ヴォイドとエデンズワンが消滅し、残るは、シキと時喰みの戦いだけだが…!?
前号までのあらすじ…舞台は冒険の終着点、かつて地球があった宇宙。エデンズゼロ一行とジギーの奮闘により、宿敵ヴォイドとエデンズワンを撃破。その一方で、シキは「時喰み」を呼ぶことで、マザーを元々の"地球"の姿に戻すために行動する。マザー消滅のタイムリミットが近づく中、シキは時喰みの下に辿り着き、怪物の体内に突入。そこには謎の女性(?)の姿が。彼女の正体は一体……。そして最終決戦の行方は──!?
扉絵
扉絵は、竜と虎がデザインされたパーカーを着る、珍しい衣装のシキ。
大阪感と言いますか、現代モノっぽいですね。
シキがこういう服着るの意外でした。
どことなく若者感があって可愛いです。
時喰み襲来
前回、星系六祈将を初めとしたこれまでの冒険で出会った数々の人達の助けによってエデンズワンから難を逃れたエデンズゼロ。
一先ずエデンズワンとの戦いが終わりひと段落かと思いきや、今回の冒頭から早速時喰みが襲来。
小さい時喰みが無数に散らばってこの宇宙に飛んできました。
何故このような事態になっているのでしょう。
そもそもまだシキは時喰みをこの宇宙に連れてきていません。
重力で時喰みを連れてくるという手筈ですけど、まずはその前に時喰みを大人しくさせる為にシキは体内に入りました。
そこで、時喰みの本体と戦闘中。
そこから話は動いていません。
なのに、時喰みはこの宇宙に来ている。
レベッカは「シキの作戦が成功したって事?」と感じていましたけど、そうだとは思い難いですね。
描かれる最後のシーンではまだシキは時喰みの本体と戦闘中でこの宇宙に連れてくる行動を起こしていた形跡がありません。
この場に来たのはもしかしたら時喰み自身の意思?
ふとそういう可能性が思い浮かびました。
今回、時喰みの本体は「コノ世界ハモウイラナイ 消エテ!!!世界ごと消エテ!!!!」と言っていて、世界を消す事が時喰みの目的のようです。
詳細は不明ですが、時喰みはこの世界の消滅を望んでいる。
そう考えると、マザーであったりレベッカであったりエデンズゼロだったり、世界にとって特別な存在が集まっているこの宇宙に来るのは自然な行動に思えてきます。
楓大戦の時、レベッカが呼んでいないのにも関わらずその時エデンズゼロがいたレンダードに来た時から感じていたのですが、時喰みには明確な"殺意"がある気がする。
その人が生きた時間以上の時を喰えばその人の存在そのものが消えて無くなるという話もあるので、時喰みの目的は「エデンズゼロの消滅」なんじゃないかと。
VS.時喰み
無数の小さい時喰みというのは少々話の都合も感じますが、この場にいる全員を消す為の"拡散"ですかね。
分散した以上、そのままの本体よりは奪える時が少なくなりそうだけど、時喰みはマザーに対して「2万年」レベルで時を喰ってるのでそれだけ膨大な力があれば、ある程度分散しても脅威には変わりない。
マザーのいる世界に来てしまった状況、時喰みには都合が悪かったりするのでしょうか。
エデンズゼロだけでなく、帝国やベリアル・ゴアまで狙ってるところが気になる。
ランダムで狙ってる可能性もありますが、何らかの意図があるなら「この宇宙にいる」という事が理由になってくるんじゃないかと。
前回はエデンズワンの援軍を撃ち落としてくれて頼もしかったですが、そんな好機も一転、今回の時喰みには砲弾が効きません。
ベリアル・ゴアや紅鉄騎が攻撃しても全く効いていませんでした
それは、やっぱり時喰みには「実体が無い」からかな?
時喰みは糸を引いたようなエネルギー体になっています。
ああいった存在は物理攻撃しても素通りしていきそうなイメージがある。
時喰みは初登場時からああいう造形ですし、やっぱり元から攻撃が効かない設定だったんじゃないかな。
ああいった特異な存在だから時を喰べる事ができるのもあると思います。
「時を喰べる」なんて、とんでもない設定。
しかし、それを実現できてる状況。
「攻撃が効かない」のも「時を喰べる」のも、時喰みの異常性を示しています。
前回、援軍に頼もしさを感じただけに、今回状況が一転したのは絶望感を感じました。
やっぱりこれだけ味方がいても時喰みには敵わないんだなと痛感させられる。
こんなに多くの仲間がいても「そもそも攻撃が効かない」というのが詰み過ぎてます。
マザーの眼前まで迫ってレベッカに群がってきましたが、それを無力化したのは、前回ヴォイドを倒したジギー。
基本物理攻撃の効かない時喰みですが、ジギーの重力だけは効力を発揮し距離を離す事ができるのですね。
これも時喰みのビジュアルから抱いたイメージらしい性質で「気体」に近い存在なのでしょうか。
ここでジギーだけが時喰みを無力化できる唯一の存在だったら熱いな。
シキvs.時喰み
今回のシキvs.時喰み、重力のエーテルギア戦闘描写として過去一面白いです!
時喰みの体内にブルーガーデンと思わしき世界が広がっていた事で、ここでの戦闘は高層ビルだったり建物を利用した攻防になります。
加えて、実際のブルーガーデンではないので住んでる人もいない。
無人の近未来世界で戦っている為、自由度が高い。
時喰みの蹴りでシキは建物を壊す勢いで吹っ飛ばされますし、シキも建物内の柱や建物そのものを武器として利用。
お得意の重力で物体を操り時喰みに投げつけます。
何度もそういう戦い方をしていますが、今回はそのスケールが違う。
建物を動かして投げつけるって半端ないです。
てか、あれだけの大きさのものを動かせるという時点でシキのエーテルギア使いとしての成長もあるのかな。
ここまでの大きさのものを動かす描写は初めてだと思うので。
シキ自身1番気にするのは民間人への被害だと思いますが、この空間には誰もいません。
この世界の正体が何なのか分かりませんが、ここはブルーガーデンと酷似するブルーガーデンではない世界。
なので、ある意味最も自由に最も乱暴に戦えるわけですね。
こういう戦闘は人のいないこの空間ならではで、それでいて人の住む建物のある都市というステージが、もしこうだったらという架空の疑似体験をしてるような楽しさがありました。
感覚として『逃走中』とかに近いような。
人のいない世界でこういう事できたら!ってロマンがありますね。
「重力を操る」というシキの能力。
正直、戦闘能力の魅力としては『RAVE』のハル、『FAIRYTAIL』のナツと比べて1番劣ると思っていたのですが、今回の戦闘はシキで見たかった能力描写とはこういうものだったかもなぁと思いました。
縦横無尽に、どこかが「上」でどこが「下」で「地面」という概念すらない。
重力を操れるというのは「自由」の象徴だと思うんです。
まさに今回は読み手の想像を超えてシキが思いも寄らぬ動きを見せていて、読んでて凄く面白かったです。
手から放った攻撃
シキが「なんて速さだ!!」と驚いているのも時喰み=レベッカ説の伏線ですし、両手で「電撃」のようなエネルギーを収束させて解き放つ攻撃なんて芸当ができるのも驚かされました。
時喰み=レベッカはほぼ確定的かと思うんです。
であるなら、当然キャットリーパーで「足」が武器だけど「手」から攻撃もできるのだと。
これは一体何なのでしょうね。
レベッカが「手」から攻撃するイメージはあまりない…と思ったけど、そういえば唯一あれがあった。
もしかして「ハッピーブラスター」…???
レベッカが唯一手から攻撃を放つ武器。
時喰みは手に何も持っていません。手そのものから力を放出している。
基本的に考えられないけど、この違和感を解決できる答えがあるとしたら、時喰みはハッピーブラスターの力を手に取り込んだ…??
かなり突飛な発想ですが、なくもないのかなぁと。
時喰みは今回「アタシハ未来カラ来タ」と言っています。
どのユニバースの未来から来たのか分かりませんが、そこでハッピーが存命なら何らかの手段でハッピーブラスターの力を取り込むというのも行動パターンとしてなくはないんじゃないかと。
時喰みに今のレベッカの面影はありません。
言動、行動が以前のレベッカと完全に異なっている。
それくらい大きな変化があったなら、その結果ハッピーの事をさして大切じゃなくなってる可能性もあります。
というか、もしかしたらもうハッピーをハッピーとして認識すらできなくなってしまっているんじゃないだろうか。
「手」から放出する謎の攻撃、時喰み=レベッカと考えると不可解なんですよね…。
そのキャラ造形だったら、そういった攻撃はさせない気がする。
もしかつてレベッカだった存在がハッピーを自身の力に取り込んでいるとしたら、いっそう闇が深くて面白いと思います。
時の子
「お…おまえは何者なんだ…」と問うシキ。
時喰みが答えたのは「アタシハ未来カラ来タ 時ヲ喰イ世界ヲ喰ウ為二」。
はい!時喰み=ユニバース0の未来から来たレベッカ説🙋♂️
時喰み=レベッカに関してはもうある程度確定的かと思いますが、問題はそのルーツ。
どのユニバースで如何にして生まれたのか。
自分は以前の記事で「ユニバース0の未来から来たのが時喰みなんじゃないだろうか」と書いた事がありました。
それ以降、その文脈で特に食い違う描写はなく、基本的にずっとその発想を踏まえた上で話を追っていました。
今回の時喰みの発言もまさしく自分が思っていた通りの言動で、個人的には完全にユニバース0の未来から来た事を示しているように感じてきます。
まず、今回で「未来から来た」のは確定。
目的は「時を喰い世界を喰う」事。
「時を喰い世界を喰う」とは、どういう意味なのでしょう。
確かに時喰みは時を喰う存在です。その現象は既に体感してるし頷けます。
その「時を喰う」とは「世界を喰う」事も意味しているんだろうか。
自分の考えたイメージだと、やっぱり「ユニバースを喰う」事…??
時喰みには時間の流れに逆らった者がいる星を襲いがちという習性があり、それは「時の流れを正す為」な気がしてるんです。
時喰みが星を喰べると基本的に時空の壁というものができて、そこからの脱出が通常不可能なんです。
そういう性質も時の狂った星から過去の人間を出さない意味がある気がしていた。
確かに時喰みは二つの歴史を作り宇宙を混乱させているけど、時の流れに逆らった者を消している意味では、時を正しく戻そうとしているようにも見えるんです。
もしかしたら時喰みの言う「世界ヲ喰ウ」がユニバースの消滅なら、言ってしまえば枝分かれした世界線の選定で「時間」という概念において正常な事なんじゃないかと。
レベッカはこのユニバース0において、そういう「時の調整者」にならざるを得ないんじゃないかなぁという気がします。それくらいEDENSZEROの世界は時が狂い過ぎてしまったのかな。
シキを踏みつける時喰み
シキを足で踏みつけ「モウ…コノ世界ハイラナイ」。
「もう」と言う事は「いる」時があったんでしょうか。
ある程度黙認していたけど、容認できなくなってしまった?
仕方なく世界の消滅を決定した?
時喰みからしたら何の価値もない、いつもやってる通りに宇宙を消すんじゃないかと感じさせられますね。
シキ達からしたら唯一マザーを救える可能性を秘めた最後の世界だというのに。
時喰みにとってはマザーもユニバース0もどうでもいいんでしょうか。
「いらない」から「消す」…ただそれだけの感情にシキ達との温度差を感じる。
レベッカであろう女性がシキを踏みつけてる絵面にゾクっとさせられますね。
レベシキプレイというか、一方的に蹂躙してる、尊厳を踏み躙っているような印象を抱く。
最後のコマは意外と血が多量に飛んでいてちょっと怖いんですが…!
足で踏み潰されただけだよね?あんなに血が飛ぶ事ある?
まるで「死」を予感させられるような光景。
流石に死んでる、瀕死とも思いませんが。
時喰みの正体も気になりますし、ここからがシキの反撃だと思います。
今回で一度完全に圧倒されて、逆に言えば時喰みの強さ描写、力の差を痛感させられるパートは終わったかな。
次回以降は戦いは本当の意味でクライマックスに突入?
なんでしょう、相手がレベッカだと分かっているからか、ヴォイドやジギーを相手にした時よりまぁ勝てるだろうって思えてるんですよね。
むしろ勝ってからどうなるかが1番重要で、戦闘自体はそう不安に感じてない。
シキならやってくれるだろうと信じる事ができています。
世界を恨むほど強く。その速さは重力を優に超え──…。
第287話『10の72乗J』へつづく
インターネットで調べてみたら「那由多」というものが出てきました。
パッと読んだだけじゃ関連性があるのか分からない!
とんでもなく膨大な数字である事が分かりますが、これが最終的に「20000年後」とかを指したりするんでしょうか。