26.恋の予感



既にシングル盤"オレンジ/恋の予感"で発表されていたリメイクバージョンがここで登場。



"Friend"、"碧い瞳のエリス"、そしてこの"恋の予感"と続いてくると、アルバムの豪華さ、重要度が増してきて、改めて安全地帯の楽曲そのもののクオリティの高さを感じさせられる。



近年コンスタントに開催されているライブにおいても、この作品の流れのようなスローナンバーを立て続けに演奏をして、存在感を感じさせる玉置さん、安全地帯のライブ。


"Friend"から続く3曲のスローナンバーの流れ。


安全地帯の存在感をたっぷり感じながら向き合って聴いて頂きたい。



資料1.作品全体を通して、病み上がりという事もあり、決して本調子ではない玉置さんのボーカル。それでもアルバム"安全地帯HITS"は独特の雰囲気、存在感を発揮した作品と言えるのではないでしょうか?






15.ワインレッドの心




前曲"恋の予感"同様、この"ワインレッドの心"もリードシングル盤"蒼いバラ/ワインレッドの心"で既に発表されたリメイクを収録。



いまさら言うまでもなく"ワインレッドの心"は名曲!というのを、アルバムタイトル"安全地帯HITS"という名の通りヒット曲に限定したリメイクアルバムの中においてもやはりほかの曲とは違う曲としての存在感を感じさせられる。


聴いていて"ワインレッドの心"はやはり特別な一曲で、僅か5分弱という限られた時間の中で、ロック、バラード、歌謡曲などさまざまな要素が目まぐるしく展開されながら、曲としての起承転結がキッチリと、絶妙なバランスで表現されている名曲、奇跡の一曲だという辺りを、比較的ヒットした曲の中だからこそ感じさせられる。


特別な一曲だと振り返りながら、アルバムの一曲として向き合いたいリメイクバージョンだと思います。



資料2.ヒット曲をリメイクしたアルバムだからこそ、"ワインレッドの心"の曲の持つ存在感の大きさを感じさせられる。







17.真夜中すぎの恋



オリジナルバージョンは、'84年4月にアルバム"安全地帯II"のリードシングルとして登場、玉置さんの粘っこいボーカルと、ロックバンドならではの分厚く鋭い武沢さんと矢萩さんの卓越したギターがたまらないロックナンバー。



資料3."真夜中すぎの恋"は玉置さんの一世一代の熱いボーカルもあってか、その後のライブでは欠かせないナンバーになりました。




どの楽曲も基本的にオリジナルバージョンを軸にリメイクを展開してきたアルバム"安全地帯HITS"ですが、この"真夜中すぎの恋"は、'80年代中盤に、主に電子楽器を使用したダンスミュージックの一種であるユーロディスコをルーツとし、'80年代にHi-NRGと共に大流行したユーロビートを基にしたような派手なサウンドを用いて、全く違ったアプローチを展開。



資料4.全盛期は煌びやかなサウンドという事もあってか、画像のようなコンピ盤が多くリリースされ、一代ブームを巻き起こした"ユーロビート"。




派手にリメイクされたサウンドの"真夜中すぎの恋"、曲のスタート時ではうまく融合できるのか?

半信半疑でしたが、"真夜中すぎの恋"は想像以上にユーロビートとの相性が良く、'80年代独特の雰囲気を巧く捉えた煌びやかでゴージャスなサウンドに再構築されている。


リメイクのセンスの良さを感じさせられる一曲と言えるかと思います。






123.月に濡れたふたり




'88年、コンスタントに安全地帯としての活動期としては最後の年、昭和最後の年にリリース、また安全地帯として今のところ最後のオリコンチャート1位を獲得した傑作"安全地帯VI〜月に濡れたふたり"の先行シングル、アルバムタイトルにもなった名曲。玉置さんがリリース時に「これはボサノバだな。」と言ってたように、独特なメロウなメロディーも印象的なナンバー。



前曲"真夜中すぎの恋"は煌びやかな眠れない街だとしたら、"月に濡れたふたり"は静かな森林をイメージさせられる静寂なオープニングでスタート。



オリジナルバージョンより一段と深みのある玉置さんのボーカルが静寂さを演出することによって一層感じられる展開になっている。


また矢萩さんのギターもより臨場感を増すようにクッキリしたサウンドに再構築されていて、玉置さんのボーカルと共に、一段と聴いていて迫り来るような感覚は、曲の新たな魅力を捉えやすくなっていて、このリメイクバージョンを聴く際の重要なポイントだと思います。






38.悲しみにさよなら



オリジナルバージョンは、リリースされた'85年、テレビのチャート番組で年間チャート1位を獲得するなど"ワインレッドの心"や"恋の予感"など並んで安全地帯の代表曲とも言える。大衆性とAOR的要素をうまく取り入れたサウンドも魅力的なナンバー。



資料5.大衆性とAOR的要素をうまく取り入れ、大ヒットを記録した"悲しみにさよなら"のMVより。



リメイクをリリースされるにあたり、'80年代的なAOR的要素は大幅に削って、そのかわりに'10年代の音楽において、無視できない存在になっていたEDM的なサウンドで再構築され、楽曲のアップデートした形にすることにある程度、成果の見えるリメイクバージョンに仕上げている辺りはさすがと感じさせられる。



このリメイクから4年後、玉置さんは小室哲哉さんの作品の中で、EDMサウンドを全面にしたナンバーでコラボを果たすことになるのですが、それより4年も前に、玉置さんの中ではEDMの隆盛をある程度イメージしていたのでは?と感じさせられる、音楽センスの高さを感じさせるリメイクバージョンとも言えるかと思います。





https://open.spotify.com/track/6QhO65qzycHU9SL6AyishH?si=laKUVBXBT06CbB3h27EZqA

資料6.アルバム"安全地帯HITS"リリースから4年後の’14年にリリースされ話題になった小室哲哉さんとの共演作品。



ざっくりとですが、アルバム"安全地帯HITS"を聴いてみて、オリジナルバージョンより濃厚過ぎるが故に、リリース直後は個人的にあまり馴染めない作品の一つだった"安全地帯HITS"。


こうして'15年以降の活動は主にライブ活動がメインになり楽曲一つ一つの進化を楽しむのが主になった現在。時を経て改めて聴いてみると、この辺りぐらいから、新しい作品をリリースするのではなく、概初曲を再構築する活躍に移っていった意味合いがなんとなくですが掴めたようにも感じられ、見逃す事の出来ない重要なアルバムだったようにも感じさせられました。


このアルバムをキッカケに、概初曲でありながらも年々進化していく玉置さん、安全地帯のサウンドに注目して作品を楽しんで頂けると嬉しいです。


次回から、紆余曲折、波乱の展開を潜り抜けながらたどり着いたツアー最終の模様を捉えたライブアルバム"完全復活コンサートツアー2010 Special at 日本武道館〜Starts & Hits "またね"〜を振りかえってみたいと思います。


またお時間ありましたら目を通して頂けると嬉しいです。


引き続きよろしくお願いします🙇


https://open.spotify.com/album/0WNnUvQhr4apLjZ9WdGepN?si=0AWjmh4eT5mPfO66yKmuRQ