔界特務機関!?
また新しい組織が出てきた!(四魔教、ゴッドセイブズに続き)
てか、そもそもこの魔界に法や秩序を取り締まる機関なんてあったんですね〜〜!?
そんなのない無法地帯だから「魔界」なのだと思っていたよ。
「ゴースト」とは、一体何なのでしょう。
「幽霊」を意味する言葉ですが、魔界の悪人を処刑する機関が何で幽霊?
「特務機関」という言葉の響きからスパイのような印象を抱き、本来は表立って動いていないから「幽霊」と名付けられたりするんでしょうか?
『EDENSZERO』にも銀河系諜報機関GIAという組織があったけど、それみたいな。
いやぁかっこいいですが、今後どういうポジションになっていくんでしょうね?
面白そうだけど、なるほどそういう事かと腑に落ちる気分には今のところなっていない感覚。
それで言うなら、そもそもこのデッドロックを閉鎖した方が良いですから、一体どのような価値観でどういう方針で動いているのか気になります。

ミコトの伏線

ミコトの正体が、魔界特務機関「ゴースト」の一員と聞いて納得できた部分が二箇所ある。
一つは、F組クラスメイトで唯一まだプロフィールが公開されていない事
順番に紹介されていた中で、チャコやハニー、何ならF組の新しい担任サルまで紹介された上でミコトだけスルーでしたから。
ずっと、ミコトにはまだ開示できない情報があるのではないかと考えていた。
それこそミコトの正体や、キャラクターとしての根幹に触れる要素で「好きなもの」や「嫌いなもの」とはいえ、それを示すものだから公開する事ができないのではないかと思ったんです。
おそらく、その意味がゴーストにあったかな?
ミコトは、F組のクラスメイトでありながら、それ以上に魔界特務機関ゴーストの一員だった。
だから、これまで頑なにプロフィールが公開されなかったのではないかと思います。
これによって、次回以降プロフィールが公開されるなら「好きなもの:法」「嫌いなもの:罪人」とか説明できますから。メモでも「ゴーストの一員」だと書けますし。
ここはずっと気になっていたので、しっくりきました。
同時に、入学当初から見せていたヤクトに対する特別な疑念も為人に意味を感じた。
2話目で既にちょっとずつヤクトを信頼していくF組クラスメイトが描かれた中でミコトだけが唯一「僕は魔界を真の姿に戻したいんです」というヤクトと目的に「立派な建前ね…でも…本当の目的は別にあるんでしょ?ヤクト君…」と注目していました。

こう思った理由は詳しく描かれていません。
もしかしたらゴーストの一員として知り得た情報がヤクトの発言と食い違うとかもあるのかもしれませんし、今回のゴーストCOだけを見て思ったのは「ミコトも同じように周りに隠し事をしていたからヤクトが真意を隠している事に気付けた」んじゃないかと。
言っちゃえば同じ穴の狢で、皆魔王を目指してこの学園に来てる中で、そうじゃない目的を持ってるのは自分も同じだから分かるんじゃないでしょうか。
ある種心理に共感というか、自分でも同じ立場なら同じように言う…と考えたのではないでしょうか。
そうやって解釈して読み返すと、確かにミコトも皆に隠し事をしていたように見える。
なので、今回の隠していた立場のCOが腑に落ちました。
ミコトは絶対ボルトガーに負けるだろうと思っていたので、からのここまで意表を突く宣言、髪解いた姿も相まってめちゃくちゃかっこよかったですね!!
ここ、今回のベストショット。
クールな女性がボロボロになりながらそれでも精神的に余裕を持って優勢に出る姿、最高です。