329.結界



人類が存続し続ける限り、決して忘れる事のできない、未曾有の被害が発生した3月11日の東日本大震災。


"結界"は被害が膨大だった為、復興が進まず混沌としていた'11年8月24日に、安全地帯として12枚目のオリジナルアルバム"安全地帯XII"のリードシングルとしてリリースされた、玉置さんソロ作品のようなポジティブでありながら、包み込むような包容力をどことなく感じさせられるアグレッシブなミディアムナンバー。


アルバムのリードシングルとしてリリースされた事もあり、シングル盤として大々的にプロモーションをしなかった為か、オリコンチャートでは最高59位に止まったナンバーですが、聴いていてポップなサウンドにのせた熱いメッセージが印象的な楽曲で、聴きやすい作品に仕上がっている影響からか、幅広い層の音楽ファンの方たちに支持されるナンバーになっている。


また"結界"というタイトルは本来持つ"境界線を持つ"という意味ではなく、"垣根に取っ払って一つになるという意味を込めているとのこと。


楽曲そのものは元々はもう少しゆっくりしたテンポの作品だったが、テンポをあげる事によってポップな作風に変貌したナンバーで、玉置さんは完成時に「この曲は大化けした。」とのコメントもされています。


’70年代の青春ドラマの主題歌にでも登場してきそうな洗練されたコーラスワーク、小出しのように目立たないようで聴いたら頭から離れないキーボードなどもバランスよく散りばめられていて、曲をカラフルに彩るアレンジにも注目して聴いてみたい一曲だと思います。



資料1.楽曲に合わせてポジティブでドラマ風なMVも作成された。





194.田園



過去の作品のリマスターや紙ジャケットでのリリースに、大胆なアレンジでのリメイクに、キャリアを統括したコンピレーション盤のリリースに、キャリア全作品サブスク配信と、不思議と安全地帯はある程度旬が過ぎたタイミングでリリースされる感のある安全地帯。


あまりみんながすることは率先してしない安全地帯ですが、グループ内のメンバーのソロ作品をリメイクするといった誰も思いつかなったリメイクバージョンを、このタイミングで敢えてリリースした感のある、ソロキャリアを代表するナンバーのリメイクバージョン。


果たしてどうなるか?前代未聞の事だけに、半信半疑な楽しみとなんともない感覚で聴いてみた記憶があります。


ただしそういった不安要素は、曲のイントロを聴いた瞬間に一掃されました。


そう感じられた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?


不安が一掃された主な要因として、個人的に感じさせられたのは、オリジナルバージョンの玉置さんのソロバージョンでは、玉置さんが1人でほぼ全楽器をプレイしていて、どちらというと楽曲そのものの魅力を捉えやすいバージョンだったのに対し、安全地帯セルフカバーバージョンは、バンドとしての音が束になって迫ってくるような一体感を感じさせられる演奏が印象的なバージョンに仕上がっているように感じさせられる。


要所要所でエッジの効いたサウンドで楽曲を趣きを与えた感のある矢萩さん、武沢さんのギターに、ずしりと山の如く構えた感の六土さんと田中さんのリズム隊に、パワフルに濃厚に展開される玉置さんのボーカルが束になって迫ってくるサウンドは安全地帯ならでは。


バンドの底力を体感させられるリメイクバージョンだと思います。



資料2.震災で甚大な被害を受けた、岩手県石巻市

玉置さんは現地にいき、"田園"を歌唱。

多くの人々を勇気づけた。


新曲と玉置さんのソロでの代表曲のリメイクでリリースされた"結界/田園"のシングル盤ですが、'11年は東日本大震災で被災された多く方々に勇気を与えたい、なんとか歌で力になりたいと感じ多くのアーティストが激励のメッセージを込めた素敵な作品をリリースされた時期でした。


この"結界/田園"もそうした素敵な作品と共に、ファンのみならず多くの方々に勇気が届いた作品だとも感じます。



今回も長い文章になりましたが、最後まで目を通して頂きありがとうございます😊


次回からは、オリジナルアルバム"安全地帯XII"を振り返ってみたいと思います。


またお時間ございましたら目を通して頂けると嬉しいです😃


引き続きよろしくお願いします🙇


https://open.spotify.com/album/4vOEfZDM8XYt4ZTTpGNbhz?si=NAUwgL2iQa2l4hknA8kKgg