今回は、具体的なデータを使い、フィッティングを試みます。
初回から、言っていますが、折角なら、子牛の成長(体重)曲線を使う方が良いでしょう。
で、こんなデータを使います。
xは日齢、yは体重です。
このデータを用いて、直線のaとbを、前回の式を用いて、求めてみます。
小生は、楽なのでEXCELを用いました。
結果的に、a=1.204463、b=-17.16733という結果を得ました。
つまり、このデータは、
という直線でフィッティング(近似)できたということになります。
早速、この直線がどれほど、データにフィットしているか、可視化してみます。
青い点が、データをプロットしたもので、桃色の線が、フィッティング直線です。
当たり前ですが、ほぼドンピシャです。
ここで、直線の式のx(日齢)に、例えば、300を代入してみると、
という結果になり、300日齢のころは、344.2kgほどになっているはずと計算できます。
つまり、外挿できた(未来が予測された)わけです。
但し、お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、x=0とした場合、y=-17.16733となってしまいます。
つまり、生まれたときの体重が、マイナスなんていう、ありえない値になってしまうわけです。
ですから、この直線を利用できるxの範囲は、せいぜい120(4ヶ月齢)くらいから(実際、どこまで使えるかは不明です)と、お考え下さい。
皆さんも、このようにして、データを測定して、セリ市の頃の体重を予測してみては如何でしょうか。
最後に、肉用牛には、DG(Daily Gain)という指標があります。
DGとは、生まれたときの体重を、雄は30kg、雌は28kgと推定し、現在の体重との差を日齢で除した数値です。
去勢(雄)で、1.0~1.3程度、雌で0.8~1.1程度の値が標準と思われます。
これはこれで、指標にはなりますが、実際、生まれたときの体重は、ばらばらだし、測定にはかなりの誤差を含むわけです。
そこで、思うのです。
この直線の傾きa(今回のデータでは、1.2ほど)が、本当のDGなのではないかと。