金沢市は鈴木大拙(すずきだいせつ)

という学者の出身地です。

 

鈴木大拙は禅についての著作を英語で著し、

日本の禅文化を海外に広くしらしめた

「近代日本最大の仏教学者」(文学博士)です。

 

今回は、その「鈴木大拙館」を訪れました。

 

これは

パンフレットにもなっている景色。

 

 

  

カズ&モトの背中を披露?



館内は

「展示空間」

「学習空間」

「思索空間」

から構成されていて

シンプルで洗練されたデザイン。

 

 

余計な装飾が無く

「玄関の庭」

 

「水鏡の庭」

 

「露地の庭」

を回遊することで

学び、考えることを意図して建築されています。

 

展示空間には鈴木大拙の書が展示されていて

その言葉の奥にある思想が

説明書に書かれています。

説明書を読みながら書に臨むと

単純に言葉で理解していたのとは

また違った世界が広がります。

 

学習空間は本棚と本を読めるスペースがあり

禅の精神を読み解けるような

いろいろな書籍があったのですが

その中には

小さな子供達にも

禅の考え方について

わかりやすく理解してもらえるように(?)

絵本も置いてあり

 

「りんごかもしれない」

ヨシタケシンスケ 作

ブロンズ新社

 

を手に取りました。

りんごかもしれない りんごかもしれない
1,512円
Amazon
本の内容は以下の通りです。
 

ブロンズ新社のHPより

 

テーブルの上にりんごがおいてあった。

 ......でも、......もしかしたら、

これはりんごじゃないかもしれない。

もしかしたら、大きなサクランボのいちぶかもしれないし、

心があるのかもしれない。

実は、宇宙から落ちてきた小さな星なのかもしれない...... 

「かんがえる」ことを果てしなく楽しめる、発想絵本。

お絵描きシートのダウンロードはこちら→

 

はじめて読んだ絵本でしたが

我が家の高校生も大学生もはたまた

おじさんもクスクスと楽しめる絵本でした。

 

りんごはりんごじゃないかも…

という発想は

鈴木大拙の

『一見当たり前のことのように思われるが

あらゆることは、身を持って体験しない限りは、

私たちは決して本当には分からない』という言葉にも

繋がるように思えて。

この場所に在ると

本屋さんで読むのとはまた違った深い見解で

捉えることができました。

 

思索空間内部は

とても落ち着く空間で

外の景色を眺めつつ

瞑想が出来る椅子畳が四方に置いてあります。

壁が切り取られた中央の入り口から見える

水鏡の庭の波形を眺めているだけでも

雑念が消されるようで

 

 

静かな時間が流れていきます。