257.反省



'02年12月リリース、安全地帯としては25枚目のシングル作品のダブルメインナンバーの一つとしてアルバム『安全地帯IX』よりシングルカットしてのリリース。オリコンチャート最高57位を記録しています。


キティ時代にも"I Love Youからはじめよう"などアルバムリリース後にシングルカットをしてリリースすることはありましたが、さすがはセールスの心得、ツボを把握しているソニーレコード。


概初のバージョンとは何気なく聴いてもわかるくらい大胆に曲をシングルバージョンとして再構築してリリースされています。


この再構築されたシングルバージョンですが、アルバムレビューの際にご案内させて頂いているスコティッシュフォーク的なサウンドの広がりと、生ギターとマンドリンを組み合わせた音を用いる事で、曲の広がる雰囲気を構築した事により、アルバムより一層にスコティッシュフォーク的な部分が強調された音作りを展開しているのが印象的。


何故か聴いていて安全地帯のルーツでもある北海道旭川市のイメージのような広大さ、爽快さをアルバムバージョン以上に感じさせられていて、一つの作品としての存在感をアルバム以上に感じさせられる辺りも見逃せないポイントだと思います。完全な楽曲単体のシングルナンバーとしての表情を確認できる内容。


なおこのナンバーはシングルカットしてリリースと同時に、ハウス食品の"北海道シチュー"のCMソングとして起用されました。シチューを囲んで一家団欒している風景をイメージされた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?


そういった辺りも含めて、じっくりとアルバムとの違いを考察しながら聴いて頂きたい作品。



資料1.今ではハウス食品の目玉商品の一つでもある"北海道シチュー"、販売開始に合わせてのCMに起用された"反省"のシングルバージョンの相乗効果により販売促進されていったようにも感じさせられます。





158.あの頃へ-2003 バージョン



ダブルメインナンバーのもう一曲として登場したのは、’92年12月にリリースされた安全地帯として22枚目のシングル曲"あの頃へ"のリメイクバージョン。スケールの大きさを感じるバラードナンバー。


今ではベストアルバムやBlu-rayセットのタイトルに起用されていて、キャリアを代表するナンバーと捉えがちな作品。このリメイクバージョンがリリースされる時点でも、玉置さんのライブやセルフカバーアルバムなど取り上げられていて、既に人気の高さを感じるナンバーでしたが、このリメイクバージョンにより一層スタンダード化したように感じます。


その要因として、忘却感を軸にしながらのさまざまな細かいアレンジで彩られたオリジナルバージョン、アコースティックサウンドを軸に忘却感を更に増しながらシンプルさを強調したソロリメイクバージョン、そしてオリジナルバージョンとソロリメイクバージョンの長所を加えながら和の要素を増した感のあるサウンドと望郷感を感じさせられる'03年バージョン。


この3パターンの"あの頃へ"から、聴く側の受け止められる領域が拡大したおかげで、さまざまな捉え方の出来るナンバーに変貌したように思います。


もともとのメロディの良さ、楽曲のスケールの大きさも加わって、ライブで取り上げられるなどの相乗効果と共にスタンダードナンバーに定着して行ったように感じます。


そういった辺りも踏まえてじっくりと聴き込んでいただきたいナンバー。



なお"あの頃へ"は'02年リリースの作品なのに"2003パージョン"と表記されているのはリリースの翌月'03年1月の新春時代劇ドラマ"忠臣蔵"の主題歌として起用された為です。



資料2."あの頃へ"は新春時代劇ドラマ"忠臣蔵"の主題歌に起用されました。時代劇ドラマという事もあり、"和"を感じさせるアレンジに繋がっていったのかも知れませんね。



シングル盤として二曲ともタイアップ付きのナンバーとなった。この経緯からダブルメインシングルとしてのリリースに至った経緯かも知れませんね。




資料3.二曲ともタイアップという経緯からか、ダブルトラックナンバーとしてリリースされた"反省/あの頃へ"は、二曲ともアルバム未収録という事もありシングル盤の存在価値を感じさせられます。




今回も読んで頂きありがとうございました。

次回もダブルメインシングル"雨のち晴れ/ショコラ"を振り返ってみたいと思います。

またお時間あれば読んでいただけると嬉しいです☺️

よろしくお願いします🙇‍♀️