収録曲: 1.明星 /2.雨のち晴れ /3.茜 /4.カメレオン /5.ショコラ /6.この星はみんなの星 /7.薔薇 /8.水のない噴水 /9.負け戦 /10.月見草 /11.いつの日か会いましょう /12.夜間飛行



【アルバム解説】


'03年10月リリースの安全地帯としては10枚目のオリジナルアルバム。オリコンチャートで最高20位を記録しています。前作はメンバー5人が黒のスーツに身にまとったイメージから、今作はラフでカジュアルな装いで登場。ビジュアルから驚きと共に新鮮さを感じられた方も多いのではないでしょうか。今作も初回限定盤としてMVなど収録したDVD付きパッケージも登場。





資料1.前作同様にアルバム"安全地帯X〜雨のち晴れ"は初回限定盤としてCD +DVD仕様としてリリースされました。【上】また店頭告知ポスターも地味ながら今回も展開されました【下】




前作同様にアコースティック色の強いサウンド作りのアルバムですが、重量感あるミディアムナンバー、軽快なアップテンポなナンバー、スケールの大きなバラードを軸に、彼等のルーツでもある’60〜'70年代のロックやブルースなどの影響も垣間見ることが出来る力作に仕上がっている好盤だと思います。


先行シングル盤の欄でもご紹介させて頂きましたが、作詞はアルバム全体を通して、松井五郎さんではなく、黒須チヒロさんが担当されています。


要因として松井五郎さんは『安全地帯を終わらせるというと変だけど、一つの節目を作りたかったのかも知れない。』と前作"安全地帯IX"で一つの節目を付けた感があった為、本作は不参加になったとコメントされています。また黒須チヒロさんの起用に関しては、かって廃盤状態になっていたRCサクセションのアルバム"シングル・マン"の再発を目指して「シングル・マン再発実行委員会」を発足させた音楽評論家の吉見佑子さんが、アルバムプロデューサーの金子章平さんに黒須チヒロさんを紹介したのがキッカケになったとの事。


今作レコーディング中には玉置さんは憩室炎の為、一月間の入院生活を余儀なくされたり、またレコーディング前にはテレビドラマ"盲導犬クイールの一生"に主演されたりと多忙な状況だったという事からか、大体的なプロモーション活動は行われませんでした。


しかし怪我の功名というべきか、手術を伴う入院生活に、難しい役どころのドラマの主演などを経験した事により玉置さんのボーカリストとして表現力が以前より一層深みを増したように感じられ、自然体ながら懐の広さを感じさせられる一面がアルバム通して感じさせられていて更なる進化を垣間見る事ができるアルバムに仕上がっているように感じます。



資料1.盲導犬クイールの一生は日本のみならず、アジア各国でも紹介され、玉置さんの存在感ある俳優としての姿が広く知れ渡るキッカケにもなりました。




’00年代以降、'80年代に活躍したアーティストは、氷室京介さんはBOØWY時代の楽曲をライブで取り上げたり、藤井フミヤさんや中森明菜さんは往年のヒット曲のリメイクアルバムをリリースしたりと、どちらといえば'80年代を振り返るという事が主体になって来た流れの中、新しいアプローチで、新たな展開を啓示し始めた安全地帯の心意気のようなものを見据えながらじっくりと聴き込みたいアルバムだとも思います。



また本作は当時オーディオシーンに登場し出したSACDハイブリッド盤としてリリースされ、話題になりました。


資料3.画期的なSACDハイブリッド盤の登場は当時話題になりました。


この辺りから音楽ソフトの音の厚み、広がりを感じられる辺りの進化の速度が急加速したようにも感じます。作品を振り返っていく際にそういうオーディオ文化の変化していく姿を振り返ってみるのもよい作品かとも思います。




今回も目を通して頂きありがとうございました😊


次回から2回に渡り、アルバム"安全地帯X〜雨のち晴れ〜"の各曲を振り返ってみたいと思います。


またお時間あれば読んで頂けると嬉しいです☺️


引き続きよろしくお願いします🙇‍♀️



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