東京国立近代美術館の

「生誕120年棟方志功展

メイキング・オブ・ムナカタ」

の展覧会に行って来ました。


その①からの

つづきより〜



版画というのは

板にインクを塗りその上からバレンなどで

刷るので

紙には左右反転したものが写されます。

棟方志功が詩文などをどの様に彫っているのか
とても疑問に思っていた私ですが…
この展覧会でその謎が解けました。

普通に墨などで下絵を板に描き
木を彫る。
そのあと、湿らせた和紙の上から墨の付いた
タンポで叩いて刷っているそうです。


1942年頃より
棟方志功は版画のことを「板画」と呼び
この言葉には
板の性質を大事に扱い木の魂を生み出していく
という想いがこめられています。


棟方志功の座右の銘は
武者小路実篤の
「この道より我を生かす道なし、この道をゆく」
だったそうで
板画にこそ自分は生かされているのだと
信じて信念を貫いた志功さんが
伺い知れる言葉だと思います。
「勝鬘譜善知鳥版画曼荼羅」
青森を舞台とした謡曲「善知鳥」に
題材をとった作品31柵のうちの9柵。
第二回新文展の特賞に輝き、官展における
版画が受賞を果たした初の快挙となったことで
版画の地位を向上させることに貢献した作品。

そして…

「東北経鬼門譜」
120枚の板木を使った10メートルもの屏風
佐藤一英の詩
「鬼門〜ある巫女の呪文」
自然災害や飢饉に苦しむ東北への詩を
絵で表現した作品


屏風の両側から中央の仏様に向かうほど
白い部分が多くなって明るい絵となっており
中心の仏様は自身の身体を二つに分断し
その中心を悪が通り抜けることで
浄化を表す。

折りたたむ事により
絵柄の雰囲気が変わるという面白さも
屏風ならではの作品。


「門舞男女神人頌」
壁一面に展示された神人は
圧倒される展示。
近くで見ると
木目もよく分かります。


「幾利壽當頌耶蘇十二使徒屏風」
これは珍しく仏教ではなくてキリスト教の
十二使徒が描かれています。



そして力強い書。
「慈潤」とは仏教用語で仏の慈悲と知恵によって
衆生を潤すことを意味します。
たっぷりと墨をつけた筆で
描かれたこの書に
大らかな志功さんのお人柄が
現れている気がします。

→その③に続きますウインク

  花 花 花 花 花
 

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