162.ひとりぼっちのエール



'93年2月リリース、オリコンチャート14位を記録した、安全地帯として通算23枚目のシングル曲。


長年在籍したキティレコードからの最後の作品、またリリース後、安全地帯は長期間の活動停止を余儀なくした為、節目の作品と言ってイイ作品だと思います。


その節目の作品ですが、冒頭はスローな展開から、曲が進むつれて、徐々に盛り上がっていく、今までにはなかった展開。


まるで'60年代後半のブリティッシュロックのミディアムナンバーのような展開はたまらない。


歌詞でいう"泣いてる〜 きみは〜 ひとりじゃないから〜"から、そのまま"ラァ〜 ラッ〜 ラァー〜"とコーラスに入っていく展開の壮大さは何度聴いても感動させられる。


安全地帯としての今までなかったアプローチの作品とも言えるかもしれませんね。


よく似た傾向の作品としては、安全地帯の代表曲『悲しみにさよなら』などありますが、『悲しみにさよなら』がカチッとした繊細さを全面に押し出したような音作りが印象に残りましたが、『ひとりぼっちのエール』は、繊細さよりも、あえて大まかさを出して、曲が拡大していくような、音の広がりを意識したかのようなアレンジ、曲のボリューム感を出したような展開が印象に残るナンバーになったと思います。



リリース直後のライブではあまり演奏される事が少なかったナンバーですが、2010年以降のライブでは、年々アップデートしていく感がある玉置さんのボーカルと、見事にフィットした演奏を聴かせてくれて、ある意味ライブのクライマックスを象徴するナンバーになっているとも思います。



資料1.近年のライブでは、"ひとりぼっちのエール"はライブのハイライト的ナンバーになっている。



『ひとりぼっちのエール』は、リリース直後、キティフィルム制作、渡辺満里奈さん主演ドラマ、"お茶の間"の主題歌として起用され話題になりました。このドラマから、この曲に巡り合った方も多いのではないでしょうか。



資料2.ドラマ"お茶の間"のパッケージ




160.あの頃へ('92.12.2 日本武道館ライブより)



カップリングに用意されたの、一つ前のシングル曲『あの頃へ』のライブバージョン。


カップリングにライブバージョンを収録される事は、他のアーティストでもよくある事ですが、一つ前のシングル曲を持ってくる辺り、なかなかない試みで、リリース当初は驚いた方も多いのではないでしょうか?


受け取り方によっては、リリース前から、ツアーで披露されていた『あの頃へ』は、リリースされた時点でスタンダードナンバーになっていたとも捉えられますね。


演奏の方は、映像ソフト化された"アンプラグド"と比較してみると、曲の持つ"静"の部分が強調された演奏が印象に残るナンバーに仕上がっています。


その中でもどことなくゾクゾクするような緊張感が音だけでも伝わってくるライブバージョンではないでしょうか。


長期間の活動停止前、最後の武道館ライブという事もあってか、聴いていて"忘却"感漂うバージョンになっています。


節目の一曲だったという事を踏まえて、じっくりと聴き込んで頂きたいナンバーてもあります。



資料3.ツアー終了後、安全地帯は長期の活動停止

に入って、玉置さんはソロアーティストでこれまでとは一味違った作品をリリースしていく事になる。


次回は、玉置さんの2枚目のソロアルバム『あこがれ』をアルバム解説から振り返ってみたいと思います。


またお時間あれば読んで頂けると嬉しいです😃


よろしくお願いします🤲


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