32.風
ここからは、演奏される機会が少ないレアなナンバーが登場し、前回のヒット曲が続いた展開から一転して、新たなステージの展開を構築する事になります。
まず一曲目として登場するのは、’84年12月にリリースされたアルバム"安全地帯III〜抱きしめたい"に収録されているスローナンバー’’風"からのスタートになります。
FM白石で、安全地帯のギタリスト 武沢さんのラジオ番組"満点DAMミュージック・レジェンズ"という毎週一曲ずつ、安全地帯の楽曲を武沢さんのエピソード、解説付きで紹介するという番組があるのですが、その番組内で松井五郎さんの一番印象に残ったリリックナンバーとしてリスナーから一番支持されたロマンティックなリリックと、聴いていて妙に切なくなるアコースティックサウンドが印象に残るバラードナンバー。
資料1.FM白石のラジオ番組"満点DAMミュージック・レジェンズ"はVLCメディアプレーヤーというアプリを使用し、図を参考にして頂きましたら視聴可能です。ぜひ一度お試し頂けると幸いです。
今回のライブバージョンでは、オリジナルを忠実に再現したリズムセクションに、温かみあるサウンドで違う表情を構築しているキーボード、そしてややまろやかさを感じさせられる玉置さんのボーカルにと、オリジナルバージョンより松井五郎さんの歌詞がダイレクトに伝わってくるようにリメイクされている点が聴きどころのライブバージョンになっていると思います。
158.あの頃へ
オリジナルバージョンは’92年12月にシングル曲としてリリースの望郷感、忘却感溢れるメロディーが秀悦な大型バラードナンバー。
振り返ってみると、’02年に安全地帯としてリメイクを作成し、このライブ辺りから徐々にサウンドをオリジナルバージョンより一段と望郷感に磨きをかけていきながら展開していったことが、後の楽曲が多く人に知れ渡り、スタンダードナンバーになっていったように、このライブバージョンを聴いていると感じさせられる。
個人的な見解ですが、"あの頃へ"は曲を全体的にバンドサウンドで楽しむ場合はオリジナルバージョンで、曲の世界観に入り込んで聴いてみたい場合はリメイク後のバージョンで生ピアノ主体のアコースティックサウンドが最適かなと、このライブバージョンを聴いて感じさせられました。
そういった意味では、リメイク、ライブでアレンジを大幅に変えて再構築するといったことは有意義だったようにも思います。
資料2.再構築を繰り返しながら、演奏され続けられている"あの頃へ" 40周年コンサートでは、オープニングナンバーとして起用された。
24.La-La-La
オリジナルバージョンは、安全地帯としてブレイク直後にリリースされたアルバム"安全地帯II"のラストを飾ったAOR的要素とプログレシッブロックの作品のような隙のない中での濃厚なサウンドが印象的なロックバラード。
今回のライブバージョンでは、濃厚さを控えめにしながら、聴かせる事を重点においたかのような丁寧でシンプルなサウンド作りが印象に残るライブバージョンに仕上がっている。
シンプルなサウンドがいえに単調な演奏になりがちなところですが、要所要所で"キメ"のギターソロを導入していたりして、聴いていて飽きさせないサウンド作りの上での工夫がされている辺りは、思わずさすがだなぁと感心させられる。
このライブバージョン以降、なかなか聴く機会がないナンバーですが、'23年の玉置さんのツアーでは久しぶりに"La-La-La''と同じ時期にリリースされた"置き手紙"がステージで演奏された事から、ライブでの再演を期待したいと感じる楽曲だと思います。
資料3.'23年の玉置さんのツアーでは、久しぶりに'80年代〜'90年代のレアな楽曲も演奏され、オーディエンスを喜ばす展開に。今後のライブでもレアな楽曲の演奏を期待していきたい。
291.プレゼント
’05年に玉置さん主演のドラマ"あいのうた"の主題歌、またツアータイトル、ライブ開催時の最新アルバムのタイトルにもなっているほのぼのとしたサウンドと深い愛を感じさせられるリリックが印象的なスローナンバー。
ライブバージョンだからといって、オリジナルバージョンから大きく変わっているという部分はあまり感じられないオリジナルバージョンに忠実な演奏が印刷に残りますした。
ただその中で特筆する点といえは、曲の出だしの玉置さんの高音のコーラスワークを上げておきたい。
会場の音響効果の影響もあるかも知れませんが、声の響きという点でも、玉置さんは他の追随を許さないぐらい群を抜いているボーカリストだあと改めて感じさせられるぐらい、抜群に聴いていて心よい。
そういう辺りも含めて、玉置さんのライブアルバムは、オリジナルアルバムでは感じ取れない再発見が多く、どの作品も見逃せないと改めて感じさせられました。
資料4,玉置さんのライブアルバムの魅力の一つ、声の響きは、他のアーティストにはない最大のストロングポイントだとも思います。
293.Lion
アルバム"PRESENT"の先行シングル、テレビアニメ"エンジェル・ハート"にも起用された、アメリカ南部の香りがしてきそうなアメリカン・ロック仕込みのミディアムナンバー。
ライブバージョンは渡嘉敷祐一さんの軽やかで正確に刻むリズムから、合わせるかにような複数のギターが絡み合うライブらしいダイナミックなオープニングでスタート。
基本的には、オリジナルバージョンに忠実な演奏ですが、会場全体が一体となって迫ってくるコーラスワークなど、ライブならではのこだわった演出も印象に残りました。
安全地帯の"We're alive"や"田園"と同様にライブになると一段と輝きを増すナンバーと言えるかもしれませんね。
290.発散だー‼︎
シングル盤"いつもどこかで"のカップリング曲、アルバム"PRESENT"にも収録された分厚いサウンドが全面になっているファンキーなナンバー。
ライブバージョンになり、ドラム 渡嘉敷さんとはベース コモブチさんの強力かつグイグイと懐に迫ってくる感じのプレイにより、一層ファンキーさが増した濃厚な演奏が楽しめる。
聴いていて"これぞライブステージ!"と唸ってしまいたくなるくらいアグレッシブな演奏で、何度聴いてもたまらない。
最後までダレることなく、突っ走っていくような展開も見逃せないポイントの一つだと思います。
近年のライブステージのプロデュースをされているトオミヨウさんの手によって更に進化してライブステージで再演されるのを期待したいナンバーだとも思います。
資料5.近年のツアーではサウンドプロデュースも手掛けられているトオミヨウさん。今後ライブバージョンにどんなスパイスを効かせサウンドを構築されるかも楽しみの一つですね。
今回も長いブログになりましたが、目を通して頂きありがとうございます😊
次回はアルバムの最終盤になるDisc.2の後半を振り返ってみたいと思います。
またお時間あれば読んでいただけると嬉しいです😃
引き続きよろしくお願いします🙇
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