EDENSZERO第250話『ジョーカー』感想 | ルーメン・イストワール

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EDENS ZERO/Mashima HERO'S/FAIRY TAIL/RAVE

謎の敵を撃ち抜いたのは…おじいちゃんワイズ!?


前号までのあらすじ…マザーを救い全宇宙を守るため、新たな世界"ユニバース0"へ移動したシキたち。惑星グランベルから再び始まった冒険だったが、桜宇宙、葵宇宙を経て、ついに最後の舞台"雪宇宙"に辿り着く。惑星ミルツの露天風呂を満喫する一行だったが、突如、レベッカ以外の人々の時が止まり、謎の敵の襲撃を受ける。レベッカは、見事一人でこの危機を乗り切るが、そこにワイズ博士(おじいちゃんver.)が現れ…!?


扉絵

扉絵は「250話記念」を祝すハッピーとピーノ

50話は巻頭カラー、150話はCカラーで、50話毎でも何かしら記念カラーを貰えてたんですが、今回は248話と249話で2週連続カラーだった為、なし。

むしろ何故一週遅らせて「250話」と被るタイミングにしなかったのだろう、今回は特に記念を取り上げてもらえなさそうなの残念だなと思っていましたが、申し訳程度に扉絵にて扱ってくれました…!

こういうの、ちょっとした事ですが嬉しいですねー!

さて、気になるのは更に50話足した300話は迎えるのか?ってところ。

50話記念で祝ってもらえるのが残り少ない事も意識せねばならないかもしれません。


バーナデッド

ワイズ博士とジョーカーの関係性は話の後半で語られたので後で触れるとして、その場でワイズ博士の後ろから出てきたもう1人の人物は「バーナデッド」…!

かつて惑星ノーマのワイズの隠れ家的バーにいた、50年前ウェイトレスをしてた異星人で、現代では時喰みに喰われたノーマを脱出しワイズ博士の冒険のお供をしています。

その件について詳細な説明はなかったですが、わざわざ説明がないという事はこの世界でも状況は変わらずワイズ博士と旅に出ているのでしょう。

実は名前も既に判明していて、原作では一度も出ていないのですが、アニメのエンディングキャストクレジットにて「バーナデッド」と記載されています。

今回、50年前の方のワイズも「バーナデッド」と呼んでいて、原作でもそれが確定。

しかし、ずっと一緒にいるワイズ博士の方は「バーニィ」と呼んでいて、一瞬真島先生設定忘れた!?と思いました。

アニメと原作で厳密には違うとも言えるんですが、先日のサン・ジュエル編でハンターの1人が「イグル」と呼ばれていて、ここでもアニメでのみ判明してる名前が採用されていたんです。

「バーナデッド」に関してはいかにもそれっぽい名前過ぎて、真島先生直々に考案した可能性すら考えていた(ワイズ博士と行動を共にしてる事から再登場の可能性も十分にあったし)。

その為、勝手に「バーナデッド」は原作でもそう呼ばれている公式認定をしていたので「バーニィ」という新しい名に一瞬困惑しましたよ。

50年前ワイズがしっかり「バーナデッド」という名前の方も出してくれて良かった。

「バーニィ」の方はより距離が近いワイズ博士だからこそ呼んでる"愛称"なんだろうね。

バーニィ→即ちバニーとしてキャラクターのイメージに近い言い方で、良いニックネーム…!

他の人が呼んでない名を呼ぶってそれだけ親しさが伝わって良いですな。

バーナデッドさん、相変わらずバニーっぽい服着てるのも何で?って違和感あって面白かったですし、その上からコートのようなものを羽織ってるのもどことなく強キャラ感を感じました。

50年前から見た目も変わっておらず、本人によると「そーゆー種族」との事で、生きた経験年数の豊富さも大人の余裕がある貫禄を感じさせます。

ドマイナーだけど、良いキャラ。


ジョーカーの力

疑問だったのは、ワイズ博士が止まってる時の中を動ける理由

レベッカが動けるのはキャットリーパーの力を持っているからだと何となく分かっていましたが、ワイズ博士の方は不可解でした。

止まっている時間の中でも動ける装置を開発した?とも考えたんですけど、それは流石にとんでもない代物で、いくらワイズ博士でも作れる気がしなかったし、もしそんなものを作れてしまったらEDENSZERO世界の時間の概念が崩壊する気さえした。

そこまでの超常現象に異質感を感じたワイズ博士の登場だけど、その謎の答えはシンプル。「時間が止まったりはしておらんよ」

ワイズ博士によると「これは周囲の時間を限りなく0に近くする力 つまり周囲の時間を遅くする力」だそうです。

周囲の時間を限りなく遅くする事で「時間が止まった」かのように世界が観測されていたんでしょうか。

そこまで深く考えられた現象じゃないか…と思い、ギリギリ感想には書かなかったんですけど、時間が止まってるなら時の湯の水も動かせないんじゃない?女湯と男湯を分ける仕切りも破壊できないんじゃない?等の違和感もあったんですよね。

しかし、真島先生の前作『FAIRYTAIL』でも「時を止める力」にそんな理屈的厳密性は描かれていなかったので、まぁそういうものかとスルーしていました。

実際それが謎を解く鍵だったのかどうかは分かりませんが『FAIRYTAIL』と比較するなら戦闘してるステージが破壊したり人を動かしたりぶつかったり「止まっている世界に干渉できてる違和感」は感じていたので、個人的には納得のアンサーでした。

「周囲の時間を限りなく遅くする」って「時を止める現象に対する厳密な物理的な問題を解決する為の設定」だったようにも思えてします。

真島先生のこのへんのファンタジー感覚は好きです。

過去に干渉できるけどタイムトラベルは起きない時喰みみたいな存在感。

「効果範囲はそれほど広くない」というのも特徴の一つ。

その証拠がワイズ博士やバーナデッドが動ける理由だったようです。

ジョーカーを中心に何メートル以内ってよりかは、力を発動した地点を中心に何メートル以内みたいなルールなんだろうか。

ジョーカーを前にワイズ博士が動けたのはそういう事情かと。

ジョーカー戦はこれからが本番のようなので意識したい特性。


ワイズ博士に対する各々の反応

「ワイズ様と同一人物?」の時のワイズの顔酷いwww

あの大きさのコマでしていいスケベ顔じゃない…!

前回の入浴シーンでフェザーの可愛さにも気付いた身としては「どうでもいいけど少しは恥じらいなよお姉さん〜♡」という発言には共感したのですが、直後の緊迫したシーンまであの顔アップは酷いと言わざるを得ないww

ワイズのスケベリアクション、良い意味でコメディ的というかサラッと流して読めるぐらいの感覚だったんですが、今回は心の穢れた部分が表に出まくってるように感じました…!

あんなラッキーシチュ、ああいう顔になるのも無理ないかもしれないけど、ちょっと抑えて!と言いたくなるw

からの「しっかし本当に驚いたよ 若い頃のワシまでいるとはね」の時の心底居心地の悪そうな顔もな…!

まるで幼い頃から自分を知ってる親戚が居合わせたかのような、友達とだけいる空間でどっちの顔でいて良いか分からなでいるかのような、凄く複雑そうで少し恥ずかしさもある表情。

実際ワイズ博士は自分自身なので、自分の事を誰より深く知ってる存在と言えます。

そんな相手がいるのは、本人としてはむず痒いんじゃないだろうか。

どうしても気にしないでいられない。

色んな困惑の感情が混ざった表情に見えました。

ワイズ博士に対する各々のリアクションだとレベッカの両親も面白かったですねー。

「幼い頃から娘の面倒を見てくれたそうで…大変お世話になりました」と頭を下げるのは、完全に両親の貫禄…!

ここばっかりはおふざけなしで真面目に頭を下げて礼を言う姿は、親として真っ当な姿を見せてくれました。

実際コナー&レイチェルからしたらワイズ博士には感謝してもしきれないくらいの恩がありますもんね。

身寄りのないレベッカを幼い頃からお世話してくれて、ワイズ博士がいなかったらレベッカはどうなっていたか分かりません。

育ててくれた恩が大きいですし、何よりワイズ博士だったからこそレベッカは人格者として育てたような気もします。

コナー&レイチェルとしては当然の反応で良かったです。


ピーノに対する意味深な反応

レベッカや過去の自分との再会(ある意味)を喜びながら「それに…」とピーノに目をやったワイズ博士の反応気になる!!

ワイズ博士は前の世界でもピーノと接点があるのですが、この世界でも?

しかも「それに…」と表立って反応せず裏で心の声として描かれていたのは、前の世界でのただメンテナンスをしただけじゃないピーノに関する何らかの情報を知っていたりするんでしょうか?

ワイズ博士のリアクションは前の世界で言っていた「メンテナンスをしただけ」と考えるにはあまりに意味深で、一体どういうつもりのリアクションなのか気になります。

この世界ではピーノの持つ特異性がちょっとずつ取り上げられていて、ピーノの正体、存在理由が物語の根幹に迫るようなそんな予感がするんですよね。

この世界ではメモリーを失っておらずヴォイドの事を知っていた事、元々エデンズワンを破壊する為に作られた事、四煌星の秘密はピーノの記憶に関わるもので自分の権限じゃ開けない情報がある事、ピーノも未だに謎の多い人物ですが、その謎は一際特別なものなんじゃないか?という予感が増してきた最近。

それに加えて今回のワイズ博士のリアクションだったので、そのピーノの特異性を後押ししてるように感じました

気になるのは、かといってそれをワイズ博士が知り得る理由がないんじゃないかって思えるところです。

前の世界だと、ワイズ博士は壊れかけていたピーノを整備して直し、ご主人は「魔王様」だとピーノの口から聞いています。

ここにそれ以上の真意はなく、ワイズ博士はたまたまピーノに会っただけぐらいの接点な気がしました。

基本的に前の世界通りの歴史を歩んでることが多いユニバース0でワイズ博士とピーノの出会い方が変わる理由があるとも思えなくて、もし何か知っているとしたら、それを知り得た前の世界との変化が気になります。

あの場ですぐに「ん?君はいつかの壊れかけのアンドロイド」と言わなかったあたり、前の世界では知らなかった何かを知り得てる気がするんだよな。


あの場では簡単に言えない、ピーノの正体に迫るものであるかのような。

ピーノと出会った時の反応、前の世界との違いが意味するものが気になります。


レベッカだけ時間の影響を受けなかった理由

レベッカだけ時間の影響を受けなかった理由が「時の力を持っているから」なのは予想通り。

というかそれしかないだろうと思えるアンサーでしたね。

こういう時唯一動ける人物が窮地を救うのは王道で、それは特異な力を示していました。

それをレイチェルは「時の巫女…だからじゃないかしら」と表現。

「時の巫女」とは、248話でフェザーがレイチェルを指して言っていた言葉。

別の世界で何があったかを観測できる存在として"時の巫女"レイチェルの名を挙げていました。

"時の巫女"とは、おそらくキャットリーパーの力を使う存在の事でしょうか。

「時の巫女」という言葉を出した時、隣にいたコナーは「それなら君も…」と反応しましたが、レイチェルは「私の力はとうに無くなっちょるけん」と返答。

言わば「時の巫女」は、そのまま「キャットリーパー」とも言い換えられるかもしれません。

その力故に時間において特異な存在。

レベッカ自身何か力を発動したわけじゃないですが、これまで力を使ってきた事でレベッカの体に時の力が残留していて、それが時の枠組みの外でも活動できる理由になってる…とかなんですかね。

レイチェルだって動ける設定でも良かった気がしますが、そこは現役で力を持ってるかどうかが大事なんだろうか。

「時の巫女…そうか…レベッカはここの出身で時の力を持っている だから…ノーマを襲った時喰みは巫女に引かれて…」とレベッカを傷つけるかもしれなくても、思わず真理を推理してしまうのはワイズ博士の科学者としての性だったりするんでしょうかww

この時のワイズ博士の反応、無駄に真に迫っていて、ただ思い至っただけじゃなく、ついに謎が解けたぐらい閃いた表情をしていました。

このタイミングでこんな顔するってちょっと浮いていて、そんな変さにワイズ博士特有の人柄を感じます。

ジョーカーを探す中でもしかしたら時喰みの事も調べていたかもしれないし、その理論に新しい仮説が思い浮かぶと言葉にして考えてしまうんですかねー。

バーナデッドには殴られるし、レベッカに謝罪するし、一見こんな行動いらなかったんじゃない?とも思ったからこそ、これがワイズ博士の個性だと感じました。


ジョーカー

話は、ついにジョーカー・ヘリックスについて。

「…で何で博士がヴォイドの手下を追ってるんだよ」とシキに聞かれ、ワイズ博士はとんでもない形相を浮かべます。

まるで忘れていたとんでもない用事を思い出したかのように目を見開いて汗だっくだくで、何故こんな顔をしたかというと、隣にいたバーナデッドがあっさり「ワイズちゃんが作ったのよ 銀河六魔将の一人…ジョーカー・ヘリックスを」と答えました。

その話を聞き「ジョーカー・ヘリックス…博士…」とレベッカはジョーカーに対する既視感の正体に気づきます。

10年前、幼いレベッカにワイズ博士が作ってくれたゲーム、その起動時画面に「JOKER HELIX(ジョーカー・ヘリックス)」と出ました。

ゲームは「グリフたたき」という心底しょうもなさそうなもので、当時遊んだレベッカは微妙そうな表情を浮かべていますが、レベッカの中で点と点が一つの線として繋がりました。

「ジョーカー・ヘリックスはワシが10年前に作ったゲームエンジンなんじゃ」とワイズ博士が答えます。

正体が「ゲームエンジン」とは、予想外過ぎるアンサー…。

ワイズ博士と繋がりあるかもぐらいで、ここから予想するなんて不可能だった正体ですね。

「ゲームエンジン」というと、確かにプログラムの集合体で、それはデータを媒体とした機械生命体と同じとも言えますもんね。

「ゲームエンジン」というものを取り上げてくるのが、ゲーマーの真島先生らしいなと感じました。

個人的にはそこまで馴染みのないフレーズですが、真島先生が扱う題材として納得感あります。

レベッカが例に出していた「ウニティ」と「超リアルエンジン5」…後者は「アンリアルエンジン」というものが元ネタになっていますね。

これはちょうど真島先生がYouTubeでアンリアルエンジンを使ってゲームを作ってみようという動画を出していて、それを思い出しました。

全部はチェックしていないんですが、真島先生の果たしないバイタリティに感服する動画です。

だからどうという話ではないんですが、真島先生ファン的としてはこういう繋がりが作品に投影されたような面白さを感じました

知らなくも困らないけど、知ってると面白い小ネタ。

そんなものが何故銀河六魔将になったかというと「AIが搭載されておってな そいつが宇宙中の知識を吸収しやがて自我を持った」との事です。

「気付いた時にはワシの手元を離れておったよ 奴は星々のコンピューターを乗っ取り強大になっていった」とワイズ博士は語ります。

つまりエデンズワンと同様のケースですね。


やはりAIはこの世界において触れてはいけない禁忌の代物だったのか。

優れた技術が人類に牙を向いています。


ジョーカーの目的

「そして奴はとうとうこの星を見つけた」とバーナデッドは言います。

「奴の目的は何なのかね」とコナーが聞いても「時間に興味があったのかそれとも…」とよく分かっていない様子。

てっきりヴォイドの目的を知っているから、その配下であるジョーカーがここに来ると知って追いかけてきたのかと思っていたんですけど、そうではなかったんですね。

ジョーカーの目的自体は不明で、何らかの方法でジョーカーを追跡しこの地にたどり着いたら偶然レベッカ達と会った。

ワイズ博士もそこまでこの世界の置かれてる状況は知らないという事でしょうか。

まさにその疑問に答えるかのように時を同じくしてジョーカーが通信でこちらに話しかけてきます。

大画面にジョーカーの顔が映され「マザーエーテル 私はマザーエーテルを頂きに来ました」と説明しました。

わざわざ教えてくれるとは律儀ですね。

やはり予想通り、配下の六魔も含め、目的は「マザー」か。

「時間に興味があったのかそれとも…」なんて言われてるところからして、まるで知識を渇望するかのようにこの世界の真理に迫ろうとしていたりするんでしょうか

今のところジョーカーは単独で動いていると思われ、単なるヴォイドの仲間というより、個人で大きな目的があり、その利害の一致で仲間になってるようにも見えます。

「何で私の力で感知できなかったの!?」というフェザーのゴッドアイが効かなかった理由も気になるところですが、間髪入れず「もう誰も逃しませんよ この時の狭間からは…」とジョーカーの惑星ミルツ殲滅(?)が開始!?

目的は「マザーエーテル」なのに「もう誰も逃しません」とは、もしかしてミルツに住む人間を1人残らず殺してから確実にマザーエーテルを奪うつもりだったりするんでしょうか。

無数にいるジョーカーがミルツの上空に出現し、怖い…!

前回「もしかしたらこんなのが無数にいるのかもしれない」と思った通りの展開になりました。


あれはジョーカー(分身)が思いのほか弱かった為考えた事なのですが、今回ラストの殺意増し増しの戦闘マシーンがあれだけ出現したら素直に恐怖を抱きます。


無数のジョーカーが惑星ミルツを侵略…!?

第251話『惑星ミルツ脱出編』へつづく

「脱出編」って変な言い回しだな

例えば27話のサブタイトルだと「ギルスト脱出作戦」という言い方がされているのだけど「○○編」って作品内では取り上げられないメタい言い方じゃない?

そこがまず気になりましたw

とりあえず目的はミルツ脱出になるんですかね。

目的が「マザーエーテル」なら、標的をエデンズゼロに向けさせ民を危機から守る行動に出るんだろうか