真冬の師走の今日。

街の中はクリマスムードだが、

あと数日で正月を迎える。

 

 

 

薬膳料理(滋陰益腎)

ホテルで薬膳料理を注文する。

ドリンクを飲んだあと一番目に海老と

かぶらのラヴィオリ。二番目が菊芋の

フラン。

海老と卵白は腎に帰経し、腎の作用で

陰を潤す。

寒さに負けず、腎虚にならず。腎虚と

真逆が腎張り。腎張りとは、性欲旺盛、

多淫をさす。

 

 

海老とかぶらのラヴィオリ

 

 

菊芋のフラン

 

正月(春情戯れ)

あと数日で正月。国芳の「華古与見」

に描かれる男女の艶物語。

正月に早々、ふた組のそれぞれの男女が

百人一首をしながら戯れる。

 

 

正月の春情戯れ

 

花魁(色男)

もしえ、主ゃあお嘘をおつきなん

したね。

なぜぇ。

早う来ると云いなましてよくもひ

とを待たせなんしたね。にくいよ。

どうで可愛がられるはずはねえか

らの。

おや、さいでございますか。あれ

さ、この手がじゃまざいますよ。

ああ、つめて足だ。

つめたいからあっためておくんなし。

と首ったまにしがみつく。

 

 

 

 

箱入り色むすめ

しげるさん、おきぬさんはどうしたえ。

どうしたか、おいらとんと知らねえす。

おや、あんなことを。お前がたいそう

可愛がってじゃなかったかえ。

なんの。おいらが可愛いと思うのはた

ったのひとりだ。

おや、それはどこの娘だえ。

おめえのほかにあるものか、このいろ

むすめめ。

とぐっと引寄せ手を入れると、

あれもう。

と小さな声でにっこりと、顔のえくぼ

は一粒よりの箱入り娘。

この色男、あやかり者なり。

 

 

 

 

Enjoy国芳「花古与見」

歌川国芳(1798-1861)は、江戸末期

を代表する浮世絵師。

『華古与見』は、彩色に金銀を用いて空

摺りを駆使した艶本。猫好きの国芳は、

枕絵のなかで、国芳自らが猫にかわって

傍におるかのように表現している。

北斎とも面識があった国芳の書き入れは

簡潔で、季節の移ろいを花暦で17図を描

く。今回「華古与見」の枕絵は、最初か

ら順に1図から3図になる。

 

Enjoy薬膳料理

女医と食べた薬膳料理の3番目が鮭の揚

げ物と香りソースだった。

冬は五臓の腎の働きが弱りやすくなる季

節で、塩味のあるかん味の食材や体を温

める食材をとることが大切という。

食材の赤色は免疫力を高め、リンゴは腎

に帰経し、鮭はからだの疲れをとり、癒

してくれる。

 

 

 

Enjoy「花古与見(色むすめ)」

浮き世の夢のなか。

何が食べたいかと尋ねられ、綺麗で好き

なあなたをという。真っ白い肌の温もり、

に快い夢の景色が紅く染まり、

ああ、いい、〱 いいよ。

また、お願いしますとフウ 〱

いい、 〱 いく 〱 と絶叫し果てる。

夢のなかの腎張りのぼくは、女医に起こ

されて食事に出かける。

 

 

2023.12.18

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