シキVS.時喰み 絶大な攻撃が迫る…!!
前号までのあらすじ…舞台は冒険の終着点、かつて地球があった宇宙。シキは「時喰み」を呼ぶことで、マザーを元々の"地球"の姿に戻すために行動する。マザー消失のタイムリミットが近づく中、シキは時喰みの体内に突入し、そこに佇む謎の女性と対峙。彼女は世界を恨み、世界を壊すために暴走を続け、ついに宇宙を滅ぼす最後の攻撃を構える。マザーを救う最終決戦の行方は…!?
扉絵
扉絵は、「あ」と言ってるレベッカ(の後ろにシスター&モスコ)。
今回を除いて「あと5話で完結」というカウントダウンが始まって、次回以降の4話分使って扉絵で「ありがとう」という言葉を完成させるんでしょうね。
『FAIRYTAIL』の時も同じ事をしていたので、すぐに察しました。
レベッカだけでなくシスター&モスコもいるという事は、次回以降冒険組&四煌星になるか(シキ&ウィッチ、ワイズ&ハーミット、ホムラ&ヴァルキリー)。
終わってしまうのは寂しいですが、こういうエンタメ性は違った角度で作品を楽しめて好きです…!最終的にどんな「ありがとう」が完成するか最後まで楽しみにしています。
ビックバン
体内世界でビックバンを起こそうとしている時喰み。
それはやはり「宇宙を消し新たな宇宙を再生する力」でした。
時喰みはビックバンを発動する時「宇宙の誕生と同等の力を起こす そしてこの宇宙は全て消え再生される」と言っています。
ビックバンは、宇宙を生み出したとされる大爆発で、それを「宇宙の消滅」の意味で使おうとしているのが気になっていました。
何となくのニュアンスは伝わるけど、本来の意味とは違うと感じた。
やはり、宇宙は破壊と再生を繰り返しているという事なのでしょうか。
発言からすると、時喰みは以前にも宇宙を破壊した事がありそうです。
前回も「宇宙の破壊を見せてやろう」と自慢げに言っていて、あれだけ得意げに言えるのはもう何度もやってるからではないでしょうか。
今回も「宇宙の誕生と同等の力を起こす」と言い切っていますから。
そう何度もやった事がなくて、こんな言い方は出てこない。
この力が宇宙にどんな影響を及ぼしその後どうなるかを時喰みはよく知っています。
「宇宙の破壊」とは、それだけ強大という事なんですかね〜。
一度ゼロにする事が、新しく1を生み出す事にもなる。
これは時喰みが特殊な事をしているというより「10⁷²J」の力を引き起こすとそのまま必然的に起きる事象という印象を受けました。
宇宙を破壊するレベルの力だと、同時に新たな宇宙を生み出してしまう。
現実にも宇宙が無限にループしている仮説もあり、SFオカルト的にロマンがあって凄く好き。
宇宙ってどこまでも未知に包まれてるので、逆に言えばどんな解釈でも良いですね。
EDENSZERO世界においては、宇宙が消え再生されるという話で凄く興味を唆られました!
あり得ない話なのかもしれないけど「宇宙」という未知で異質で壮大なものだからこそ、逆転の現象が起きてるような化学反応が想像できる。
実際にビックバンを起こしたところを見てみたかったぐらいです。
時喰みは救われたい?
宇宙を消そうとしている時喰みに「やめろ…そんな事しても…おまえは救われない」と訴えかけるシキ。
シキがこんな事を言うのは意外でした。
時喰み本人も「救いなど求めていない」と言ってる通り、時喰みが救われたがっているとは自分も思っていなかった。
時喰みの正体=レベッカだとは思っていますが、本人が今どういう目的で戦っているかはそこまでイメージできてなかった。
「救いなど求めていない」と言う時喰みの主張を「いや…おまえは救われたいんだ」と否定するシキ。
「時を返してほしいって言ってただろ!!!!」…それがシキが「時喰みは救われたいと思ってる」と考える根拠でした。
確かに時喰みは体内で初めて姿を現した時「時ヲ…返シテ…」と言っていましたし、シキとの戦闘時も「返シテ アタシノ時ヲ」と言って攻撃していました。
「奪われた時を取り返す」為に戦っていると思われる時喰み。
それは「救われたい」からだった?
やはり、時喰みにとって奪われた「時」とは、何らかの「悲劇」を指してるんでしょうか。
かつて、時喰みがいた世界で「時」が奪われ、その為何か大切な何かを失った。そもそもその奪われた「時」自体が大切な何かと直結してるのか。
それ故に今の時喰みは酷く悲しんでいて、何かの「救い」を求めている。
時喰み本人は「救いなど求めていない」と言っていますが、深層心理の奥底で。
正直シキ程、時喰みの「救われたい」願望に対するイメージは深くないのですが、可能性としてはあり得ますよね。
「返して」と言うからには、やはり「元々は自分のものだった」のだと思いますし。
シキが「救われたい」とまで理解できるのは、シキの優しさ故か。
シキと言えば、本人すら気付いていない相手が本当に望んでいる事に気付ける天才でしたから。
印象的なのは、やっぱりハーミットに言った「オレはオマエを信じてるからここまで来た オマエを信じてるから船を降りねえ おまえはどうしたい?ハーミット」。
そう言葉をかけた根底には「だって…ずっと泣いてるじゃねえか おまえ その涙は人間がみんな悪い奴じゃねえって分かってるからだよな…だけど信じられねえんだよな…人間が…だった自分を信じればいい」という想いがあってこそでした。
あの時のハーミット自身も否定していた自分の本心。
ここまで核心を突けるシキの本質的な優しさ、時喰みとの最終決戦でも健在だったと思います。
時喰みすら救いたい
「時を返してほしい」という時喰みの言い分をシキはどう考えているのでしょうね。
具体的な事は何も言っていないけど、シキには「何か」の想像ができている気がする。
「時は返ってこない」と言う時喰みに「いや…方法はあるハズだ!!それだけの力を持ってるんだ!!!」と言ってるんです。
シキの中で時喰みの「奪われた時」のイメージがある。
とはいっても、シキに与えられてるヒントは読者と変わりありません。
時喰みの発言しか聞いていない。
もしかしたら描写がないだけでこれまでの旅路で時喰みに対して何か思うところがあったのか、それとも具体的なイメージはできていないけど「時喰みが時を取り戻して救いを求めている」と察しただけでああ言ったんでしょうか。
前者なら話として綺麗ですが、思い当たる描写は特別無いなぁ…。
後者の断片的なイメージから話をしてる方が考えられそうです。
もっと具体的な話を聞いた上でこう言えるシキの姿を見てみたかったですが、これはこれで「深い事情は知らないのに時喰みすら救おうとしている」シキの優しい人間性が際立っている。
シキも「時喰みを倒す」と宣言していたのもありますし、体内世界で時喰みの核と出会うまで、時喰みの事なんて倒すべき宇宙の厄災としか思っていなかった。
しかし、それでもシキは共存した先に辿り着く未来を見据えていた。
種族を超えて、世界を超えて、他者と分かり合おうとする姿勢が凄くシキらしいなと思います。
これも作中の描写を引用しますが、思い出したのはワイズがドラッケンを殺そうとした時の台詞。
「おまえは自分の大切な人の命を奪った奴と友達になれるのか」と聞かれて「すぐには無理だろう…な…時間がかかるかもしれねえ…それでも手をのばしてきたら…どんな奴だって友達になれるかもしれないだろ」と答えていたんです。
この言葉、凄く好きです。
絶対に分かり合えるなんて理想論は言わないけど、根底では「どんな奴だって友達になれるかもしれない」ってシキは信じてるんですよね。
その「どんな奴」には「時喰み」すらも含まれているのだと今回分かりました。
一見想像もつかない相手だったからこそ、シキの考え方、生き方が際立っている。
本当に分け隔てなく対等に接する事ができるシキが素敵です。
力を落とす
マザーを救う事なんて微塵も興味がない時喰み。
そのスタンスのまま「興味がない」と言って、徐々に宇宙を滅ぼしていきます。
「だったら…オレが興味を持たせてやる!!!!」って返しはなかなか斬新www
そうなんだけど、めちゃくちゃ直球だね。
皮肉った粋な返しとかではなく、そのまま受け取ってストレートに反応している。
ここからシキが攻勢に出るというターンの切り替わりですが、少々無理やり感(笑)
いや、嫌いではないです。
なかなか見ない返しで逆に印象に残る(笑)
「オレが興味を持たせてやる」なんて、何だか少女漫画の俺様系王子様みたいな言種で少し面白かったです。
興味ないヒロインに「オレの事好きにさせてやる」と言ってるかのような。
シキは右手で力を収束させ、何をやってるかというと、時喰みの力を吸収している…!
真の重力で力を"落とし"、自分のものに。
過去にはジギーがネロのエーテルギアの力を自分の中に落として吸収していましたかね。
そしてその力をジギーからシキに落とすかたちで継承していましたが、シキの方から能動的に力を落として奪うのは初。
楓大戦の最後、ジギーから力をもらった時にこういう使い方の着想を得たのでしょうか。
あの時も「じいちゃんの力がオレの中に落ちてきた…」と表現していましたし。
ある意味必然的に訪れる展開だったのかもしれない。
「これが重力の力だ…」と主張してるのは、別に重力の力ではありませんけどね(笑)
これは「真の重力」として進化して力の解釈が広がったからこそできる事で、元々重力にこんな性質はありません。
これが漫画で、力を別次元の領域にレベルアップさせたから。
流石に「これが重力の力だ…」は別にそんな事はなくて、読んでてツッコんじゃいましたw
そりゃ時喰みも「ありえん!!!」と思う。
強大過ぎる力を吸収したシキの体はどうなる?
まぁ時喰みが「ありえん!!!」と思ったのはシキの重力の力というより身を挺してした行動に対してなんでしょうけど。
「これほどのエネルギーを吸収したら…おまえの体がもたん!!!」と言っていました。
宇宙を消滅させる程の力ですものね。
どう考えても過去最大の力。
歴代真島作品と比べても『RAVE』の魔導精霊力とかと並ぶんでしょうか。
そりゃ体がもたないのもイメージできる。
完全に自殺行為と言える行動で、それに時喰みは驚いていたんでしょう。
意外と人間臭いというか、これまでの無機質な化け物さと打って変わって「生死」の感覚は人とそう変わらないように思う。
これも時喰みの正体に繋がってたりするんでしょうか。
この「これほどのエネルギーを吸収したら体がもたない」という言及、気になりますね。
宇宙を消滅させる程の力だから理屈的にもイメージできるし、ああまで言われているとシキの生死が不安になってくる。
現段階では間も無く死ぬようには見えないですが、無事マザーを救った時、その代償を支払わなきゃいけない状況が訪れるのも考えられなくはない。
物語のクライマックスとして主人公の死は特別感あってありそうなのと、やはり「それだけ強大な力」というのが無視し難い。
レベッカのキャットリーパーですら「後遺症」があるんです。
何度も使うと体にヒビが入るくらい、存在そのものを揺るがす強大な力だった。
レベッカでああまで力の代償を描かれている事で、この物語においては力の代償って「重い」イメージがあるんです。
そこを真島先生は意識して描いている気がする。
最後にシキとの死別が待っているんでしょうか…?
その反面、今回のシキには死すらもろともしないパワフルさを感じて、そういう描写ではないのかな?とも思いましたけどねー。
可能性としてはあるけど、若干見えない部分でもある。
それも真島先生の狙いなんでしょうか。
この宇宙を守る
自分の死すらもろともしないシキ。
「体がもたない」と言われても「それがどうしたァ!!!!」と言い「オレは…この命にかえても…この宇宙を守るんだ!!!!友達がいるこの宇宙を!!!!」と主張します。
同じく真島先生作品の『FAIRYTAIL』を彷彿とするエネルギッシュさ。
相手の主張と真っ向から対峙し、感情論で押し抜けるところにナツ・ドラグニルの気概を感じます。
前回の「おまえが好き勝手にしていいモンじゃねぇんだぞ この宇宙は」からもナツらしさを感じたのですけど、時喰み最終決戦のシキ、どことなくナツっぽいですね…!
まぁ元々似た人柄でしたし、言動も似る時があるのでしょうか。
とはいっても、シキにおいては根底にあるのは「友達」で「この宇宙を守るんだ!!!!友達がいるこの宇宙を!!!!」という発言はやはりシキからしか出ない言葉だったと思います。
たかが1フレーズですが、シキの口から出る「友達」って言葉は優しくて温かいんですよね。
「仲間」という言葉の連帯感も好きですが、EDENSZEROにおいては「友達」だからこそ寄り添うようなアットホームさを感じる。
これだけスケールの大きい戦いになっても、シキの根底にあるのは「友達」という身近な存在であるのが良いんです。
確かに「世界」という大きな括りのものを守ろうとしてるけど、それは身近な大切な存在を守る為。
「仲間」ではなく「友達」だからこそ、自分もシキの感情に親近感を覚えて、戦う動機に共感できます。
一貫して「友達」というテーマを貫いたEDENSZERO。
作品として独特の色があるなぁと最終決戦を読んでても改めて思いました。
そして、この絵も良いですね。
集中線がシキの手に向かって、インパクトのある絵!
何か力を放つ絵って多いですが、力を収束させてるところを強調する絵は珍しい気がしました。
そこをピンポイントに描くとこうなるのだなという発見がありました。
体が弾け飛びそうなぐらい衝撃が描かれてるシキ、それを自分の力に変えて戦おうとしてる姿。
エネルギーの感じるワンシーンで、こういう絵凄く好きです!
最終決戦に相応しい特別なパワフルさがありました。
時の力を吸収したシキ
10⁷²Jの力を吸収したシキは人外じみたビジュアルをしていて、気になりますね…!
目が白目を向いていて、その目から電撃のようなエフェクトが生じていたり、歯も牙のようなものが生えていて、とても人間とは思えない仰々しい姿。
その後のビジュアルは普段の人間の姿をしてるので、この一コマでしか確認できない特別フォーム。
これは一体何だったのでしょうか。
10⁷²Jの力を吸収した直後にのみ変わっている事から、それだけ強大な力を吸収した影響だとは思います。
宇宙を消滅させるレベルの力をその身に宿して、一瞬人ならざる者に変化したという事でしょうか。
ただの人間にあれだけ強大な力をコントロールするなんて不可能でしょうから。
まるで化け物かのように姿が変わったのは、宇宙の厄災である時喰みの力を得たからかなとも思いました。
今でこそ体内に女性の姿をした怪人がいましたけど、本来は蛇のような姿をした化け物。
ああいった化け物要素が合わさって、シキはああいった姿に変化していた気がします。
言うならば、シキ-時喰みフォーム-みたいな。
真島先生の前作『FAIRYTAIL』にはモード○○竜という合体フォームが出てきますけど、それに近いものを感じます。
シキであり、シキじゃない何か。重力使いでありながら時喰みの一部と合体した形態。
結構かっこよさげなのに確認できるのが一コマだけってのが惜しい。
このフォームをもう少し見ていたかったですw
この世界を変えていく
「人間ごときが…砕け散れェ!!!!」と言って襲いかかる時喰み。
そんな時喰みにシキは「人間ごときが…この世界を変えていくんだ」と同じ「人間ごとき」という言い方を使って時喰みの重力をコントロールします。
このシーン大好き!!!!
「人間ごとき」という時喰み側の価値観に一度寄り添って話をするのもシキらしいですし、どんな攻撃をするのだろうと思ってページをめくったら時喰みを宙に浮かせて少しファンシーな空気が流れてるようなところが。
殴るとか蹴るとかではなく、宙に浮かせるという直接傷つけない手法で「人間の可能性」を示してるのが凄く面白いと思いました。
「いや…おまえは救われたいんだ」と時喰み自身も気付いていなかった本心を言い合てるところに時喰みとも共存の道を探してるように感じましたし、浮かすだけの力で人間の可能性を示してるのが、時喰みをただ倒すだけが目的じゃないというシキのメッセージを感じたんです。
シキは時喰みすらも救いたくて、その為の道を模索している。
これまで「宇宙の厄災」とされ、退ける事しか考えられてこなかった時喰み。
時喰みの方も「時を取り戻す」事が目的で人類の都合なんて考えた事なかったでしょうし、これまで四季大宇宙を生きてきた誰にも考える事ができなかった可能性をシキは提示しているんじゃないでしょうか。
時喰みだって「心」を持って生きていて、手を取り合えば「友達」になれるかもしれない。
それはシキがこの旅で機械生命体からその星に生きる人々にまで、全員にやってきた行為。
その1番大きなスケールかつ、ファイナルアンサーが今回だったように思います。
あの日、「オレは宇宙で友達100人作る!!!」というのを夢見て冒険に出発して、その最後に辿り着くのが時喰みだったと感じています。
時喰みがラスボスというのは物語が進むに連れて決まった展開かもしれませんが、最終的にシキが本来分かり合うなど不可能とされてた相手すらも友達になろうとするというのは最初から決まっていた物語のクライマックスだったんじゃないでしょうか。
それくらいシキの信念は一貫していて、その果ての景色を今見ているという実感があります。
ここでシキは「人間」という種族の話と「世界」という大きなスケールの話を同時にしてるのも物語のテーマを感じます。
「種族」というのはまさに人間と機械の友情でしたし「世界」というのは「シキが宇宙を変える」と散々言われてきましたからね〜。
マザーを救うというのが1番大きそうですが、四季大宇宙を生きる人々にとって時喰みの認識が変わる事も意味していたんじゃないでしょうか。
重力のエーテルギア
トドメの一撃はやはり「黒天」。
ゼノリスから教わった魔械流の秘奥義である最強技。
これはフルパワーでジギーを破壊したくらいなので、シキの中で最も攻撃力の高い技という印象は最後まで変わらなかったですね〜!
ここで脈絡なく新必殺技出るより、毎度の事ではあるけどもうお馴染みの必殺技を再度使ってくれて良かった!
意外性はもうないですが、何だかんだ気に入っています。
黒天は名前も技のモーションもかっこよすぎるのよ〜〜!!
宙を舞ってる相手だから、こちらも空中での技発動。
片手で重力の球を構え、放つ黒天!!
技の出力され方は過去一強大です!
圧倒的に大きな重力エネルギーを時喰みにぶち込む。
それは時喰み体内のブルーガーデンを思わせる世界を崩壊させる程で、崩壊した先で時喰みを奈落に"落とす"!
"落とす"絵、良いですねぇ。
シキの戦い方の極地がこの瞬間に詰め込まれていると思います。
これまでで1番"落とす"絵。
思えば、初めてシキの戦闘が描かれたグランベルでの城主戦も、シキの重拳によって地面が崩壊し城主を"落として"いました。
比較して見てみると、始まりと同じ構図、同じ決着の仕方。
意図的に似せてるんじゃないかと思うぐらい絵の構図も似ています。
どちらもシキが上から落ちてきて相手の地面に押し付けている。
重力のエーテルギア使いらしい重々しい一撃。始まりのあの頃も最終決戦の今も共通しています。
偽エルシー戦の重彗星もそうでしたしこういう落とす絵というのは何度もありますが、やはり今回が1番落ちていたと感じられる絵です!
なんてったって、ブルーガーデンを思わせる都市が崩壊し、その地下を突き進むような攻撃ですから。
まるで星の中心に迫るかのような攻撃で、世界を壊しかねない程の力で、時喰み体内の架空の世界だから成立していた一撃ですね。
現実とは似て非なる空間だから、あそこまでスケールの大きい戦いが実現した。
あの都市を利用した攻防には重力使いらしい戦闘を堪能できて凄く面白かったですし、トドメの一撃も今までで1番好きでした!
あえて技名と合わせない見開き2ページが印象的で好き。
シキ最後の戦いに相応しい満足度の高い決着でした!!
友達になれたら
シキの一撃は時喰みそのものを動かす力となっていたようで、急速に時喰みはマザーめがけて襲い掛かります。
「あれは…」「!!」「時喰み!!?」と反応するレベッカ達はすぐに「シキが連れてきたんだ!!」と理解。
「オレはさ…おまえとも友達になれると思ってるんだ」…そう言って手で時喰みを操りマザーを喰わせました。
「まずはおとなしくさせねーとな!!!」と言ってて、時喰みを倒した後どうやってマザーのいる宇宙にまで連れて行き、どうやって力を借りるのか全くイメージできていなかったのですが、まさかの撃破とミッションの達成が同時に描かれました。
そんな展開あり!?と思いましたけど、こうなるとこれはこれで真島作品らしいw
真島作品、こういうところはテンポ良く話が進みますもんね。
良くも悪くもエンタメ要素に直結しない部分はカットして話が進むのが真島作品流。
こういうところわりと好きで、真島作品の自由度の高さに毎度驚きますw
ちょっとシキが高次元な力をコントロールしすぎとも思いますけど、無駄にこねくり回すよりはこれで良かったと思います。
一度に全てが解決して爽快。
次回、マザーにどんな影響があるか楽しみです。
「オレはさ…おまえとも友達になれると思ってるんだ」…そう言ったシキの表情は優しく、今回の感想で書いた通り、これこそシキが冒険の最後に至るべきアンサーだったと思います。
時喰みはこれまで宇宙の厄災として煙たがられてきた存在です。
そんな時喰みとすら友達になる未来を思い描く事ができるシキ。
シキの誰とでも友達になろうとする姿勢ってずっと描かれてきましたが、今回が1番あり得ない状況で、今回が1番種を超えた友情を感じさせました。
「おまえとも」という言い方がまさに宇宙の厄災だった時喰みの心に寄り添っていると思います。
時喰み自身拒絶され時を奪われてきた存在だからこそ、こんな事を言う人間がいるのは意外で、何か刺さるものがあったのではないでしょうか。
シキにそう言われた時喰みは「……」と何かを思っていて気になる描写。
時喰みの中に友情の類があるのか分かりませんが、人間という生き物を強く意識した事はこれまでない気がします。
最初はシキの言葉に違和感を感じたけど、こうやって考えるとああ言える人間性こそシキだったなと。
誰にだって「心」があると思え、相手の事情を想像できる、どんな相手とも友達になれると信じている。
時喰みの事は分かりませんが、物語通して描かれてきたシキの人間性が報われる結末であると良いなと願います。
ついに時喰みがマザーを食らって…!?完結まであと5話!
第289話『再生』へつづく
完結まであと5話カウントダウン始まってしまったああああああ
ついにエデンズゼロでの旅も終わりが近づいてきました。
寂しいけど、心して読みたい。
次回のサブタイトルは「再生」。
マザーの地球戻りは成功しそうですね。戦闘の意味での最終決戦も終わり、ここからがドラマ面でのファイナルクライマックスになりそうだ…!