私が小さい頃、そして、20歳を過ぎ、家を出る時まで、母からしつこく言われ続けた言葉がある。

「あんたが困るんやで!」

学校の宿題をしようとしなかった時。
次の日の授業の準備を確認しなかった時。
りんごの剥き方を教えてくれても、包丁を持つのが怖くて、りんごを剥こうとしなかった時。
料理の仕方を伝授されても、母の夕食の手伝いをしなかった時。

うちの母の物言いは、洒落にならない程キツか-+った。
「あんたが困るんやで!」
最後はこの決め台詞で、渋々、母の命令に従ってた。
母の決め台詞は、恐怖政治なみの威力を持っていて、言われるほどに心が折れた。
何度泣きながら、従ってきたことか。
面倒なこと、苦労なんて何ひとつしたくなかった。

あれから、随分時間が過ぎた。

病的に物忘れの激しい私でも、物忘れは結構減った。←結構減った程度なので、完全に無くなった訳ではないが。
自分でも気が遠くなるほど不器用なのに、料理も裁縫も人なみにこなせるようになった。

一緒に暮らしてた頃は、命令だと思ってた母のお小言。
厳しかったけど、優しいだけが「愛」じゃない。
逆に優しいだけなのは、内面が無関心だったりすることを知った。

自分の幸せだけしか考えられない人。
生きる上でお金が何より大切だと思う人。
人を蹴落としたり、見下しても、自己の誇りを守りきろうとする人。
全てが私にはあった。
でも、それがすべてではないと知った。

故郷が息苦しくて、離れた二十代。
東京が居心地が良いと感じた三十代。
色んなことがあって、実家に帰ろうと思った三十代後半。
なのに、トラッシュに拾ってもらって、東京に留まった四十路の始まり。

演劇学校や養成所に通ったことがないままに、中津留さんを中心に先輩メンバーから様々なことを教えてもらった。
すでに長年のキャリアがある同期メンバーにも、ちょいちょい突っ込まれながら、演劇のことを教えてもらった。

そんな中、こんな作品に出会いました。

私はプロジェクターを担当します。

是非、観に来てください★

劇団青年座 第121回スタジオ公演
『シンクロナイズド・ウォーキング』
2016年11月1日(火)〜 6日(日)

特に、誰に紹介されたでもなく、自分が行動し、自然と繋がった仕事。

ぶっちゃけ、ギャラにはならないけれど、未来の自分に繋がる学びになる現場。

たとえ一回、二回失敗しても、この現場を選んだことは後悔しない。

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劇団青年座 第121回スタジオ公演
『シンクロナイズド・ウォーキング』

足並みぴったり、息あわせて。
二人そろって歩くのは、むつかしい。
のびやかに、したたかに、踏み出す一歩。
沈みかけた街に輝く、ショウガイ者と健常者の物語。

作:清水弥生
演出:西山水木
企画・製作:吉田はるみ

《出演者》
佐野美幸,坂寄奈津伎,日高奈留美,渕野陽子,有馬夕貴,野々村のん,大須賀裕子,吉田はるみ
,名取幸政,佐藤祐四,中野亮輔,浦田昌和(豪勢堂),藤崎卓也(大沢事務所)

《タイムスケジュール》
◉1日(火)19時〜
◉2日(水)19時〜
◉3日(木)14時〜
◉4日(金)14時〜/19時〜
◉5日(土)14時〜
◉6日(日)14時〜

全7回公演
※開場は上記の開演時間の30分前

《入場料》
◉当日・・・4,500円
◉前売り・・・4,000円
◉25歳以下の方/70歳以上の方・・・
3,000円(身分証明書提示)

《劇場》
青年座劇場

《アクセス》
◉小田急線[代々木八幡]南口改札
◉千代田線[代々木公園]1番出口
どちらも徒歩1分