扉絵
扉絵は、オリビアと彼女に花束のプレゼントを用意してきたサイダー氏。
サイダーさん、オリビアに想い寄せてたの!?
キャラストーリーにもそういう秘話があるのか、個人的には存じ上げない話だけど、そう言われて見ると自然な設定。
いつも王宮で真面目に働いてるオッサンとしては、こうやって誰にでも分け隔てなく笑顔を向けれる若い女の子って好きになりそうだもんね。
珍しい組み合わせだけど、好きな扉絵。
急襲
アゼル達、英雄感強くて良いですね〜!
アレンが間に合わなかった人達の危機を颯爽と訪れて助けてくれた。
アゼル達なんてノーグの一族からしたら、本来こちらに敵意を向けたっておかしくない存在なのに、それを何も言わず差も当たり前のように助けてくれる姿はまさにヒーロー!
アゼルが真っ直ぐムーンガルド兵の刃を弾くシーンがかっこいいです。
たまたま出会った縁を大切にして、何の罪もない人が傷つく現実を放っておけない正義感を感じるものでした。
続けて、エマ、オリバー、サンクと次々ムーンガルド兵を退治します。
オリバーの剣捌きを見たサンクの「やるなぁ自分 ただの学者とは思えへんで」ってリアクション、今回最後に明かされた話の伏線ですね。
確かにオリバーは「ただの学者」ではない。
明確に剣術に長けてる理由がある。
自分は原作ゲームをやって、話は知ってるので、これ伏線だ!っていうのがより分かりやすいです。
アレン
このノーグ編、今のところアレンよりバルサスの方が出番に恵まれてる印象ですが、原作ストーリーだとノーグの主役はアレンがメインだったので、今回やっと本格的に登場してきたなという感覚です。
ムーンガルドの襲撃にあったノーグの里にいち早く駆けつけ、アゼル達の力を借りたバルサスの判断も「上出来だ!!」と迷わず返すところに器の大きさを感じました。
バルサスはどっちかっていうと決められたルールや掟に拘るところがありますが、アレンは性格的に寛容性がありますもんね。
本当に大切なものの為だったら、掟だって破る。
そんな人間性がナチュラルに出た言動だったと思います。
その最たるものだったのが、今回の村長の忠告を無視した行動でしょう。
子供を見殺しにするか、一族が守り続けた神星魔石の在り処を教えるかで後者を選びました。
一般的な感覚で言えば子供を見殺しになんてできませんが、村長も言っていた通り代々一族が守り続けた歴史って相当大きなものなんでしょうね。
だから、村長もそう簡単に決断できなかったのでしょう。
村長の人間性に問題があると言うより、代々受け継がれてきている掟に問題がありそう。
しかし、アレンはそういったものに左右されず、しっかり自分の大切なものを自分で考え行動できるから好感持てた。
「悪いな親父 俺には一族の掟や世界の破滅と家族の命は天秤にはかけられねえよ」って言葉が好きです。
めっちゃ良い事を言ってるけど、それを至って本人は意識してなさそうなところが。
ナチュラルに善人な心、アゼルと通ずるものを感じます。
敵側の人間がいる?
今回の話で面白かったのって仲間内に内通者がいるんじゃないかって疑惑のミスリードですね。
道中でサンクはエマにこう話しかけていました。
「…なあ姉ちゃん おかしいと思わへんか?何でこの国の奴も知らなかった神星魔石の存在をムーンガルド兵が知ってるんや?おそらく俺たちの中に敵側の人間がおる」と疑惑を突きつけます。
サンクの考えとしては「姉ちゃんたちは違うな あのアゼルってのもアホそーやし…って事はあいつや」とオリバーを怪しんでいるようです。
原作ゲームをやってる身としては知っての通り、その内通者とはサンクなので、お前からその話を持ち出すんかーいとは思ったんですけど、話を演出する上でこのミスリードは凄く面白かったと思います。
まさか犯人自ら犯人探しをするとは思うまいとしたミスリード。
サンクの意図としては、仲間内で疑心暗鬼にさせ、自分だけが利益を得ようと考える作戦なのでしょうか。
マツオカヨシノリ先生、今回も原作ストーリーの脚色が巧み。
物語として、どんなスパイスを込めたいかすぐに伝わってきました。
良かったのは、今回の話のラストでオリバーが自分の身分を明かしたところです。
正直ちょっと深読みすれば犯人疑いのかかってる人物って犯人候補から外れるってメタ推理ができてしまうと思うんですけど、それをこのタイミングで正体明かして「王子」という信頼の置ける高い身分だと、不思議とこれも含めて裏があるんじゃないかと思わされる。
どこまで意図した通りの演出になってるか分かりませんが、自分的には凄くハマってると思いました。
神星魔石の在り処
神星魔石の在り処の設定も面白い。
これも原作ストーリーでこんな話なかった気がするんだけど、コミカライズでは何と巨大な岩壁の中にあるという話でした。
いやどういうこと?ってなるこのぶっ飛び設定、実に真島作品してる…!
FAIRYTAILでいう永遠の炎とかガルナ島の悪魔の呪いを思い出しました。
その土地特有の奇妙な存在。
何故そうなってるのか分からない不思議な建造物。
大自然で魅せる設定なところも、真島作品的に滑ってないです。
奇怪な設定っていくらでもあるかもしれないけど、この自然との調和はまさに真島作品だ…!
読んでて、凄くワクワクしました。
そこでどう神星魔石に辿り着くってところで、オリバーが呪文を唱えました。
岩壁に手をかざし「"開け 星と船を刻みし門よ"」と言うと、エストレアの紋章が浮かび上がり、岩壁が開きます。
オリバーが「エストレア王国の王子」だと明かしたところで、今回の話は終わりです。
真島作品らしいユニークな設定からの問題の対処まで全部ファンタジーで凄く良かったです。
こういうアナザー真島作品を読みたかった!