203.MR.LONELY


ここから前半のハイライトの一つ、ヒット曲が続く怒涛の展開になるのですが、先ずは’97年にリリース、ドラマ"こんな恋の話し"の主題歌にもなり、商業的に大ヒット曲"田園"に続き成功を収めた大型バラードでもある"MR.LONELY"でスタート。



オリジナルバージョンに忠実な演奏で、玉置さんのボーカル、ドラム 渡嘉敷祐一さんの正確なリムショットを始め、丁寧な演奏が印象に残るライブバージョンに仕上がっている。




個人的には、演奏中はシーンと静まりかえっていますが、演奏終了後に、まるで沸騰するかのようなオーディエンスの会場割れんばかりの拍手の波を聴いていると、ライブならではの醍醐味を感じさせられました。



オーケストラのバージョンなど、現在てはさまざまな演奏で振り返って聴く機会が増えた"MR.LONELY"ですが、やはりオリジナルバージョンに忠実な演奏が1番じっくりと来るというのを再認識させられる辺りをメインに楽しみたいライブバージョンだとも思います。



資料1.オーケストラでの演奏をはじめ、さまざまなスタイルの演奏が印象的な"MR.LONELY"ですが、今作ではオリジナルバージョンに忠実な演奏ならではの魅力を感じて聴いて頂けるかと思います。





15.ワインレッドの心



続いて演奏されたナンバー"ワインレッドの心"は、安全地帯としてブレイクのきっかけになり、紛れもなく安全地帯、ソロを通じて代表曲といえるスタンダードナンバー。



ここから3曲続けて安全地帯のナンバーになりますが、前曲"MR.LONELY"とは違って、玉置さんのセルフカバーアルバム"ワインレッドの心"でのテイクを再現したかのような内容になっています。



資料2.ソロ名義で安全地帯のナンバーをセルフカバーした作品"ワインレッドの心"



セルフカバーアルバム"ワインレッドの心"はオリジナルバージョンより、ゆったりとしたテンポで安全地帯の作品を再現した内容が主のアルバムになっていますが、ここからアルバム一枚目の最後までのゆったりしたペースの演奏が続いていく事になるためか、オリジナルバージョンより、テンポがゆったりしたセルフカバーアルバムに忠実な演奏になったのではないかと思われます。



セルフカバーアルバムとの微妙な変化と比較して聴いてみるのも、また違う魅力が発見出来たりして良いかも知れませんね。





26.恋の予感



’84年10月リリース、安全地帯の人気を決定づけた昭和歌謡の魅力的な要素を巧みに取り入れた大型バラード。



このライブバージョンも、前曲"ワインレッドの心"と同じようにややゆったりしたテンポに仕上げているが、オリジナルバージョンの持つ曲の雰囲気や世界観などを大事にしながらアレンジしているように感じさせられる。



また"ワインレッドの心"同様に、アレンジなどを変え、オリジナルバージョンとの違いを明確にしているおかげで、よくキャリアの積んだアーティストのライブにありがちな"コンピレーション盤"のようなマンネリ感を感じさせない工夫が見えてくるあたりはさすがだなと感じました。



またどちらかというと生音に近い音作りを用いた事によって、井上陽水さんが作成された歌詞がリアルに響いてきて、オリジナルバージョンとは違う趣きを感じさせられる点も見逃せないポイントだと思います。




38.悲しみにさよなら



オリジナルバージョンは'85年6月リリース、親しみやすいメロディーと、当時流行っていた第2次ブリティッシュ・インベイションからの流れを感じさせられる洗練されたサウンドが印象的な良質なミディアムナンバー。


オリコンチャートやテレビの音楽チャートで1位に輝き、NHK紅白歌合戦での演奏など、幅広い世代の方々に支持された"ワインレッドの心"、"恋の予感"と並んで安全地帯の代表曲とも言えるかと思います。


"ワインレッドの心"〜"恋の予感"へ、そして"悲しみにさよなら"とヒット曲が3曲続くと、今では安全地帯のライブだとほぼグレイテスト・ヒッツ的なセットリストになりますが、'06年時ではあまりなく新鮮さを感じさせられる展開だなあと、改めて聴いてみて実感しました。


この辺りから、オリジナルバージョンとは違ったアプローチでヒット曲を演奏し始めた玉置さん。


常に進化し続けていこうとする心意気のようなものを感じながら向き合って聴いてみたいライブバージョンだと思います。



資料3.キャリアを積み重ねてきた玉置さんのライブは、往年のヒット曲がどういうアレンジで再現されるかという点も聴きどころの一つだと思います。




288.祝福



ライブ開催の前年にリリースされたアルバム"今日というこの日を生きていこう"のラストを飾った放牧的なサウンドが印象に残るスローナンバー。



オリジナルより、一段と丁寧に歌う玉置さんのボーカルを聴いていると、さりげなく歌詞にアルバムタイトルにもなっている"今日というこの日を生きていこう"が入っていたりするなど、歌詞の細かい部分が鮮明に感じられ、玉置さんがアルバムで伝えたかった事、何故いえアルバムのラストナンバーに持ってきたのか?という事の回答が見え隠れしているナンバーだと気づかせられる。



演奏のオリジナルに忠実なゆったりとしたスローナンバーですが、それでも聴いていて曲の持つ世界観に引き込まれていく玉置さんのボーカル力を感じられるライブバージョンだと思います。


玉置さんが作品を通して伝えたいとされた事、また玉置さんの引き込まれていくボーカル力と、シンプルだが、聴きどころの多い作品だと思います。





222.HAPPY BIRTHDAY〜愛が生まれた



’98年リリースの玉置さんのアルバム"GRAND LOVE"に収録され、後にシングルカットされたスローブルースを下地にした大人のラブソング。


オリジナルバージョンでは、玉置さんの未完成、未成熟さを感じさせられるギターソロが印象に残りましたが、このライブバージョンでは矢萩さんと土方さんの分厚く成熟したギタープレイが楽しめる。


濃厚で懐の広さも感じさせられるギタープレイを目の当たりにすることができるオリジナルバージョンとは打って変わって、安藤さと子さんの幻想的、幻惑的なキーボードを全開しているライブバージョン、オリジナルバージョンが素朴的なブルースバラードだったのに対し、ライブバージョンは都会的なちょっと小洒落たスローブルースといったどこでしょうか?


同じ楽曲でも展開の仕方で、また違う魅力、存在感の楽曲になるという事を改めて実感して頂けると思います。


少し前に記載させて頂きましたが、濃厚で懐の広さを感じさせられるギタープレイですが、ライブバージョンになり、濃厚さにさらに磨きがかかり、一層完成度の高さを感じさせる濃密なプレイが聴ける辺りも、このライブバージョンの聴きどころの一つだとも思います。


ライブならではのナチョラルさが心地よいコーラスワークと共に楽しんでいただけるのではないかとも思います。



資料1."HAPPY BIRTHDAY〜愛が生まれた"は、曲のイメージに沿ったMVともアルバムからシングルカットされたナンバーですが、なかなかライブで演奏されない、そういう意味では貴重なライブバージョンだとも思います。




今回も目を通して頂きありがとうございました😊


次回はレアなナンバーが立て続けに登場するアルバム2枚目の前半を振り返ってみたいと思います。


またお時間あれば読んでいただけると嬉しいです😃


引き続きよろしくお願いします🙇



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