金沢市は鈴木大拙(すずきだいせつ)
という学者の出身地です。
鈴木大拙は禅についての著作を英語で著し、
日本の禅文化を海外に広くしらしめた
「近代日本最大の仏教学者」(文学博士)です。
今回は、その「鈴木大拙館」を訪れました。
これは
パンフレットにもなっている景色。
カズ&モトの背中を披露?
館内は
「展示空間」
「学習空間」
「思索空間」
から構成されていて
シンプルで洗練されたデザイン。
余計な装飾が無く
「玄関の庭」
「水鏡の庭」
「露地の庭」
を回遊することで
学び、考えることを意図して建築されています。
展示空間には鈴木大拙の書が展示されていて
その言葉の奥にある思想が
説明書に書かれています。
説明書を読みながら書に臨むと
単純に言葉で理解していたのとは
また違った世界が広がります。
学習空間は本棚と本を読めるスペースがあり
禅の精神を読み解けるような
いろいろな書籍があったのですが
その中には
小さな子供達にも
禅の考え方について
わかりやすく理解してもらえるように(?)
絵本も置いてあり
「りんごかもしれない」
ヨシタケシンスケ 作
ブロンズ新社
を手に取りました。
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ブロンズ新社のHPより
テーブルの上にりんごがおいてあった。
......でも、......もしかしたら、
これはりんごじゃないかもしれない。
もしかしたら、大きなサクランボのいちぶかもしれないし、
心があるのかもしれない。
実は、宇宙から落ちてきた小さな星なのかもしれない......
「かんがえる」ことを果てしなく楽しめる、発想絵本。
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はじめて読んだ絵本でしたが
我が家の高校生も大学生もはたまた
おじさんもクスクスと楽しめる絵本でした。
りんごはりんごじゃないかも…
という発想は
鈴木大拙の
『一見当たり前のことのように思われるが
あらゆることは、身を持って体験しない限りは、
私たちは決して本当には分からない』という言葉にも
繋がるように思えて。
この場所に在ると
本屋さんで読むのとはまた違った深い見解で
捉えることができました。
思索空間内部は
とても落ち着く空間で
外の景色を眺めつつ
瞑想が出来る椅子畳が四方に置いてあります。
壁が切り取られた中央の入り口から見える
水鏡の庭の波形を眺めているだけでも
雑念が消されるようで
静かな時間が流れていきます。