真島ヒロ月マガ初連載!世界一ヤバイ学園生活がスタート!!魔族、魔物が跋扈する魔界の深淵には、王を超える存在がいる。それは……
ついに始まりました!真島ヒロ先生新連載『DEADROCK』!
この日を心待ちにしてましたよ〜!
何を隠そう自分は真島先生の大ファン。
まさかEDENSZEROとFT100年クエストを連載しながらもう一つ月刊で連載が始まるなんて思いもしませんでした。
それがいつだったか真島先生のTwitterのスペースでその存在が匂わされるようになり、ちょうど一月前タイトルと開始日が発表。
本日発売の月刊少年マガジン8月号より連載がスタートしました。
ジャンルは「学園ダークファンタジー」。
事前情報で「いつもの真島作品らしからぬ話」だと分かっています。
真島作品のファンは読もない方が良いかもとも言っていて、自分は期待を膨らませていました。
これは確かに、いつもの真島作品とは違う…!!
でも真島作品が好きな人は拒絶反応を示すと言う程でもなかったかなーという印象です。
確かに真島作品らしくない要素は多々あったけど、そもそもジャンルが「バトルファンタジー」ではあるので、新しい真島ワールドを見れて満足しています。
何より意外だったのは、主人公が最終的に目指す目的で、一気に事前に想像してた予想が崩れました。
「魔王養成機関」と聞いて、魔王になる為に切磋琢磨するのだろうと思っていたら、むしろアンチ魔王!?
最初からしでかしてる事もえげつなくて初っ端から怒涛で波乱の展開です。
1話目はなんと80ページもあり、事前にそう聞いた時は大ボリュームに満足して2話目までの1ヶ月待てるだろうなーと思ってたら、とにかく早く2話目を読ませてくれ!!という気持ちで支配されています。
現在連載してるEDENSZEROのSF世界観とは違うゴリゴリのファンタジー世界なのも馴染みやすさを感じました。
こういうファンタジーらしさ、久しぶり。
SF世界観も新鮮で好きですが、実家に戻ってきたような気分にすら陥っています。
DEADROCK1話目面白かった…。
前置きはこのへんで、ここから話を順に追って感想書いていきます。
冒頭カラー3ページ
まず意外だったのは新連載らしく扉絵はカラーとして、その前の冒頭のやりとりだけで3ページもカラーがあるところ。
週マガ本誌連載じゃん!?
まさに今やってるEDENSZEROが全く同じ構成だったんですよね。
1話目大体全80ページ、冒頭カラー扉絵含んで5ページ。
あくまで並行連載だからまずページ数自体少ないと思ってたし(それでも1話目なら52ページぐらいかなって予想を軽々超えてくる大ボリューム)、カラーも扉絵含んで3ページかなと。
過去作で例えるなら『モンスターハンターオラージュ』。
「さぁ武器をとれ 未来のモンスターハンター」で物語が始まるかと思ったんです。
それが神の演説で3ページ使われる贅沢さよ…!
何なら見開き2ページ使って神ピンのカラーに使われたのも贅沢だな…!
これだけカラーページが用意されたからこその使い方。
もう開幕から良い意味で独特の空気を放ってました。
こういうページの使い方も少し従来の真島作品と違いますね。
どれも物語の始まり方は作品それぞれではありますが、暫定ラスボスとなりそうな存在の掛け声から始まるって何だよ。
神もノリノリで映ってて面白過ぎる。
この神、どういう存在になるのか1話読んだだけじゃいまいち分かりませんが(主人公ヤクトもですが)、個人的には良い意味でネタキャラにもなれそうなポテンシャルを感じました。
そもそもどういう存在か分かってないのに「神」ってシンプルに名乗られたのが面白いですし「神の名において…人間の世界をあたえよう!!」と言って両手を広げてるポーズ、確かに神々しいんだけど胸元に書かれた「神」のタトゥー(?)だったり、体のラインが出たピチピチのスーツだったり、本人大真面目なんだろうけど少しお茶目さを感じませんか?
ヤクトはこの神を「殺す」と言っていて悪いヤツなのかもしれませんが、現状はなかなか憎めないキャラデザをしていると思います。
巻頭カラー扉絵
巻頭カラー扉絵。
この絵のヤクトは、先月号の月マガの時点で公開されています。
「DEADROCK」新連載の告知として描かれていた。
これは宣伝用のイラストなのかなと思っていたんですが、しっかり巻頭カラーの一部を切り取った絵だったんですね。
思えば「EDENSZERO」も連載開始前の告知イラストも1話の扉絵でしたもんね。
DEADROCKに関しては、あまりにヤクト一人の立ち絵が自然過ぎて、これが他のキャラも含めた集合絵の一部とは思えなかったところもありました。
ヤクト一人で安定感があり過ぎて、他の面々が混ざる余地ないと思った。
この絵は混ざってると言っても、隣にいるとかではなくそれぞれ別アングルで立ってるような構図ですが、それを見た上でやっぱりヤクトだけ固有の安定感を感じます。
何ならヤクト一人の絵を完成させてから他の面々も入れた絵に仕上げたんじゃないかと思う程に。
「魔王になりたきゃ、デッドロックへ来い!」「生きるか、死ぬか!?ルール無用の学園ファンタジー」というキャッチコピーが添えられた『DEADROCK』のイメージイラスト。
後者はともかく「魔王になりたきゃ、デッドロックへ来い!」なんてまるでこれから魔王を目指す者が主人公かのような文言が今回1番の引っ掛けですね。
そりゃてっきりそういう話かと思うよ。
もうカラーから読者を引っ掛けてやろうという気概を感じます。
絵には、ヤクトと同じクラスに入ったヒエン、フレイ、ライゼン、ミコト、ハニー、チャコが登壇。
当然初見時はこの人物が誰なのかは分かっておらず、とにかくこれから個性豊かで愉快な登場人物と出会う事が約束されワクワクしました!!
ヒエンのキャラデザは人外っぽくて強烈ですし、笑顔で炎を出すフレイも見てて楽しそうという印象でした。
まだ始まってなかったので当たり前ですが、どういうキャラクターが出るのか分かってなかったので、ここで一気に世界観のイメージが膨らんで新しい旅に心が躍りました…!!
デッドロック
物語は、舞台となるデッドロックの登場から。
それは、事前のあらすじから分かっていた通り「魔王養成機関」。
その名から想像できる通り「魔王」を作る組織だと思います。
個人的に気になっていたのは、その「魔王」の数で「養成機関」と言うからには数多く生まれるのかな?だとしたら主人公が目指す目的のスケールが弱まらない?と思っていました。
後者に関してはそもそもデッドロックに入学した目的が違いそうなので良いですが、物語の舞台となるからにはより険しい道のりであるべき…デッドロックを卒業して魔王になる難易度の高さは気になっていた。
これに関しては、物語後半の方で説明。
「この中から卒業できるのは2〜3人と言われている」とモノローグがありました。
何でも「魔王」と呼べる存在は何人もいて、卒業生はそれぞれ別々の区画を統治しているようです。
その為、魔王は絶対的な一人ではない。「養成機関」なんてものがある意味を理解できました。
「魔王」に対して「養成機関」なんて存在が最初はどうにも結び付かなかったんですが、答えとしては「魔王は複数人いるから成り立っている」んですね。
加えて、主人公・ヤクトの目的は"それ"ではないから、話のスケールも損なわない。
まずをそこを理解できたのは大きな収穫です。
デッドロックの外観はまさに「魔王の城」みたいなイメージで、EDENSZEROに通ずる背景の美しさを感じますね〜!
EDENSZEROにあってFAIRYTAILにないものの一つが背景の緻密な描き込みかと思っています。
完全にデジタルに移行した変化なのか、EDENSZEROは緻密に描かれた背景が多い。
それはDEADROCKでも健在で、真島先生本気出し過ぎてませんか!?
この絵を描くのにどれだけ時間がかかるのか分かりませんが、見てる側は見惚れてしまいます。
ポスターにして飾りたいぐらい美麗。
「魔界」のイメージって色んな創作物で擦り固まっていますが、その流派になりつつ、どこか新鮮味もありました。
魔王の城っぽいんですが、同時にハリーポッターに出てくるホグワーツらしさも感じました。
とんがった屋根、てっぺんにある時計?目玉?城なんだけど確かに学園だと思わされる。
開幕いきなり美麗世界観お出しされて一気に引き込まれました。
特別入学試験
そしてそこで開催されるのは「特別入学試験!!!!」。
普通の入学試験と違い、何が「特別」なのか、具体的な説明はありませんでしたが、話を読むに「本来募集していた生徒とは違う別枠で募った枠」なんでしょうか。
特別入学試験を合格した7名は同じクラスに所属され、それ以外のクラスでは生徒が40名もいるようでした。
明らかに他とは違うカリキュラム。
こんな試験で集めた限定的なメンバーで一クラス作るからには、そもそも求められてる人材が他とは違うんですかね。
通常の試験ではなく、本来のものとは違う特別試験を経てきたからには、デッドロック内のはみ出しものかのような。
集った受験生の数は「1000人」とめちゃくちゃ多いので「望む者は誰しも参加できる」というルールでもあるのかもしれません。
他のクラスに入った通常試験は、特定の技能が必要だったり、デッドロック上層部とのコネが必要だったりするのかもしれないけど、特別試験は貧民も富豪も強者も弱者も誰でも参加オッケー。
こんなに人が集まるからにはデッドロックを卒業し人間の世界を手に入れるのは、魔界においてそれはそれは名誉な事なのかもしれませんね。
集まった面々を見るにどうもただの学校に入学しに来たようには思えない。
まるで千載一遇のチャンスかのように人生を変えに来てるんじゃないかと思いました。
この入学試験、要はその前にあったのが冒頭の神の言葉なのでしょう。
「ようこそ魔界の深淵へ 君たちには世界の王となる素質がある 我が校で学び…励み戦い生き残れ 本校を卒業できた者には…神の名において…人間の世界をあたえよう!!」。
デッドロックの校長である神が挨拶しました。
デッドロックを卒業したら与えられる特権…そのチケットを勝ち取る為の試験が今始まる。
早速バトル大会が始まるかのようなノリで読み始めて開始1分でワクワクしました。
こういう細かい事はすっ飛ばすスピード感、真島先生らしい。
大人数生き残りサバイバルなんて楽しいのが約束されてますから。
今回は1話目らしくキャラ紹介等で終わったところはありますが、学園モノの入学試験としてワクワクする導入でした。
ヤクト
その中には今作の主人公・ヤクト登場!!
「うわ〜すごい面々…でもやっとここまでたどり着いたんだ 僕は絶対デッドロックに入学するんだ」と意欲的に試験に参加してきました。
第一印象の感想としては、そういうひ弱タイプか〜!
「僕」という一人称だったり、肩を狭めて歩く自己主張の弱さだったり、最初は舐められるけど実はとんでもない実力を持ってるタイプの主人公…!!
何でしょう、パッと思い浮かんだのは前にゲトメアのコミカライズ描いてた松岡先生が作画やってる漫画『魔剣鍛治師になりたくて!』の主人公・エイジみたいな。
一見ひ弱で軟弱そうに見えるけど、実はめちゃくちゃ強いっていう、じゃあその自信のなさは何なんだってツッコミたくなる矛盾系主人公。
言っても「弱そうと思ったら強かった」の構図は『FAIRYTAIL』のナツも『EDENSZERO』のシキも言えそうですがw
あちらは王道元気系主人公だったからまぁ強いんだろうなっていう先入観通りだったのに対して、こちらは少し過剰に「弱そう」描写を重ねてる分、実はめっちゃ強いタイプだ〜!と露骨に察する事ができました。
言うなら、小説家になろうっぽいんですかね?
すいません、あまり詳しくないので偏見で話しますが、こういう主人公なろう系に多くないですかね。
自己主張弱めで弱そうに見えるけど実はめっちゃ強い。
「神を殺す」というぶっ飛んで過剰な目的も、復讐系の話っぽさを感じました。
ヤクト、パーティーから追放されて、その後とんでもない力を手に入れて世界を見返すみたいなイメージ。
そういう意味で確かに「従来の真島作品らしくない」とすぐに思えました。
事前に公開されてたイラストから、いつもと違う感じは伝わっていましたが、その人間性は全く想像できてなかったので「そういうことね」と瞬時に理解。
クール系かと思ってましたけど、意外と表情豊かなのもしっかり主人公性があって良かったです。
クール系でも良いけど、大胆な行動したり色んな表情を見せてくれないとつまらないからね。
このへんは「いつもの真島作品らしくない」をコンセプトにしつつ押さえるべきところは押さえてるのか、そもそも真島先生はナチュラルにこういう主人公になってしまうのか、何にしても真島作品の漫画としての読みやすさを実感します。
ヤクトは不死身?
本作の主人公・ヤクトが出てきたと思ったのも束の間、その次のページには急遽上から降ってきた巨大な何かの足に踏み潰されてしまいました。
埴輪のような顔をしたこの人は、ヤクトのクラスメイトの一人となる「ハニー」。
どんな人物なのかは後々書きます。
これは単なる事故でたまたま潰されてしまったのですが、それを見て大笑いしてる魔界人の治安の悪さ。
ハニーの足の下は血で染まっていて「死んだ」と捉えるべき光景です。
まるでライバルが一人減ったと言わんばかりの大喜び。
このへんの性格の悪さは流石魔界だな〜と思いました。
人間の世界を支配する魔王を目指してるだけある。
この時別にヤクトは死んでおらず、潰されただけだったんですが、この「血」は何なんでしょう…?
頭から血を流してたものの、それだけの出血量じゃなくない!?と思いました。
明らかに体が潰され大量出血した跡になってる。
しかし当の本人のヤクトは血は出たものの体は潰されておらず原型を留めていました。
ここ読んでて少々引っかかりましたね。
その描写にしてはおかしくない!?と。
ヤクトはもしかしたら「不死身」とかそういう性質を持っていたりするんでしょうか。
そうであれば「あの時体は潰れ死んでいたけど不死身なので再生し生き返った」と解釈する事ができます。
「神を殺す」なんて大層な目的を語り、ヒエンからは「自殺志願者か」と思われるぐらいそれが危ないミッションである事が分かりますが、もしヤクトが「不死身」であるならそこまでの目的を持ってデッドロックに入学したヤクトなりの勝算も分かります。
「黒竜」の力はとんでもないですが、デッドロックの校長を敵に回すのは学園全土を敵に回すようなものでしょう。
並大抵の力では達成できません。
それがもし「不死身」であるなら、あそこまでの目的を持って学園に入学した意味も分かるんです。
深読みでもありますが、あの血の描写が伏線である可能性はゼロじゃない。
マクスウェル
受験者が一人死んでも「君は体が大きいようだ 気をつけなさいねぇ」で済まし「これで受験生の数は999人になってしまったねぇ」と話し始めたのは、今回の試験管を務めるマクスウェル。
この人は、デッドロックの生体科学教員。
デッドロックには「生体科学」という学科があり、その担当だったりするんですかね。
今後、色んな学科と先生が出てくるの楽しみだ。
この人は受験生からしたらそれなりに有名のようでモブの何名かが「マクスウェル先生…!?」「あの…」「死んだ生徒の体を実験にするっていうあの…」「しびれる〜!」と反応していました。
受験生からしたら、デッドロックの教員はそんな扱いなのか。
学園に入らずとも知られてるほど名が知られてるとは。
「死んだ生徒の体を実験材料にする」ってとんでもないヤツですね。
お前がフランケンシュタイン作ったんだろ。
この噂ってこれからこの学園に入学する受験生にとっても他人事じゃないのに、まるで武勇伝かのように聞いて「しびれる〜!!!」なんて目を輝かせてるの独特の倫理観ですね…。
真島先生もDEADROCKはいつもの真島作品らしくない倫理観と言っていたけど、だから舞台を「魔界」にした意味があったんだな。
これをFAIRYTAILの世界やEDENSZEROの世界じゃできなかったでしょう。
部分的に狂った世界はあったけど、その世界の標準的な感覚を狂わす事は難しい。
そう描いても読み手は違和感を感じそうで、その点「魔界」という言葉はそれを一言で解決できるなと思います。
マクスウェル先生は1話で退場し、その為特に深掘りする意味はなさそうではあるんですが、見た目や喋り方はまさに「魔界学園ダークファンタジー」を感じられて好みでした。
真島作品、少年や少女だけじゃなく、こういういかにも小物っぽいジジイキャラも大好きなので、見てて味わい深いです。
細めた目だったり欠けた歯に刻んできた「歳」を感じます。
推しにはならないですが、独特の魅力は感じます。
受験番号726番
「このように試験じゃ命を落とす事もあるねぇ」と話し「ビビった奴ぁ今のウチに帰った方がいいねぇ イヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」と不気味な笑い方をするマクスウェル先生。
とはいっても、それを通常のテンションで語るのは「死」が大事ではない証拠ですね。
現実の世界でも従来の真島作品の世界でも「死」は永遠の別れで到底受け入れられるものではないですが、魔界だと今出会った人が次の瞬間には死んでてもおかしくないくらい物騒なんじゃないでしょうか。
魔界人もその治安を至高のものとして自ら望んでいる。
「ビビった奴ぁ今のウチに帰った方がいいねぇ」なんて忠告も受験生の身を案じているというより、受験生の試験に対する参加意欲を煽っているように感じます。
案の定そう言われた受験生は「ここまで来て帰る奴なんかいねーよ」「そうそう!!」「どんな試験でもかかってこいっての!!!」と参加意欲を燃やしていて、今まさにその試験が始まろうとしていました。
マクスウェル先生が「では…」と言い、試験の開始を宣言しようとしたところで話を遮ったのは「ちょ…ちょっと待ってください!!!!」という声。
ハニーに潰されたはずのヤクトはもぞっと足裏から出てきて「999人じゃないです…僕…まだ死んでないです 受験番号726番ヤクト 生きてます!!!!」と表明しました。
そりゃここで死ぬわけないよね。
ヤクト、意地と力の復活。
展開としては誰もが読めたでしょうけど、ヤクトの存在が試験に参加した受験生全員に知れ渡るインパクトの大きい目立ち方で良かったです。
物語の主人公を主人公たらしめる一つの要素は「作中の世界で特別目立っている」事だと思っています。
特別他にはない要素を主人公が持っている。
今回のヤクトはあの巨体に踏み潰されても死なない頑丈さ、試験開始直前に自己紹介した"1000人目"の受験生。
気合いは十分。これから作品を引っ張っていく存在として相応しい存在感がありました。
ヤクトも良い顔してますね〜!
前述の通り、事前に公開されたイラストを見た時はクール系なら読んでてつまらなくない?と不安もありましたが、しっかりこういう少し醜くても腹の底から力を出すようながむしゃらさが見れて良かったです。
今回のベストショットの一つがこのシーン。
ギューゴ
ヤクトはハニーを持ち上げ、自分が起き上がる為にひっくり返す。
その影響でハニーの後ろにいた受験生が10人くらい潰され、試験のライバルが減りました。
ヤクトが意図してやった事ではないのですが、その目立ち方が気に食わなかったのか「入学前から10人殺したァハクがつくじゃねーか小僧 てめぇみてぇな弱そうなチビにはもったいねぇ称号だ」とデカい牛型モンスターが絡んできます。
モブが言うには、この牛は27層あたりを牛耳ってるミノタウロスのギューゴ。
「牛耳ってる」と言うからには、EDENSZEROのノーマにおけるシビルのようなものでしょうか。
そのエリアを支配しているチンピラ。
「牛耳ってる」という言い方もまさにヤンキーだったり半グレのようなイメージを抱きます。
「27層あたりを牛耳ってる」という方は1話を一度読んだ後じゃ、ネタにしか感じないですねw
めちゃくちゃザコだよ、この人。
27層を牛耳ってるからといって、何のアピールポイントにもならない。
このモブもギューゴが雇ったフラッシュモブなんじゃないかと思うくらい、噂が浮いています。
「おい…あいつ…」と噂する程のレベルじゃないだろ。
「ぎゅう〜〜〜…ターン!!!!」って技名は「牛タン」が元ネタか。
食べ物が元ネタはキャッチーで分かりやすいですし、技そのものもシンプルな攻撃で良いですね。
こういう分かりやすく小物キャラも好きなんですよね。
ぜってー大したことないやつじゃんって読み味がクセになる。
真島先生も楽しんで描いてるのが伝わってきます。
今回で退場してもう出てこないキャラだけど、牛のモンスターで頭の弱いチンピラで斧を振るって攻撃ってもう楽しい存在でしょ。
もう出てこないのが惜しいとすら感じてしまいます。
斧を振るって攻撃するのは真島先生の過去作『FAIRYTAIL』のタウロスも彷彿とします。
あいつも斧を振るって戦う二足歩行の牛だったから。
真島先生にとってミノタウロス=斧が武器なんだろうかw
神
ヤクトに襲い掛かるギューゴ、一触即発になりそうな中、手を叩いて場を収めたのは神。
ただ手を叩いただけなのに神の手が弾く音はとんでもなく、モブが耳を塞いで苦しみ、ヤクトも耳に衝撃が走るくらい強烈なものでした。
デッドロックの敷地全土に鳴り響いいたかのように上空から見渡す画が入り「そこまでだ」と話を止める神。
肩書きは「デッドロック校長」。
神がデッドロックの校長なのですね。
特別入学試験の挨拶をし、卒業後の権利まで支配してるとなれば、それは確かに「校長」に相応しい立場なのですが「神」という全土を支配する権限のイメージが大きすぎて、神=校長という視点はここまで持っていませんでした。
でも言われてみると納得で「校長」に相応しい人はこの人以外にいないでしょう。
にしても「神」って何なのでしょうね。
1話目読んでもずっと引っかかっている部分の一つ。
「神」って「神」としか説明されてなくて、あまりに抽象的で曖昧な概念過ぎて、それが普通に浸透してる世界、理解に苦しみます。
事前情報であらすじから話を想像してた時は、学園の校長=魔王なのかなと思ってました。
主人公が目指すと思っていた目的なので、その組織のトップであるのが王道(NARUTOにおける火影然りブラッククローバーにおける魔法帝然り)。
しかし、そうなると養成機関と言うからには魔王の数多さ、ただ一人の校長とは立場が食い違い、実態が想像つかなかった。
だからこそ、デッドロックの校長は「神」なのではないでしょうか。
多くの魔王を作った頂点にいるのだから「神」。
詳細な設定もあると思いますが、設定の出発点はこうじゃないかな。
まぁそう考えたとしても「神」って何だよという疑問に再び戻りますが、何となく世界を作った全知全能の神って程ではない気がするなぁー。
魔界も人間界も作ったような上位の存在としたら、こんな風にその世界に住む人々に干渉しないんじゃないだろうか。
神にとって世界は「盤上」で、作り手としてどうこうしようともゲームのプレイヤーとして自ら参加はしない。
何かとんでもない力は持っているんでしょうけど、その万能さには限界があると推測します。
蟻地獄
神により「マクスウェル先生始めたまえ」と言われ、特別入学試験開始。
試験のルールは至ってシンプル。
受験生は全員蟻地獄に落ち、1時間以内に脱出できた者を合格者とする。
マクスウェル先生の説明に合わせて受験生全員の地面が砂となり蟻地獄に落下。
どういう原理か不明ですが、こういう一瞬で状況が変わるのも試験の開幕として面白いです。
バトル漫画の試験モノでよくある気がします。
合格者を目指すなら不足の事態にも対応してみせろと言わんばかりのイレギュラー。
理不尽とは言えません。それだけ難解で、その適正を測る為の試験だから。
緊急ではありますが、不当とは感じない試験の始まり方。
受験生が蟻地獄に落ちた途端、上の穴は閉じ出口は消滅。
「脱出っていったって…穴が閉じていって…」と困惑する受験生ですが、同じく受験生の一人が「いや…きっとどこかに出口があるんだ」と言い「なるほど!!それを探すって試験なのか」と試験概要を把握しました。
長尺で描かれるならこの「出口」というのもFAIRYTAILの天狼島のメイビスの墓を探すS級魔導士昇格試験みたいに謎解き要素があった可能性もありますけど、今回はあくまで物語の始まり。
1話でテンポよく解決して学園生活が幕を開ける為にそこまでの要素はなかったですね。
しかしこういう試験だとその思考も醍醐味。
ただ強いだけでなく知力も試されていそうな試験でした。
結果的にそのような過程はなく、ヤクト達は純粋に生命力の強さで勝ち上がりましたが、モブ受験生が試験の概要を理解した時は読んでてワクワクしました。
第1話が「入学試験」になるというのも事前のあらすじから分かっていて、どういった試験になるのか妄想していました。
ある程度広大なエリアで少ない枠を奪い合うイメージは当たっていましたけど「出口を探す試験」でしたか。
そこには「蟻」という危険なモンスターも生息していて「生き残りサバイバル」みたいな楽しさもありました。
蟻
受験生の前に現れた「蟻」。
黒光していて真島先生らしいデフォルメされた蟻デザインのモンスターなんですけど、特徴的なのはそのデカさ。
見たところ魔界人の10倍ぐらいの大きさがあり、蟻=小さいというイメージを覆してきます。
漫画『テラフォーマーズ』のゴキブリみたいな存在感だな。
こちらはデザインが基本はポップなだけにやってる事の残虐さが際立っているように感じました。
手の先端で受験生の体を突き刺したり、頭が飛び出してきて受験生を喰ったり。
このシーン初見はサラーッと読み流したんですが、感想書く上で改めて読み返してるとめちゃくちゃ気持ち悪いですね…。
まず「虫」をまじまじと見せられるところに生理的嫌悪がありますし、その虫が人間を食べるって見てて寒気がする。
虫=小さいだとか、人間より矮小な存在という認識があるからか、実態と想像に矛盾が生じるんです。
あの蟻が人間を襲ったら嫌でしょ。
架空の存在じゃなくリアルにいる存在だからこその気持ち悪さがあるかもしれない。
その蟻はとてつもなく強く受験生を次々に惨殺。
体を貫いたり食べたり、どんどん受験生が殺されていきます。
蟻地獄だから蟻がいる、これは分かりますが、その光景を見てる神の「デッドロックに入学しようとしている魔界人の君たちが蟻ごときにやられる訳はないよなァ」って皮肉が半端ないです。
確かに蟻だけど、これは蟻じゃないだろ!!
「蟻ごときにやられる訳はない」と言うからには神視点でも蟻は矮小な存在という認識があって、それはおそらく現実世界の蟻に抱くイメージなのだと思います。
確かにそれなら「蟻ごとき」ですが、蟻地獄の蟻はその蟻とは別物。
わざわざそれを同一視して「デッドロックへ入学しようとしている魔界人の君たちが蟻ごときにやられる訳はないよなァ」と言うの性格が悪いです。
文字数をオーバーしたので②に続きます!