今日は俳句。
日本には季節を表す美しい言葉がある。
晩秋【烏瓜】
ウリ科の多年草。山野に自生する蔓草。
夏に白いレースのような 花を咲かせ
秋に実をつける。実は卵形で、
縞のある緑色から熟して赤や黄に色づく。
【子季語】
王瓜、王章
【例句】
籠塀や杉皮朽てからす瓜・森鴎外
藪先や暮れ行くとしの烏瓜・一茶
行く秋のふらさがりけり烏瓜・正岡子規
秋風をわづかに染めぬ烏瓜・原石鼎
食卓にあり食べられぬ烏瓜・山口誓子
ぶらさがつてゐる烏瓜は二つ・種田山頭火
つなぐ手の温もりの色烏瓜・よしえ
烏瓜 1346/1365
父が脳梗塞を患ってから
母と歩くときは必ず
手をつないで歩いていました。
烏瓜の実を初めて知ったのは
幼い頃に父と母に連れられて行った
紅葉狩り。
なので烏瓜を見つけると
父を思い出します。
父の足を心配して手をつなぐ母と
ゆっくりと歩く後ろ姿
懐かしい温かい景色です。