ピーノは人類と敵対する事を宿命付られた機械?ジギーがピーノを不正アクセスできた理由は何か | ルーメン・イストワール

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概要

何故か星咬作戦の事を知っていたジギー。

それは、ユニバース3の歴史なので、ジギー=シキという正体が明かされても説明が付かない事象。

何故、ジギーは星咬作戦の事を知っているのか?

この不可解からワイズは「裏切り者がいる可能性」を考えていた。

最新話では、その「裏切り者」ピーノだと判明。

ピーノの意図しない状況で、ジギーに不正アクセスされデータを確認されていた。

今回は、ジギーのピーノ不正アクセスについて考えたい。

 

星咬作戦を知っていた

前述の通り、その兆候が見られたのが第200話

ワームホールを使い、シキと共に場所を移動したジギーはレベッカ達にこう言い残して消えた。

「一つ…いい事を教えてやろう 貴様等の目指してるレンダード中枢はここだ "星咬作戦"健闘を祈る」

この場には、レベッカ達の母がいる。

そんな場で時喰みを呼んだら、母達の遺体の存在を消してしまう。

その為、レベッカは「……できない」と判断した。

つまりこれは「できない状況であえてヒントを与えて『健闘を祈る』なんてエールを送る皮肉」である。

ジギーは、レベッカ達なら星咬作戦を決行できない事を分かって、意地悪でわざとああ言った。

不可解だったのは、星咬作戦を知っていた事

これは、葵大戦で二万年後の世界に来たシキでは体験していない歴史。

即ちジギーの知らない歴史だから、ジギー=シキが確定しても説明がつかない。

これに対してワイズが「裏切り者がいるのか?」という可能性を提示していた。

もしジギーに情報を横流しにしてる裏切り者がエデンズゼロにいたら説明がつく。

 

シキがレンダードに来る事を知っていた

他にもジギーは本来知らないはずの情報を知っていた描写がある。

それが、172話

レンダードで魔王四黒星と話していたジギー。

「次はどの星を攻めましょう?」とキラーに聞かれた際「シキが来る 迎え討つのじゃ」と答えていた。

ジギーはいち早くシキがレンダードに来る事を察知していた。

しかし、この時エデンズゼロがレンダードの近くにいたわけでもなく、知る余地なんて一見何も無いように思える。

この不可解もジギーに情報を横流しにしていた人物がいたとしたら説明できる。

 

「裏切り者」の正体

そして、最新206話で判明した「裏切り者」の正体。

それは、ピーノ

暫く大人しくしていたピーノに気付いてレベッカが「ピーノどうしたの?さっきから大人しいけど」と話しかけると、こう答えた。

「星咬作戦の事がジギー様にバレていました ワイズさん裏切り者がいるって話してましたよね それ 私です」

驚愕の表情を浮かべる一同に「もしかして…と思って自分のデータを調べてみたら…不正なアクセスが数多く発見されました…私…知らないうちに…ジギー様にデータを見られていました」と事態を説明します。

ジギーが本来知らないはずの情報を知っていたのは、ピーノに不正アクセスしデータを盗み見ていたから。

「データを見る」とは、ピーノ視点で見た映像や聞いた音声などを確認するようなものでしょうか。

言わば、ピーノの記憶を見る事

そうやってジギーは多くの情報を得た。

 

気になった疑問

気になったのは、ジギーがピーノに不正アクセスできた理由

これは、ジギー自身もしくはジギーの仲間(有力なのがキラーか?)にハッキングを得意とする人物がいるという話だけなのか、それともピーノだからこその特別性があるのか。

まず条件としてジギーが不正アクセスできる相手は「不正アクセス」と言うくらいだから「機械」である事が必須。

とすると、エデンズゼロには他にも何人も機械がいるが、不正アクセスされていたのはピーノだった。

この場においては「裏切り者がいるのか?」というワイズの発言の意味を回収する為に近くにいる相手の方が好ましく、そうなるとハッピーorピーノ、より物語で重要度が高いポジションにいるピーノにした狙いも分かる。

ただ、自分はそれだけ作中での重要度が高いピーノにしたからこそ何かもっと特別な意味がある気がした。

そもそもどんな機械だって不正アクセスができるなら、もっと簡単に色んなものを狂わせていそうだけど、そこまで特別な描写はこれまでない。

ジギーは「ピーノだからこそ不正アクセスできる理由」があり、そこに「何らかの秘密」が隠されてる気がした。

 

グランベルでの再会

その原因として関わってきそうなのは、桜宇宙編のグランベルでジギーと再会した時

「これより我々機械生命体は全人類を支配する」と宣言したジギーは「ピーノ 来い」と名指しし「おまえはこちら側じゃ」と声をかけていた。

「こちら側」の意味は分かっていないが、ジギーはピーノにこっちに来るよう仕向けていた。

それは、目の前にハーミットもいたのにピーノのみを指して言ったのだから「ピーノだからこその特別性」が理由なのだと思う。

今回の不正アクセスも他の四煌星ではなくピーノだから実現できたのなら、この時の発言が関係してそう。

その時、他にも言っていた意味深な発言で言うと「ピーノ おまえはワシの命令には逆らえぬように作られている」「来い…おまえの生まれた理由を教えてやる」が挙げられる。

ここでも「ピーノ」を名指しし「おまえはワシの命令に逆らえぬように作られている」と言っていると「他の四煌星は違うがピーノはジギーの命令に逆らえぬように作られている」と言っているように聞こえた。

もし、ジギーの作った機械全てが製作者の命令に逆らえぬよう設計されていたら「ワシの作った機械はワシの命令に逆らえぬように作られている」と言っていた気がする。

「ピーノ おまえは」という「ピーノのみを指す言葉のニュアンス」が重要な気がした。

同時に「来い…おまえの生まれた理由を教えてやる」という発言も明らかな伏線だろう。

ピーノの出自には、この時想像もできないような「何か」がある。

ピーノのみを「おまえはこちら側じゃ」と指定する発言と関係があるなら、ピーノが人類と敵対する事を宿命付けられているような理由なのかな?

 

では、具体的にジギーがピーノを不正アクセスできた理由をいくつか可能性を提示して考えてみる。

 

①人類と敵対する機械だから

まず考えたのは、ジギーの「おまえはこちら側じゃ」発言から。

「こちら側」とは「人類と敵対する側」という事だろう。

やはり、それはピーノのルーツに関係すると考える。

あの時、ジギーが教えようとした「ピーノの生まれた理由」

それは、ピーノが人類と敵対する事を宿命付けられているようなものなんじゃないかと思う。

その為、ピーノは「人類と敵対する機械にとって都合の良い存在」になってるのではないだろうか。

魔王四煌星にはなく、ハッピーにもない特別性だと思われる「不正アクセス」されてた件

これも見方を変えれば、機械生命体にとって有益な情報を与えている。

ピーノが作られた理由や人類と敵対する宿命とは、こういうところにあるんじゃないかな。

図らずもジギーにとって有益な情報を横流しする事になった。

それは、ピーノが「人類と敵対する機械だから」なのかもしれない。

 

②悪のジギーが作ったから

逆にピーノは不正アクセスできて、魔王四煌星が不正アクセスできな理由は何なのか?

それは、ジギーが外部からアクセスできないように設計したからじゃないかな〜と思った。

ピーノに関しては善だった頃のジギーの思い入れなんかは特に描写されてないけど、魔王四煌星はそういった側面が描かれているんだよね。

ちょうど最近「それまでのユニバースにはいなかった魔王四煌星が作られた理由」について考えた記事を書いたけど、やはり魔王四煌星はジギーが人類と共存する機械が幸せに生きれるように作った気がする。

ジギーの些細な気遣いは、魔王四煌星や他の機械を想っての行動。

ウィッチと初めてエデンズゼロで出会った時「艦内での会話は全て聞こえています」と言っていて、それに対してワイズは「プライバシーってモンがあるだろ プライバシー」と反論していたけど、まさにその意識。

機械達のプライバシーを侵害する行為を優しかった頃のジギーはしないんじゃないかと。

対してウィッチはこの時「私はモノです あなたは会話する時壁やイスに気を遣いますか?」と返答していたけど、シキは「モノじゃねえよ 心があるんだから」と言っている。

同一人物であるジギーも優しかった時代は同じ考えで四煌星は製作者と言えど不正にアクセスできない仕様にしたんじゃないか。

とすると、逆説的にピーノはそんな事を全く厭わない悪のジギーに作られたと考えられる。

 

③優秀なハッカーがいるから

ここに来て、話を土台から崩す発想だが、やはりジギー自身もしくはジギーの仲間には優秀なハッカーがいる可能性。

そのハッカーは、機械を不正アクセスできる程の技術力を持つ。

ピーノだからこそ実現できた特別な理由があるんじゃないか?と思って今回の記事を書いたが、描写的には逆に明確に意味がある伏線でなきゃいけない根拠もない

というのも、ピーノの不正アクセスが発覚して、その後「何故ジギーはピーノに不正アクセスできたのか?」と誰も疑問を表に出していない。

もちろん内心考えていて、それが後になって表に出す可能性もあるし、仮に誰も疑問を表に出さないからと言って、その後実は隠れた伏線だったと物語で回収する展開だってあり得る。

けど「絶対に回収しなきゃいけない伏線」とまで思える程の描写ではなかったのが、絶妙。

別に「優秀なハッカーがいたから」程度の理由で説明されても違和感は無いかなー。

 

④「記憶」を落とした

ピーノに対する未回収伏線のような描写で言うと、ユニバース1の記憶を継承している点。

ユニバース2でシビルに助けられた時、ピーノは「あんな奴でもオレを救ってくれた奴なんだ」というワイズの言葉を思い出していた。

これは、ユニバース1での発言でユニバース2のピーノには存在しない記憶。

この言葉を思い出したピーノは「メモリーの異常を検知 記録されていないワイズさんの言葉が…」と反応していた。

「後でメモリーをチェックする必要がありそうです」と考えていたが、結局その後メモリーをチェックしてそれがどんなものだったかは全く描写されずに話が進行した。

「メモリーに記録されてないワイズの言葉を検知」「知らないうちにジギーにデータを見られていた状況」

個人的に既視感を感じたニュアンスだった。

結局この時の描写って物語上よく意味が分かっていないし、今回の描写がその伏線の回収のヒントなんじゃないだろうか。

何故、ピーノが以前のユニバースを継承していたかは、ドラッケンの見解である「シキの重力に引き寄せられこの世界に落ちてきたから」ではないかと考えている。

ジギー=シキだと判明した今、ジギーならシキと同じ事ができるだろう。

ジギーはピーノの記憶を自分の中に落として情報を知ったのではないだろうか?

ピーノが以前のユニバースの記憶を発見した時「メモリーの異常を検知」という機械的な仕組みを用いて発言していたので「記憶」という部分は機械にとっては「データ」と密接な関わりがあるんじゃないかと思えるので、そこも根拠の一つ。

 

「別れの時」再び

以上の可能性を踏まえて、思い描かれた展開は「ピーノとの別れの時」再び

「ピーノとの別れの時とは、102話『別れの時』

前話のヒキがジギーの「ピーノ 来い おまえはこちら側じゃ」という発言で終わり、多くの読者は次回サブタイトル『別れの時』を見た時、それは「ピーノとの別れの時」になると想像したんじゃないかな?

詳細は不明だが、ピーノはジギーの側の機械であり、それを踏まえたジギーの誘い。

真島先生はサブタイトルも工夫していて、この時は「ピーノとの別れの時」になるとミスリードする意味もあったんじゃないかと思う。

結果、この時が指し示した「別れの時」の意味は「シキとジギーの決別」だったと思う。

実際、この瞬間にピーノがジギーの方に行ってしまう展開も面白いと思ったが、ネックだったのがまだまだ物語も序盤の中でピーノをクルーの中からフェードアウトさせる点だった。

もしいつか再びシキの仲間に戻るとしても、ここで一度ジギーの元に行ってしまったらシキ達と本来過ごすはずだった多くの時間が失われる。

それはあまりに残酷なので、結果的にここでピーノはフェードアウトしなくて良かったと思う。

しかし、物語も進んだ今となっては、その問題点もある程度クリアされて、あの時起こり得たかもしれない「ピーノとの別れの時」が本当に実現する展開もありかもしれない。

今回、ピーノは自分のせいじゃないと言えど、抱いた罪悪感から揶揄して自分を「裏切り者」と表現していたが、もっと意味を持って「裏切り者」になる可能性。

楓大戦では本当の意味でピーノが「裏切り者」になり「シキ達との別れの時」が訪れるかもしれない。


以上、ピーノを不正アクセスできた理由4パターンと今後の展開について考えてみました。

ピーノはまだまだ謎多き人物なので、色んな伏線と関連付けられそうですね…。

ちょうど先日のスペースで楓大戦でピーノの活躍がある事を予告していたので、今回のエピソードでピーノの謎も一歩前進しそうな予感です。