EDENSZERO第259話『エデンズワン突入!!』感想 | ルーメン・イストワール

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EDENS ZERO/Mashima HERO'S/FAIRY TAIL/RAVE

魔王四黒星キラーのハッキングにより、エデンズゼロは自爆へのカウントダウン…!?


前号までのあらすじ…マザーを救うため再び始まった"ユニバース0"での冒険。エデンズゼロ一行は四季大宇宙を巡り、ついにマザーへの道標を解放し、惑星ミルツを飛び立つ。そして、終着点のマザーを目指しシキたちは未開の宇宙を航海。しかし突如、無数のドラゴンを従えるゴッド・アクネラと魔王四黒星たちの襲撃を受け、ヴォイド一味と交戦。ついにエデンズワンもその姿を現し、シキは敵陣への突入を決意する…!!


扉絵

今回の扉絵は、エデンズワン決戦バトルマップ

シキ達がそれぞれ今どういう状況でどんな戦いが勃発しているのかがまとめられてます。

FAIRYTAILの時も何度かあったなと思い出すまとめ。

こういう戦況を俯瞰して見るのワクワクして好きなんですよね〜!

今後どういう戦いになっていくのか気になる。


命令

自爆プロトコルで船事破壊できるのに乗り込んできたウィザードに疑問を感じるウィッチ。

ウィザードは「おまえを殺す事が私に与えられた唯一の命令(インストラクション)だからだ」と答えます。

「インストラクション」とは「コンピューターのCPUへの各種演算・処理についての動作命令」という意味。

台詞で表現されてる通り「命令」なんですが、命令は命令でもプログラムや機械的な意味の強い言葉。

単なる指令というより、そうする為に生まれた機械にとっての至上命題のようなものですかね。

ここでウィザードがこういう言葉を使うのが意味深に感じられる。

ここにきて、やはり機械というものはそうなる為に生まれたプログラムに縛られているんだなとつくづく感じさせられます。

自爆プロトコルが起動した事で、ウィザードにとっては命を投げ打ってまでそれをしたいというのが闇深い。

それが何より喜びを感じるような前向きな動機なら良いですが、ウィザードからは今のところそういったものは感じません。

ただ淡泊に冷静に遂行しようとしている。

果たしてそんなものに意味はあるんでしょうか。

魔王四黒星は最近のエピソードで元々人間だった事が仄めかされ、人間時代のウィザードは人間時代のウィッチと恋仲だった事も分かってきてるので、そういう意味でも手にするはずだった幸せを失い何もかも忘れて生きてる姿が悲しく映ります

ウィザードにもこの戦いの果てに救いがあってほしい。


前の世界の記憶を持ってるクラウン

同時に艦内にいたシスターもエデンズゼロの自爆を認知。

ピーノは目覚めないし、扉は開かないし、どうしようもない状況に何も手を打つ事ができません。

特にプログラミング系はシスターの分野ではないので、誰かの助けを待つしかない無力感が凄まじいですね。

何もできる事がないから「クソ!!!」とだけ言った反応が何より心から出た素のリアクションだと感じます。

その場に現れたのは、クラウン

「爆発する船に送りこまれた私たち う〜ん…悲壮感漂うわぁ」とシスター達の背後から現れました。

これで魔王四黒星は全員四煌星に接触してきた事になりますね

宇宙空間で戦闘中のヴァルキリーvs.ブリガンダイン、エデンズゼロ艦内で戦闘中のウィッチvs.ウィザード、エデンズゼロに施された自爆プロトコルを止めなきゃいけないハーミットvs.キラー、そして再度命を狙われるシスターvs.クラウン。

魔王四煌星vs.魔王四黒星は前の世界でもやってるので、今回は違う組み合わせの戦いになるんじゃないかと思ってたんですが、順当に四煌星と四黒星がぶつかりました。

両者は二万年前の世界で人間として生きていた事実が仄めかされつつあるので、その過去編と同時展開する布石の意味も大きいんでしょうか。

この世界では初対面のハズなのに「お久しぶりね」なんて声をかけるクラウン。

なんとクラウンはあの時エデンズゼロ艦内にいた事で、自分も記憶を維持したままユニバース0に来たようです


「まさか…」と予感の通り「そうなの 前の世界の記憶を持ってるの」とカミングアウトしました。

まじかーー!!

でも確かに言われてみれば納得できる!

当時、魔王四黒星でクラウンだけ捕えられてるのが不可解って意見も見かけたんですが、まさかそれがこの世界でも記憶を維持してる伏線として繋がるとは…!

257話でマザーのいる宇宙に来たエデンズワン勢力に「まさかつけられた!?」とワイズが原因の可能性を提示して、それにハーミット「そんなハズはない…何重にも予防線を張っていた…」と返していて、エデンズワンがこの宇宙に来れた理由に何か深い意味がありげな雰囲気だったんですが、もしかしたらエデンズワンとエデンズゼロを繋げたのはクラウンなんでしょうか

前の世界の知識がある事でエデンズゼロをマークできたとかそういう背景を想像してみました。

クラウンが前の世界の記憶を持ってる事で、エデンズワンもエデンズゼロとの戦いに備える事ができたんじゃないかと思います。


機械用ヒアルケナフ毒

「じゃあオレにボコボコにされたのも覚えてんだろ」と挑発するシスター。

クラウンが「もちろんよ あ!だからね…私…争いに来たんじゃないの」なんて陽気に反応した時は、この世界では仲間になってくれるのかもなんて淡い期待を抱いたんですが、それを秒で裏切る「機械用ヒアルケナフ毒」の準備。

「そう…争う気はないの 確実に殺しに来たのよ」と言って、有無を言わさず毒殺の手段に出ました。

ウィザードの「命令(インストラクション)」を見てから、これを出してくるかっこ悪さ…!

お前も正々堂々戦えよ!

まぁクラウンは他の四黒星と違って戦って倒す事に拘ってる印象ないしな…。

そういう意味では、クラウンにおける「命令(インストラクション)」とはエデンズの"死"としてエデンズの"命"シスター殺す事による否定なんでしょうか

対をなす存在としてそういう在り方を望んでいる。

そういう文脈で読むと自然な行動に見えます。

前の世界でも常に心に余裕があり悠長に構えてるような印象を受けましたけど、それは戦いで倒す事に拘ってない温度差だと捉えると納得です。

といっても、シスター相手に「毒」って、この後シスターが回復して反撃される前フリにしか見えませんけどね!!

色々殺害方法はあっただろうにヒーラーに対して「毒」を選ぶって愚かと言わざるを得ない。

それはもうシスター活躍の為のお膳立てだろうとw

「これは…マズイ…ぜ…」と膝をついてますが、ハッピーが何らかの方法で窮地を打開してからシスターが倒してくれるでしょう。

正直安心感すらある。クラウンが選んだ手段が「毒」で良かった。

「機械はこれで全滅よ…」と宣言しながらハッピーだけは「この世界じゃオイラ…機械じゃないんだ」で効かなかったのも一つ勝利に前進です。

前の世界の記憶を持っているクラウンでも知らなかったのは「この世界と前の世界で変化しているハッピー」なのめちゃくちゃ面白いな…。

自分は『RAVE』のプルーとグリフだけで仲間の危機を救った回が大好きなので、それを彷彿としてワクワクします。



エデンズワン突入!!

前回の宣言通り、エデンズワンに突入したシキ

どうやら一先ず単身での行動なのかな?

皆同じように着いていくかと思ったらシキ一人でライトニング・ローまで接触。

ここまで他の仲間が描かれていないという事は、レベッカ達は少し遅れた別のタイミングで侵入したのかもしれない。

偶然にも離れ離れになったのは、敵の銀河六魔将の強さを描写する意図がありそうですね。

別に複数人でも良いんだと、それだとあまりに六魔が強すぎない?って後に倒した時説得力を損ないそうなのと、シキは既に強すぎるので(シキ自身も元六魔だし)そういう意味でも敵の活躍を描きやすいパワーバランスに留めたんですかね。

シキ一人だとユニークな能力に初見は翻弄されても仕方ないし、敵の格も自然に上がる。ちょうど良い扱いに思えます。

降りてすぐ出てきたのは、スケルトンアーミー

スケルトンアーミー、おひさっ

前の世界ではレンダードで作られていて、楓宇宙編初回から戦ったモブ兵。

モブではあるんですが、何気にデザイン好きです。

いかにも機械帝国と戦ってるっぽい兵士。全員同じ動きをしてるのが少し不気味です。

スケルトンアーミーはエーテル弾を連射するもシキはそれを華麗に避け、蹴り!!

シキの蹴りは大きな衝撃を与えスケルトンアーミーを吹っ飛ばしました。

勢いあって力強くてかっこいい!

直前のコマが足がこちらに向かってくる絵なので、次のページ次のコマは蹴った光景だなと想像ついたんですが、それが想像の何倍もスケルトンアーミーを吹っ飛ばしていて、改めて今のシキの強さを実感しました。

色んな強敵達と戦ってきて、今ではこれくらい大胆に圧倒できる力を身につけているのだなと。

侮っていたわけじゃありませんが、やはり強い。

その後エーテル弾を避けずに手で弾く姿も余裕ですし、それを利用した「魔械流…重力場!!!!」で攻撃するのも能力の自由度が高い。

敵の攻撃すらコントロールするというのが、重力という枷に縛られないシキらしい戦闘方法だと思います。

こういう戦い方は見ていて気持ち良い。


ライトニング・ロー

スケルトンアーミーなんてもう敵じゃないと言わんばかりに圧倒するシキ。

スケルトアーミーの一体は「まさか乗り込んで来るとはね…」と人間の言葉で話しかけてきます。

そのスケルトンアーミーはまるで操り人形のように歪な動き方をして、なんか怖くない!?

まず自我がないと思ってたスケルトンアーミーが人の言葉を発した時点で異様な空気だったし、続け様に不自然な動き方するのも一瞬だけど超怖かった。

何あのカタカタした挙動。トラウマになるよ。

次のページまで正体が誰なのか全く予想がつかないのも相まって恐怖を感じる一連のシーンだった。

稲妻が走ったようなエフェクトが出たかと思いきや、そのスケルトンアーミーは内部から破壊。

その後ろから現れた男は、銀河六魔将の一人「ライトニング・ロー」でした。

ハーミットが調べた事で名前だけ分かっていた六魔の一人。


この男に関しては全く情報がありませんでした。

ここでライトニング・ローが出てくるとなると、いよいよもってエデンズワン勢力との最終決戦が始まった実感が強まりますね。

未知なる敵キャラ(それも強い)、ワクワクする。

男の見た目は、宗教?インド人っぽい?座禅のようなポージングが特徴で面白い。

思ってたのと全然違うビジュアル。

勝手なイメージですが、アーセナルのようなロボット戦士かと思ってました。

「ライトニング」という名からして、電撃の類の攻撃をしそうです

EDENSZEROでは意外といない属性か。ウィッチのライトニングエーテルとかはありますが。

雷属性でいうとバトル漫画の代表的なエネルギーの一つで、真島先生の前作『FAIRYTAIL』に出てくるラクサスもそれはそれは強キャラだったので期待が高まります。

ここで出たという事はそういう事だろうと思ってるけど、シキを圧倒する思わぬ強さを見せてほしい。

キャラデザ比較的好きなので、楽しみです。


二万年前の世界と繋がっている?

「シキ・グランベル」とライニング・ローが呼ぶ名前に呼応するように「シキ…」という言葉が繋がっていく二万年前の世界

そこでは病院に入院してるイヴリィが同じように「シキ…」という名前を呟いていました。

リグレットが「シキ?」と聞き返してる通り、この時代の人間が呟くのは不可解な言葉。

イヴリィは「あ…いや何でもない…病気のせいかな…たまに意味の分からねぇ言葉が浮かんでくる」と言ってるけど、どう考えても病気のせいじゃない不可思議な現象

二万年前の宇宙は、現代のシキ達のいる宇宙と繋がっているんでしょうか?

まるで世界そのものがループしてるかのような感覚に陥ります。

このイヴリィには二万年後の宇宙を生きてるシスターの記憶が僅かながらに存在してるように感じる。

一体イヴリィはどういう思いでこの言葉が脳裏を浮かんだんでしょう。

「人の名前かしら…」と反応するリグレット。

「深い意味はねぇよどうせ…」と投げやりなイヴリィですが、リグレットは「ううん…いい名前…シキ…か」と何かを考えているように見えます。

リグレットはこれから生まれてくる赤子に「シキ」という名前を付ける?

だとしたらそれはレナードと自分の間にある子供の可能性が高いのか?

シキの母親がリグレット(ウィッチ)というのは少々解釈違いでもあるんですが、ウィッチはシキに特別な母性を感じている描写があります。

赤子のシキを抱いた時、ジギーに「そうやって赤子を抱いていると母親のような貫禄があるな」と評され、ウィッチ自身「大丈夫ですよ どんな事があっても私が守ってあげますからね…」と慈愛の表情を浮かべていました。


レベッカにも「ウィッチはエデンズゼロの"お母さん"みたいだからね」と言われてた通り「母なる存在」として特別なウィッチ。

唐突に生まれたような母親属性、少し当時不思議だったんですが、本当にシキの母親だったなら頷ける部分はあります。

やはりシキも二万年前の世界で生まれた赤子だったのは確定ですかね…真相が気になる。


シキ出生の秘密とは……。そして次回、ハッピー大奮闘!?

第260話『コスモ』へつづく

「コスモ」とは「宇宙」を意味するラテン語。

聖闘士星矢でよく出てくる言葉のイメージです(詳しくないですが)。

「宇宙」を意味する言葉って明らかに意味深で、次回は二万年前の真実が一つ明かされたりするんでしょうか

心して読まないと。