205.太陽さん
オリジナルバージョンは'97年リリースの玉置さんの代表作品の一つであるアルバム"JUNK LAND"のオープニングを飾った民族音楽的な力強いビートが印象的なミディアムナンバー。
メッセージ性が全面に出ているリリックも印象に残るナンバーですが、安全地帯のリメイクでは、一段と玉置さんのボーカルを引き立てるようなバランスでのバンドサウンドを構築しているおかげで、安全地帯ナンバーとして独特の雰囲気、存在感を醸し出している。
楽曲そのものも聴いていて聴きやすいメロディーとロックの持つ重厚なサウンドのカッコ良さを体感できるナンバーで構成されていて、その後ライブでもパフォーマンスを楽しみにされるオーディエンスが多くいらっしゃるのも納得のキラーナンバーという一面もある楽曲だとも思います。
その中でも聴くたびに目を引くのは、どことなく乾いたような感覚で、どことなく鋭くタイトなリズムに融合している感のある矢萩さんのギターソロ。
全体を含めてそうだが、さりげなく玉置さんのソロ作品との違った一面を提示することによって、安全地帯としてリメイクになった意義を表示しているように感じさせられる。
資料1.'15年から不定期だが放送され続けているテレビ番組”玉置浩二ショー"でも演奏される”太陽さん"。玉置さんの活動を振り返る際に外せない一曲だとも感じます。
206.闇をロマンスにして
心地よいメロディー、軽快なビート、玉置さん得意のさまざまな声での多重コーラスにと、オリジナルバージョンの曲の聴きどころをそのまま取り入れた純粋なセルフカバーで提示された安全地帯のリメイクバージョン。
一聴して先ず目に行くのは、オリジナルバージョンでは宅録的で打ち込み的なリズムが全面になっていたのに対し、安全地帯のリメイクバージョンではバンドサウンドを全面に展開。
その中でもドラム 田中裕二さんの独特の間で"ド ド ドッ〜"と繰り返して展開されるタムワーク。
コアなファンの中には、聴いた瞬間に安全地帯の音だあーと妙に安心感を感じられる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
今では生では聴く事のできない田中さんの"間"、空気感を感じさせる、そういった意味では見逃せないリメイクバージョンだと思います。
資料2.独特の雰囲気に、間、空気感にと安全地帯サウンドは田中さんのリズムによっての部分も多いと気付かされる。”闇をロマンスにして"の安全地帯のリメイクバージョンはそういった一曲の一つだとも思います。
109.All I Do
’87年7月25日にリリースされた玉置さんのソロデビュー曲を安全地帯でリメイク。
オリジナルバージョンでは玉置さんのボーカルをベルの音色や'80年代的なデジタルでモダンなサウンドで包み込むような奥行きあるサウンドでアプローチされていましたが、安全地帯のリメイクバージョンでは気品あるクラシックのようなデジタル的ではない生々しいサウンドで玉置さんのボーカルを全面に出すという展開。
凄く上品でありながら、どこか華やかな一面もあり、そして音の奥行きも感じられる。改めて曲事態の隙のない完成度の高さが捉えやすいリメイクバージョンに仕上がっている。
その中でも印象に残ったのは、一見上品で物静かな音色の武沢さんの間奏での生ギターでのソロ。
聴くタイミングや、捉え方などで哀愁さを感じさせたり、聴いていて迫ってくるような緊張感を感じさせたり、はたまた貴賓ある上品さが伺えるセレブ感を感じさせられたりと、同じ音色のギターソロでも、まるで万華鏡のようにさまざまな表情が浮かび上がる辺り。
武沢さんのギタリストとして懐の広さを感じさせられる辺りは見逃せないポイントの一つで、今作品がリメイクアルバムではなくオリジナルアルバムとしてカウントされている事の回答の一つのようにも感じます。
資料3.さまざまなスタイルのギターサウンドの武沢さん。その存在は唯一無二で、まるで万華鏡のよう。矢萩さんとのツインギターからなる音のマジックを楽しめる。安全地帯の魅力の一つだと思う。
291.プレゼント
オリジナルバージョンは'05年11月2日に、玉置さん自身が出演されたドラマ"あいのうた"の主題歌としてリリースされ大ヒット、玉置さんの'00年代を代表する一曲ともいえる穏やかで優しい感じのメロディーが人気のバラードナンバー。
安全地帯のリメイクバージョンでも、オリジナルバージョンを忠実に再演され、優しく温かみあるサウンドを構築。
隙間のない感覚のリズムに、丁寧にきめ細かいガットギターにと、オリジナルバージョンとは違う安全地帯としての主張がさりげなくされていて、楽曲そのものを違った観点で楽しめるリメイクバージョンという一面もあるリメイクだとも感じます。
オリジナルバージョンがリリースされた時期は、個人的にちょうど慌ただしい時期からひと段落してゆっくりと音楽を楽しめるようになってきた時期だったのでじっくりと聴きこみ思い入れのある曲なので、こうしてオリジナルバージョンを忠実に再現した安全地帯のリメイクバージョンは大歓迎なのですが、他の曲のように一目でリメイクの変化を期待されていた方々にとってはもう一捻り欲しかったリメイクバージョンかも知れませんね。
安全地帯バージョンのアップデートされた箇所を探求しながらじっくりと聴き込みたいリメイクバージョンだとも感じます。
192.メロディー
玉置さんのボーカリストとしての再評価が高まっていく要因になったナンバーとして、またさまざまなアーティストがカバーで取り上げるなど令和になって国民的スタンダードナンバーになった感のある、今更説明不用の名曲の安全地帯によるリメイクバージョン。
オリジナルバージョンでは武沢さん以外の安全地帯のメンバー4人でレコーディングされたナンバーだったのですが、武沢さんを加えて再構築したリメイクバージョン、パズルの最後のピースが加わったような一本筋の通ったようなバンドとしての一体感を感じさせるリメイクバージョンに仕上がっている。
アルバム”安全地帯IV"のオープニングナンバーにもなった”夢のつづき"のようなまろやかなサウンドの中でも、決めるとこはきめ、メリハリをつけてのサウンドを展開していく安全地帯のバンドとしての魅力が捉えやすい一面が発揮されているリメイクだとも思います。
このアルバムリリース後、"メロディー"は急速にスタンダードナンバーへと駆け上がっていくことになるのだが、その道のりで外すことの出来ない意義のある安全地帯でのリメイクバージョンだったのではないでしか?
資料4.37年振りの紅白で話題をさらった'22年の大晦日の紅白では"I Love Youからはじめよう"の演奏の前に”メロディー"は演奏をされ、更にスタンダード化していきました。
最後に一通り聴いてみて、安全地帯としては初めてレコーディングした玉置さんの概初曲のリメイクアルバムなのに何故オリジナルアルバムでカウントされたか?という点について型にハマらず、形にこだわることなく安全地帯としてやりたいようにやる、だからオリジナルアルバムとしてリリースに至ったように感じさせる等身大の安全地帯の姿を捉えた”オリジナルアルバム"だと聴いていて感じました。
今回も長い投稿になりましたが最後まで目を通していただきありがとうございました😊
次回からはバラードナンバーをリメイクした30周年アニバーサリーアルバム"The Ballad House"を振り返ってみたいと思います。
またお時間ございましたら目を通して頂けると嬉しいです😃
引き続きよろしくお願いします🙇
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