294.夜想



シングル盤"Lion"のカップリング曲として登場した大型バラード。



前曲"ヒトリゴト"からのどことなく霧に包まれているようなもやっとした感覚からか、曲の持つ夜の持つ寂しさからくるような切なさが増殖されているように感じられ、曲の名曲度がカップリング曲として単体で聴くより増しているように感じさせられる。



アルバムの流れで聴いていると、この曲のクライマックスでもある熱いギターソロと、玉置さんの果てしなく続くような熱唱の絡みが一層クローズアップされていて、この曲は単体で聴いてみるより、アルバムの流れで聴いてみるのが一層曲の魅力を感じる事が出来るかも⁉️



アルバムの流れに沿って聴き込んで頂きたいナンバーだとも思います。






290.発散だー‼︎



シングル盤"いつかどこかで"ねカップリング曲として既に登場していた、遊び心ある松井五郎さんの歌詞が印象に残るファンキーなナンバー。



概初曲、それも表題曲ではなくカップリング曲を続けて収録という事もあり、アルバムの流れを考案する際には慎重に考えられたのではないか?と考えさせられる。



前曲"夜想"、さらに前の"ヒトリゴト"から続けられたもやっとした感覚から、ややディープな曲の世界観を感じさせられる"発散だー‼︎"を持ってくる事によって、曲のファンキーさがより全面に出てきたように感じさせられる。



この辺りになると、他のアーティストも含めて、アルバムとなると、一枚ごとにコンセプトを持つ作品より、前作からアルバムリリースされるまでのコンピレーション盤と捉えられるような作品が目立ってきて、いよいよアルバム一枚を通して作品を楽しむ時代から、iTunesなど配信の台頭により、一曲ずつ聴くというスタイルが確立し始めたのを実感させられました。



それでもアルバムの流れがコンピレーション盤のように感じさせらないように展開されている辺りは、玉置さんの作品ならではのクオリティーの高さにもあるのではないかと思います。



そういった辺りも含めた視点で聴いてみたいナンバーだとも思います。




資料1.アルバム後半は、概初曲が多く収録されている中、アルバムの流れをなんとか構築しようとする工夫を感じながら聴いて頂きたい。





291.プレゼント



アルバムタイトルにもなり、前年に玉置さん主演ドラマ"あいのうた"の主題歌になり、大ヒットを記録した'00年代を代表するミディアムナンバー。



概初曲が3曲続けて収録されている事を忘れさせられるぐらい、改めてアルバムで聴いてみると曲の存在感が際立つナンバーですよね。



またほかの概初曲より、メロディアスで聴き心地のよい辺りも後にライブなどで頻繁に演奏されるスタンダードナンバーになった要因かも知れませんね。


アルバムの核になるナンバーとしてじっくりと聴き込みたい一曲だと思います。




資料2."プレゼント"は大ヒットしたという事もあり、テレビなどでさまざまな企画を用いて演奏される事もありました。




300.Help


ややヘビーなシャッフルビートに、言葉を吐き捨てるような玉置さんのボーカルが印象的な’60年代中期のロックからの影響が感じられるナンバー。



玉置さんの安全地帯の時とは、違った言葉を吐き捨てるようにしながらも粘っこいボーカルを聴いていると、今となれば、その後の作品に発展していく原点になった作品とも言えるかも知れませんね。



全体的に粘っこいヘビーなサウンドから、クライマックスのサビでのコーラスワークから開放感あるサウンドを構築する辺り、そしてそのまま突き進んでいくのではなく、再度粘っこいヘビーなサウンドに展開される辺りは、玉置さん独特のメロディーメイカーとして唯一無二のセンスの良さを感じさせられる。


アルバムを象徴するカチッとまとまったバンドサウンドとも聴き込んでいきたい一曲だと思います。





292.おいで僕の国へ



シングル盤"プレゼント''のカップリング曲として既に登場していた、当時愛猫家だった玉置さんだからこそ表現できた"猫目線"による松井五郎さんの歌詞、’70年代の四畳半フォークのような素朴なサウンドが印象的なスローナンバー。


アルバムの最終近く、ラストから数えて2番目の位置に収録。


カップリング曲として聴いている時より、聴いていてより自然体な曲の雰囲気も感じられる辺りが印象に残りました。



なぜ作品が猫目線であるのか?、なぜラストから数えて2番目に収録されたのか?



カップリング曲として単体ではなく、アルバムを通して次曲"やせっぽちの星"と続けて聴いてみると、アルバムの立体感を感じる事ができる。


またこの"おいで 僕の国へ"の曲としての存在感も感じて聴いて頂けるのではないかと思います。



資料3."おいで僕の国へ"は次曲“やせっぽちの星"とアルバムに続けて収録された事によって、曲の持つ優しさがあふれる雰囲気が増殖したようにも感じられるあたりも見逃せないポイントだと思います。




301.やせっぽちの星



玉置さんが軽井沢で音楽制作をされていた'90年代後半辺りから、プライベートな話題として、たくさんの猫を飼育され、愛猫家という一面がたびたびメディアなどに紹介されました。



そんなたくさん飼育された愛猫の中でも、とりわけ思い入れが強く、パートナーのように愛情を注いだ愛猫のドーキュウ。



アルバムのラストナンバー“やせっぽちの星"は、長年共に過ごした愛猫ドーキュウが亡くなり虹の橋に渡っていった時の心境が表現された死生観をテーマにしたシンプルなバラードナンバー。



少々オーバーな表現になりますが、アルバム"PRESENT"はラストに“やせっぽちの星"が収録された事により完成された、それまでに収録されたバラエティに飛んだ各楽曲も、このラストナンバー“やせっぽちの星"に辿り着く為の道標だったと感じされてしまうくらいのスケール、存在感を持った重要なナンバーだと思います。



ドーキュウが虹の橋を渡った事に関して、玉置さんは志田歩さんの著者"しあわせになるために生まれて来たんだから"で『他の猫と区別してるわけではないんだけど、やっぱり最初に来た猫なんで、何かね、お互いに秘密を握り合ってる感じがあってさ。で、そいつが"大丈夫だから、ちゃんと持っていくからね"みたいな感じで逝っちゃんたんだよ。あんな風に一緒に長く生活していて可愛いがっていたのが死ぬというのは、初めての体験だった』と語られています。



虹の橋に旅立ったドーキュウに語りかけるような歌詞、ボーカルから来る玉置さんの想いがこの曲を聴いているとストレートに伝わってきて、死生観をテーマにしているという部分も含めて、紛れもなく後世に残る、例えばさだまさしさんの"償い"や、中島みゆきさんの"糸"のような名曲になり得るナンバーだと思います。


またこの曲からスタートした"死生観"という大きなテーマは、アルバムリリースから8年後の'14年にアルバム"GOLD"という形で更に進化を遂げることになるのですが、この曲を基点に玉置さんの"死生観"というテーマを辿って聴いてみるというの作品を聴く上において良いかと思います。




今回も長い文になりましたが、目を通して頂きありがとうございます😊


次回からは、'00年型究極のバンドサウンドが楽しめるライブアルバム"'06 PRESENT TOUR 発散だー‼︎"を数回に渡り、振り返って行きたいと思います。


またお時間あれば目を通して頂けると嬉しいです☺️


引き続きよろしくお願いします🙇


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