武道というシステム | 自分らしく生きるには「水」になれ!

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武道とは、長年にわたる人間研究における身体、心理、運動、戦術、戦略、養生法を含む総合科学と言える。ある意味、人類の英知の結集と言っても過言ではない。


そもそも乱世を生き抜くために生み出された技術である。一族を生き残らせるために、それこそ必死で研究開発してきた。当然、誰でも出来なければ意味がない。


よく武道をやるには、反射神経、柔軟性、体力、体格などが優れていないと出来ないと言われる。しかも、年齢、性別も制約条件だと思われている。


確かに、狭義的には間違いではない。しかし、それでは一部の限られた人にしか習得できないことになる。それは優れたシステムとは言えない。


身体的素養はあるに越したことはないが、それがすべてではない。つまり、運動神経の良さは必要条件であって十分条件ではない。


こう説明すると分かりやすい。武道というシステムを直径1mのボールに例えると、上記の要素は直径10cmのボール程度でしかない。


また、武道家の資質について、
修行者Aは、器用で運動神経も良く、柔軟性も瞬発力もある恵まれた身体ゆえに、師匠の動きをすぐにマスターしてしまう。
修行者Bは、不器用で運動神経が悪く、身体も硬い上、瞬発力もなかったので、どうすれば師匠の様に動けるか必死に考え続けた。


一般的な常識からは、明らかに修行者Aの方が資質が高いように思われる。


実は、最終的に武道を修めるのは修行者Bである。彼は身体的には不器用だが、師匠の動きの本質を注意深く観察し、その神髄を見極めようと努力した。


その上、繰り返し練習することにより、時間をかけて武道家としての身体に最適化していったのである。


このことは、人生における深い示唆を含んでいる。よく言われる先天的な優位性や才能などは、後天的な努力次第ではくつがえせるということである。


努力は決して裏切らない。