いやぁ~、先月末から、先日まで、気持ちの良い天気が続いていました。

まぁ、正確には、大変暑い日々でした。

当然、この時期、牧草の収穫になるわけです。

牧草(この時期は、ヒエです。)を切り、干して、乾草にし、それをロール状に梱包し、ラップして、長期保存が出来るようにします。

ほぼ、連日、その作業に追われ、お陰で、ほんの少しですが、痩せましたねぇ。

まさに、Make hay while the sun shines.ってわけです。

 

少し前の記事に、県が作成した口蹄疫のDVDの話をしましたが、コピーに関する話は、未だに、県からは、何の音沙汰もありません。

まだでしょうか、待っているんですが。

そうこうしているうちに、JA全中が作成したDVDが届きました。

 

これです。

「畜産は宝だ!」

口蹄疫に負けない日本の畜産をみんなの力で

企画   JAグループ 家畜疫病にかかる全国団体対策本部

事務局  JA全中

製作   全農映(株式会社 全国農村映画協会 ) 

値段   2000円(本体)+210円(送料?手数料?)=2210円

Cowboy@ebinoのたわごと

 

内容はというと、まず、チャプターが3つあります。

Part1 啓発編    「口蹄疫ウィルスから農家と産地を守るために」  17分

    ・見えない敵口蹄疫ウィルス

    ・口蹄疫は、牛から豚へ

Part2 日常管理編 「口蹄疫から農場を守る日常の防疫管理」     15分

    ・消毒剤の効果的使用法

    ・徹底した日常の防疫管理

Part3 初動対応編 「疑似感染家畜の早期発見方法」          16分

    ・口蹄疫の特徴 病理解説

    ・口蹄疫初発の症状 農家と獣医師の証言

    ・牛から豚への感染拡大

    ・適切な初動対応で口蹄疫の感染拡大を防ぐ

 

全体的な印象は、県作成のDVDよりも、細かいミスは見当たりません。

一つだけ、字幕スーパーが、「畜種」となっていましたが、喋っている人(帝京科学大学 村上洋介教授)は、明らかに、「宿主」と言っています。

畜種と宿主は、意味が違うと思います。


啓発編では、かなり目を背けたくなるような映像も含まれています。

しかも、このDVDのどこにも、15歳以下の閲覧に注意を払うことを喚起する文言はありません。

県作成のDVDは、コピー禁止の理由に、PG15相当の内容であるからと県庁の職員は、話しておられましたが、その映像よりも印象としては、刺激が強いと思います。

有料であることで、広く出回ることはないかもしれませんが、この映像、購入さえすれば、中学生以下でも目にすることは、可能です。

この辺り、県職員とは、少し、感覚が違いますね。

どっちが、良いのか、意見が分かれるでしょうが、小生は、畜産農家の子供や獣医師を目指す若者は、見てもよいのではないかと考えます。

 

それにしても、埋却は、1頭1頭、丁寧にされていたんですね。

 

作業員の方には、心から敬意を表したいです。

いつ終わるとも分からない、命を絶ち、埋めるという作業を、蒸し暑い中、従事された方々には、言葉もないです。

 

それから、はっきりと証言として聞いたのは、初めてでした。

「道路に近い牛舎から、感染している。」

「豚では、飛沫感染による面での感染拡大があった。」

やはり、道路は、感染の拡大に寄与しているようです。

そして、豚への感染は、飛沫感染を引き起こすわけで、もうそれだけで、蔓延を意味するということですね。

ですから、豚への感染は、何としても阻止しなければならないわけです。

 

目新しい工夫もありました。

一つは、ゴム長靴の底を洗う工夫です。

靴底より、一回り大きなブラシを逆さま(毛が上に来るように)置き、ブラシを動かすのではなく、長靴をブラシの上において、前後に動かして、きれいにする方法です。

二つ目は、消毒踏み込み槽のフタの工夫です。

雨天や木々の枝葉、その他の飛来物が、消毒液の中に入ってしまい、いつも往生していました。

簡単な木製のフタを作り、その上部に、バンセンで取っ手を付けておくわけです。

そうすれば、踏み込むときだけフタを取り、終わったら、また、フタをすれば良いわけです。

どうして、気付かなかったのか。う~ん。

 

全体を通して、感じることは、「忘れない」ということと、「口蹄疫ウィルスの多様性」ということでしょうか。

あの禍が、人々の記憶から風化してしまうことは、大変、怖いことですね。

そのためにも、このDVDは存在する意義がある。

何百冊もの本に書かれてあるよりも、映像の力は、このような場合、発揮されます。

DVDをほんの少し、見るだけで、忘れないですみます。

定期的に、見ることは必要ではないでしょうか。

 

RNAしか持たない多様性に富む口蹄疫ウィルス、教科書に載っている症状が出るかどうかは、そのウィルス次第。

今回のウィルスは、Oタイプでした。

口蹄疫という割りに、牛の蹄部には、殆ど、症状は出ていません。

初発の症状は大変発見しづらい訳です。

典型的な症状(水泡、潰瘍、ビラン、流涎など)が1頭出たときは、もう、その牛舎の牛は、全て感染しているとみても過言ではないのです。

ですから、早期発見で封じ込めるということは、至難の業のようです。

やはり、我々には、消毒の徹底しかないのでしょう。

発熱(微熱)、食欲減退、沈鬱という症状は、あくまで、目安な訳です。 

 

この写真は、台風の影響が少し感じられた9月1日の夕方の虹と光る雲です。

とても、幻想的だったので、作業途中でしたが、思わず、携帯で撮ってしまいました。
Cowboy@ebinoのたわごと