310.Woo Woo



玉置さんが安全地帯としてブレイクした'80年代は、音楽文化がさまざまな形で大きく地殻変動をした時期でもありました。



そんな中でも大きな変化の一つとして、ソニーのウォークマン発売、車輌にカーステレオの搭載が普及した事に伴い、それまでどちらかというと屋内、密室など限られた環境での鑑賞スタイルから、カセットテープなどに音楽を詰め込んで外で音楽鑑賞をするというリゾート型音楽鑑賞の形が急速に拡大して行った。



この"Woo Woo"は、そんなリゾート型鑑賞が始まった時期を回想してしまいたくなるサウンドである一方で、戦後昭和歌謡のような気分が高揚するサウンドがたまらないノリ、聴き心地の良いアップテンポなナンバー。


近年、玉置さん、安全地帯のライブで、どことなくノスタルジックなサウンドのサックスでサポートメンバーとして携わってられる武島聡さん。


安全地帯関連以外でも、EGO-WRAPPINなどの作品、ライブで独特の"昭和歌謡"スタイルを音色を展開されている武島聡さんですが、この"Woo Woo"を聴くと安全地帯としての大作アルバム"安全地帯V"のアナログ盤でいう3枚目の"昭和歌謡"的サウンドを思い出すと共に、後に武島聡さんがサポートメンバーに加わっていくのも自然な形だったんだなぁと感じます。



資料1.近年の玉置さん、安全地帯のライブでもすっかりとお馴染みになった感のある武島聡さん。





311.いつか帰ろう



玉置さんのルーツの一つでもある童謡、民謡と、’98年以後、音楽活動のメインになっていた軽井沢時代の作品のような望郷感溢れるサウンドが印象に残るスローナンバー。



何度も記載させて頂いてますが、玉置さんのこの"惑星"をリリース、それに伴うツアーの後、療養生活に入るので、決してベストなパフォーマンスを発揮する、発揮できる環境ではなかったはずなのですが、この"いつか帰ろう"を聴いていると、そういうギリギリの環境だったとは思えない、リラックスして自然体の玉置さんの姿が投影されている。



リリース時に少し話題にもなった、この時デビュー25周年、この時期になれば、玉置さんからすると歌うという事は、身体に染み付いていたのかも知れない。そう感じさせられるぐらいの自然体でいて、尚且つカッコよく、心に響く佳曲だと思います。



資料2.リリース時、デビュー25周年、玉置さんの自然体で歌うスタイル。聴きやすく、カッコよく感じさせられる。




312.愛がある


'00年代以降、打ち込み系のリズムで歌唱力を重視したかのようなサウンドで、音楽シーンのトップに躍進した感のあるR&B。


そこから更に進化して近年ではよりエリクトリックなサウンドアプローチでEDMという形に発展していく事になる。


この"愛がある"は、シーンのトップに躍り出た感のあるR&Bのエッセンスを詰め込んだビートが印象に残るナンバーに仕上がっている。


安全地帯で発表した"じれったい"や玉置さんのソロでリリースされた"キ・ツ・イ"のようなイケイケ感は鳴りを潜めている分、曲の強弱がバランスよく感じられるサウンドを構築しながら、玉置さん流"R&B"を感じられる辺りが、聴きどころといったところではないでしょうか?


タイトルに"愛"が導入されている辺りも、曲が煌びやかに感じられる要因になっているように感じさせられて、トータル的に煌びやかさを展開している、ある意味計算されたナンバーとも言えるかも知れませんね。






313.歩く男



重くてタイトなリズムキープ、歪みを効かしながらのブルージーなギターが印象的な玉置さんが安全地帯時代から得意としていたブルースロックナンバー。



サビでの重いビートを引きずりながら、繰り返しながら曲をダイナミックに構築していく辺り、どこまでも響くような壮大で熱いギターソロ、フェイドアウトなしで遮断するかのような曲のエンディングにと、'80年代の安全地帯の作品を振り返ってみたくなるような展開。



当時はなんとなく聴いていたが、この3年後に安全地帯が"完全復活"を経過した現在に聴いてみると、この辺りから安全地帯の再始動の布石を打ってたのでは?と想像して聴いてみたくなる一曲とも言えるナンバーだとも感じる。




資料3.徐々に安全地帯としての再始動に自然に向かっていたと感じさせられる"歩く男"。シンプルなタイトルとは裏腹に奥深い一曲という一面も感じさせられる。




314.なんか変だ




重量感あるビートに、アグレッシブなギター、社会的な問題に目を向けた歌詞が印象に残るロックナンバー。



バンドが一帯となって迫ってくるような緊張感ある展開も聴きどころの一つと言えるナンバーではないでしょうか?



安全地帯として初めての活動停止後にリリースされたアルバム"安全地帯VII-夢の都-"に収録の"Lonely Far"以後、時折見受けられるタイプの作品で、他のアーティストも類似のタイプのナンバーを演奏するシーンをしばし目にする機会がありますが、妙に熱さのみが主体になっているように感じるのに対し、なぜか玉置さんが歌うとスマートに感じさせられる辺りは、玉置さんの規格外のボーカリストとしての器から来るようにも感じさせられる。




315.だんだんわかるさ



玉置さんのオリジナルアルバムのラストナンバーは、安全地帯の作品がツインギターを軸にした壮大なスケールのバラードナンバーが多く見受けられるのに対し、ソロ作品のラストはどちらかといえばアコースティックサウンドを軸に玉置さんのボーカルを主にしたシンプルなバラードが多いように感じられます。視聴する環境がアナログ盤から完全にCDメインに変わっていた時期という事もあり、アルバムのラストは最後のクライマックス的な扱いから、ボーナストラック的な扱いになる傾向が、玉置さん以外の作品においても目立ったようにも感じます。



アルバム"惑星"のラストを飾る"だんだんとわかるさ"はCD時代の作品という事を象徴するかのようにシンプルな構成に仕上がっている。



シンプルな分、玉置さんの歌を通しての言葉の重みが伝わってくる辺りがこの曲の聴きどころの一つと言って良いかと思います。



近年のライブではマイクオフで会場全体を支配する玉置さんのボーカリストとして凄味を感じる事のパフォーマンスに注目が集まっていますが、この"だんだんとわかるさ"のような言葉の重みが感じさせられる辺りも玉置さんのボーカリストとしての魅力的な部分だと改めて感じさせられるナンバーだとも思います。



資料4.近年のライブでは、終盤でのマイクオフでの玉置さんの凄味のある圧巻のボーカルパフォーマンス。



今回も目を通して頂きありがとうございました😊


次回からはアルバム"惑星"を引っ提げてのツアーを収録したライブアルバム"'07 LIVE "惑星" "を振り返ってみたいと思います。


またお時間ございましたら目を通して頂けると嬉しいです😃


引き続きよろしくお願いします🙇


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