123.月に濡れたふたり
'88年3月リリースの安全地帯として17枚目のシングル盤。オリコンチャートで13位を記録しているミディアムナンバー。
'88年3月は、国内初の屋内スタジアム東京ドームが開場、CDシングル(8cmシングル〕の登場と、形として音楽シーンが大きく変化し始めた時期でもありました。
東京ドームの開場は、'85年プラザ合意からくる好景気、通称バブル景気とも重なって、多くの海外大物アーティストがツアーの一環として来日するきっかけの一因になり、CDシングルの登場により、それまでどちらかといえばアルバム主体で活躍していた、中島みゆきさん、小田和正さん、長渕剛さんなどのアーティストが、シングルにも活動の幅を広げはじめた時代が到来したと言ってもいいでしょう。
そういう状況下でリリースされたシングル『月に濡れたふたり』は、前曲『Juliet』同様、玉置さんのボーカルを前面に出し、バンドサウンドという面においてはあまり感じられないナンバーだと思います。
ジャケット、PV撮影がバルセロナで行われ、ベースの六土さんが、井上陽水さんのツアーに帯同していた為、遅れて参加されたなどのエピソードがありましたね。
資料1.六土さんは、陽水さんのツアーに参加させていた為、遅れてジャケット撮影に参加。
楽曲の方は、玉置さんが「仮のタイトルは"ボサノバ"」とリリース直後におっしゃってたように、独特のゆったりとしたリズムが印象的。
また、タバコの新商品のCMに起用されただけあってか、妙にアダルトな香りが漂うナンバーだと思います。
個人的な見解ですが、どことなくPVの影響もあるかとは思いますが、地中海の香りがしてきそうなアレンジも聴きどころの一つだと感じます。
そのあたりも含めて楽しんで頂きたいナンバー。
資料2.PVより、今までのPVとは違い、バルセロナで撮影という事もあってか、地中海〜中近東の香りが感じられる映像が印象に残りました。
資料3."月に濡れたふたり"は、専売公社から民営化された日本タバコ(通称 JT)からの新商品 サムタイムス・ミアスのCM曲として起用されました。
資料4.バルセロナのエピソードを語る玉置さん。
124.時計
"時計"というタイトルだけあって、時を刻むようなアレンジが印象に残るスローナンバー。
後年、平井堅さんがカバーして大ヒットした『大きな古時計』を聴いていると、この曲をヒントにアレンジなどしたのではないかと想像してしまう洗練されたキメの細かい音も印象的な作品。
また歌詞でいう、"ご覧よう〜夢の雫が〜
"あたりから、曲が盛り上がりをみせる展開、
聴いていて、唱歌とニューミュージックの見事な融合を感じさられる展開は、安全地帯のカップリング曲は、一筋縄に行かず、聴いていて面白いと実感させられる。
単なる小作品と思われがちな楽曲ではありますが、玉置さんの聴いていて引き込まれていくようなボーカルは、この作品でも充分に感じさせられるが、今までのカップリング曲、特に表題曲がパレードナンバーの場合は、バンドサウンドメインのアップテンポな作品が多く、その両極端な部分が、個人的に安全地帯のシングル作品の魅力だと感じていた為、やや物足りなく感じる部分もあります。
そういった流れも感じながら、聴き込んで頂きたいナンバー。
資料5."時計"でも、引き込まれていくような玉置さんのボーカルの存在感を充分に感じさせられる。
次回からは、アルバム『月に濡れたふたり-安全地帯VI』を数回に渡り、振り返って行きたいと思います。
またお時間あれば読んで頂けると嬉しいです😃
よろしくお願いします🤲
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