105.じれったい




安全地帯として"完全復活"を宣言するツアーのオープニングを飾ったのは、リメイクアルバム"安全地帯HITS"と同じくファンキーで聴いていて高揚感が湧いてくるこのナンバーでした。



聴いていてインパクトがあり、ある程度派手さがあり、オーディエンスに馴染み深い曲となるとやはりこの曲になるのだなぁと妙に納得させられる熱くアグレッシブな演奏が印象に残るライブバージョンに仕上がっていると思います。



資料1.ステージに浮かび上がる"安全地帯"の文字と共に、ジワジワと盛り上げていくオープニングは実にスリリング!




その中でも特に注目して聴いてみたいのは、中盤での間奏ブレイクの際に、巧みに高音を交えながらシャウトする玉置さんのパフォーマンス!



玉置さん自身が、安全地帯の再始動のキッカケになったとおっしゃっていた’09年に他界されたマイケル・ジャクソンさんへのオマージュ、リスペクト溢れるパフォーマンスで、いかに玉置さんがさまざまな音楽を心から敬愛しているかというのが伝わってくるグッドパフォーマンスだと思います。



資料2."完全復活ツアー"に先駆けてのテレビでのパフォーマンスでの一コマ。"じれったい"は演奏を繰り返し、ここから徐々にライブ仕様にアップデートしていった。





36.熱視線




前曲"じれったい"からなだれ込むように展開されるライブバージョン。



こういう立て続けにダイナミックな演奏を展開されている様子を垣間見ると、改めて安全地帯はライブバンドだなあと実家させられる。



オリジナルバージョンより、曲のテンポを上げスピード感をつけ、パンキッシュなサウンドに展開されてて、こういう辺りは安全地帯がステージを常に変化、アップデートを求めながら構築しているという一面も伺える辺りも見逃せない。



近年のライブではすっかりと定着された感の曲間のブレイクでのパフォーマンス!



改めて聴いてみると、現状なかなか難しい面もありますが、安全地帯としてのライブをもう一度体感してみたいと思わずにいられないライブバージョンだとも思います。



資料3."熱視線"での妖艶なライブパフォーマンスより。再び安全地帯としてのライブパフォーマンスをみたいと思わせる圧巻のパフォーマンス。




70.好きさ



やや重厚さを全面にした田中さんと六土さんの弾き出すビートに、間奏での競い合うようなアグレッシブなギターソロを交互に繰り返す矢萩さんと武沢さんのギタープレイが印象的で、うまくハードロック風に変貌を遂げた演奏のライブバージョン。


一見ルーズにみえて、キメるところはきちんとキメる安全地帯らしいバンドサウンドがたまらない。


聴いていて、こんなに情熱的な作品だったのか?と感じられた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?



資料4.中盤の間奏での矢萩さんと武沢さんの交互に展開されるギターソロ。音の分離がくっきりした今作ならではのリアル感を堪能できる熱い演奏だと思います。



その中でも見逃せないのは、オリジナルバージョンより一段と熱い情景が伝わってくる、玉置さんの熱唱。まさに一曲入魂と言った感じで、決して本調子ではなかった玉置さんのボーカルだからこそ伝わってくる見逃せない一場面と言っていいのではないかと思います。





49.プルシアンブルーの肖像



やや重くのしかかってくるようなビートに、重厚で濃密さを感じさせるギターサウンドと、改めてロックナンバーだったという事を気づかせられるアップデートが伺えるライブバージョン。



さまざまなスタイルの音楽を消化してきた彼等だからこそ演奏できるといった懐の広さを感じさせられるバンドサウンドをじっくりと聴きこみたいと感じさせる演奏も重要なポイントだとも思います。



本作品は映像作品が先行リリースされ、追って音源リリースという展開だった為か、ステージ上での玉置さんがオーディエンス一名に対して、熱く抱擁するパフォーマンスがどうしてもクローズアップされがちですが、間奏での武沢さんの濃密できめ細かく、聴いていて熱量を感じさせられるギターソロなど、音だけでも聴きどころ満載のライブバージョンだと思います。



資料5.映像作品で確認できる玉置さんが観客の女性1名に対して、"もぉ 離さない"と熱い抱擁をするパフォーマンス。





96.銀色のピストル



次に登場したの’86年12月にリリースされた超大作''安全地帯V"のアナログ盤でいうDISC.3のオープニングを飾ったスリリングなロックナンバー。



ここまでアルバム"安全地帯HITS"の曲順にての演奏だっただけに、いきなりこの曲の登場という事で、ある意味サプライズな選曲のように感じさせられる。



’87年のライブ作品以来、実に23年振りにライブ作品に登場した"銀色のピストル"ですが、前回がホーンセクションにコーラスなど、サポートメンバーを多く携わっていてゴージャス感を感じるライブバージョンだったのに対し、本作品では安全地帯のメンバーの他に、キーボード 川村ケンさん

ピアノ 松田真人さんと少ない編成で、余分な部分をすり落としながら、ロックバンドならではのスリリングさを展開しての演奏が目にとまりました。



その中でも、ややヘビーでブルージーな矢萩さんの間奏でのギターソロは、その後、この"銀色のピストル"がライブで演奏されていくに連れて、カッコよく進化して行く過程に繋がっていった名演だと思います。


進化していく安全地帯サウンドをイメージしながら聴き込みたいライブバージョンの一つだと思います。



資料6.安全地帯として久しぶりのライブアルバムになった本作。矢萩さんのギターをはじめ、生々しいサウンドが聴ける作品に仕上がっている。





20.マスカレード



前曲"銀色のピストル"のアグレッシブな演奏を継続するかのようになだれこみ、オリジナルよりテンポを早めながらの疾走感を全面的に取り入れたオープニングが印象に残るライブバージョン。



じっくりとリズムをキープしながらダイナミックさとウェット感を演出する、安全地帯独特の妖艶な雰囲気のサウンドは影を潜めている。その分、パンクロックのような軽快で乾いたようなを構築した音で疾走感を感じさせるサウンドを用いて全く違ったアプローチを展開。



正直、最初に聴いた時にはオリジナルバージョンの持つ雰囲気が損なわれている部分のみに集中してしまいあまり馴染む事が難しいライブバージョンでしたが、何度と聴いていくうちに、こういうアプローチもありかな?と客観的に捉えられるようになりました。



はじめはとっつきにくいライブバージョンかも知れませんがじっくりと疾走感などに注目しながら聴きこんでいただきたいライブバージョンだと思います。



資料7."マスカレード"の演奏は、オリジナルバージョンの雰囲気をあえて外しながら、新たなアプローチを展開したという面において、その後ライブを継続するにあたり見逃す事の出来ないポイントだったようにも感じます。






17.真夜中すぎの恋



どんなアーティストでもライブ終盤のクライマックスで絶対に外せないナンバーってあるかと思います。安全地帯にとってもそういったナンバーが存在するわけで、その代表的なナンバーの一曲として、先ず挙げられるのが"真夜中すぎの恋"ではないでしょうか?



普段は当たり前のようにショーに終盤のクライマックスナンバーであるはずの"真夜中すぎの恋"をショーの序盤に持ってきたという点をみてもお気づきになられるかと思いますが、玉置さんのボーカルをはじめ久しぶりのライブという事もあり、決して本調子というのには程遠いライブバージョンだと思います。



だがその本調子でない状態を、そのまま、ありのままの状態で形として残す事によって、ライブそのものの生々しい部分を捉えたライブバージョンになっていると肯定的に捉えられるバージョンになっているとも感じさせられる。



そんな状況下の演奏でありますが、要所要所でキメるところはキメて、決してイケイケの演奏にせず整えてくる辺りを聴いていると安全地帯の演奏力の底力を感じさせられる。



そういった辺りも集中して向き合いたいライブバージョンだと思います。


資料8.決して本調子ではない中、バンドとしての底力を感じさせられる熱い演奏が展開された"真夜中すぎの恋"。




123.月に濡れたふたり




オープニング"じれったい"から"プルシアンブルーの肖像"までの展開に、前曲"真夜中すぎの恋"からこの"月に濡れたふたり"に続いていく展開にと、ライブ序盤はアルバム"安全地帯HITS"に収録されていたナンバーを重点にしてセットリストを作成していたいうのが伺える。



それにしてもライブで久しぶりに展開された"月に濡れたふたり"ですが、玉置さんの声の調子が決して本調子ではないのが良い方向に転んだのではないか?と感じさせられる。



オリジナルバージョンからのゆったりした中でのロマンチックな展開という部分はなりを潜めたライブバージョンになっていますが、その分ややかすれた具合の玉置さんのボーカルに、濃厚な矢萩さんのギターは磨きがかかっていて、楽曲がブルースの影響を感じさせられる一面も捉えやすくなったライブバージョンとも言えるかと思います。


さまざまな音楽をルーツにしながら、個性を発揮する玉置さんのメロディーメイカーとしての懐の広さも、このライブバージョンを通して感じさせられる、そういった一面にも注目して聴き込みたいライブバージョンだとも感じます。


資料9.オリジナルバージョンよりかすれた玉置さんのボーカルによって、また違う一面が捉えやすくなった"月に濡れたふたり"のライブバージョン。





318.蒼いバラ




完全復活ツアーをスタートするにあたり、オリジナルアルバム"安全地帯XI ⭐︎Starts⭐︎ またね...。"とリメイクアルバム"安全地帯HITS"と2つの作品をリリースしてツアーのスタートを切った安全地帯ですが、どちらかというと安全地帯のそれまでのキャリアを総括するといった意味合いもあってか、アルバム"安全地帯HITS"の収録曲を軸に展開された感のあるセットリストにおいて、満を持してという感じで、いよいよ当時での新曲にあたり"蒼いバラ"が登場。



シングル曲としては21世紀に入って唯一のオリコンチャートトップ10を記録した安全地帯らしい雰囲気の妖艶なメロディーを持つ佳曲という事もあり、その後のライブでも定期的にセットリストに加わる代表曲である"蒼いバラ"。



改めてじっくりと聴いてみると、この曲の最大のハイライトでもある中盤での武沢さんと矢萩さんのツインギターによるソロの応酬。



既にライブで初めてセットリストに加わったこの時期から既に完成されていて、安全地帯の魅力の一つでもあるツインギターの存在感を目の当たりに出来る秀悦なライブバージョンだと思います。



資料10.完全復活ツアー以降、ますます存在感を増していった武沢さんと矢萩さんの2人のギタリスト。ユニット"ワタユタケ"での活躍は、ある意味必然的な流れだったように感じます。




今回も長い投稿になりましたが、最後までお付き合い頂きありがとうございます😊


次回はアコースティックサウンドで往年のヒット曲を展開したDisc.1後半部分を振り返って投稿してみたいと思います。


またお時間ございましたら目を通して頂けると嬉しいです😃


引き続きよろしくお願いします🙇