欲しいものは
何でも買ってしまう
夫はそんな男でした。

洋服はもちろんの事
アクセサリー
ベルト
バッグ
サングラス
(殆ど度がはいっていない)眼鏡
とにかく必要以上にありました。

スーツも、多分20着以上
あったと思います。
礼服でさえ、5着ありました。

カフスも3つありましたし、
靴に至っては
シューズボックスの
3分の2は夫のものでした。
クローゼットも夫の服ばかり。
そして安いものはありません。

クローゼットに入りきらなくなると
こっそり捨てます。
そして新しいものを買います。
これも断捨離というのでしょうか‥‥

夫が整理したものは
ゴルフ場の会員権でした。
1つは息子に名義変更しました。
もう1つは弟に。
(弟には売ったようです)

夫は
『治療をしても
ゴルフが出来る身体には
戻らないだろう』

『もう、ゴルフはやり切った
後悔は無い』
と、言っていましたキョロキョロ

がんセンターで
正式にがん告知されてからです。
あのCT画像を見ても、
治ると思っているのだなぁ‥‥
不思議でした。

この時に、癌は
至る所に転移していました。

肝臓、膵臓、腎臓、
食道付近のリンパにも
散在していました。

骨盤には
かなり大きなものがありました。
原発は肺でしたが
肺には目に見えるものが数個。
かなり小さいものでした。

背中が痛いと言っていましたが、
それも肺からの転移でした。
マッサージに通って
いましたがよくならないはずですよ。
肉離れだと言われたようです。

近くのクリニックで、
医師に伝えた
下腹部の大きなデキモノのようなもの。
それももちろん転移でした。
画像にはかなり大きく
写っていました。怖いくらいに‥‥

そして脳🧠
転移がかなりありました。

そして、頭皮にも米粒くらいの
粉瘤のようなものもありました。
これも癌でした。

日赤🏥では
うちでは手に負えないと言われ、
がんセンターでも、
治療は出来ないと言われた夫。

それでも、自分は
この先、静かにひっそりと
生きていけると思っていた夫。

もともと想像力も
予測する力も無い人でした。

それはそれで
良かったのかもしれませんね。

夫の行った生前整理は
ゴルフの会員権のみでした。