【収録曲】
 Disc1.1.遠くへ /2.Miss Miss Kiss /3.パーティー /4.ふたりで踊ろう /5.シルエット /6.Friend /7.Friend (reprise) /8.チギルナイト /9.こわれるしかない /10.不思議な夜 /11.約束 /12.想い出につつまれて /13.記憶の森 /14.どーだい /15.パレードがやってくる /16.海と少年 /17.月の雫 /18.乱反射 /19.ほほえみ

Disc2.1.今夜はYES /2.あのとき••••  /3.まちかど /4.好きさ /5.声にならない /6.夕暮れ(Instrumental)/7.銀色のピストル /8.涙をとめたまま /9.今夜ふたりで /10.いますぐに恋 /11.あのMusicから /12.Jのブルース /13.夏の終りのハーモニー /14.天使のあくび /15.燃えつきるまで /16.夢になれ /17.To me

【アルバム・レビュー】
 1986年12月リリースの安全地帯としては5枚目のオリジナルアルバム。

オリコンチャートで、前作『安全地帯IV』に続き、一位を獲得。1980年代中盤から、日本の音楽シーンは2枚組のオリジナルアルバムをリリースするアーティストが増え、その中には、サザンオールスターズ、浜田省吾さん、渡辺美里さんなど、後々にも聴かれ続ける作品が多くリリースされました。

その中でアルバム"安全地帯V"はアナログ盤3枚組でリリースされました。

3枚組で、6,000円という事もあってか、大々的にキャンペーンも展開され、街中のレコード店では、『安全地帯V』がよく流れ、プロモーション用ポスターが掲示されていました。


資料1.『安全地帯V』の3枚組それぞれの微妙に違うアルバムジャケット。

アナログ盤では、Disc1.1〜13までが一枚目、Disc1.14〜19、Disc2.1〜6までが二枚目、Disc2.7〜17までが三枚目になっています。

資料2.アナログ盤と微妙に違うCDジャケット

資料3.『安全地帯V』のプロモーション用ポスター

アルバム1枚ごとのおおまかなイメージとしては、一枚目は、前作までの路線継承、二枚目は、アマチュア時代を彷彿させるバンドサウンドを全面的にした作品、三枚目は、昭和歌謡や、ジャズ、ブルースなどのそれまで取り上げてこなかったタイプの作品を導入した新境地開拓路線で、今までとは違った"都会の夜"のイメージを全面にした作品といった感じではないでしょうか。

個人的には、リリース当初は、まずはそれまでの路線継承的な一枚目で作品に馴染み、バンドサウンドを全面的にした二枚目を聴き新鮮さを感じ、三枚目の新境地開拓路線をじっくり聴きこなす事によって、アルバム全体を立体的に理解できた印象があります。

一枚目〜三枚目まで通して聴くのが、アルバムを聴いていて一番スッキリしますが、一枚目を聴く際はちょっとしたアルバムの仕掛けを、二枚目を聴く際はちょっとしたアルバムの構成とか流れなどを、三枚目を聴く際は、細かいギターのカッテング、ホーンセクションやそれまでの作品ではなかったノリのリズムを重箱の隅を突くような感覚で聴いていけば、他のアーティストの二枚組のアルバムと比較するとあまりまとまりが感じにくい『安全地帯V』ですが、アルバム全体の"骨格"のようなモノを感じられると思います。

このように言い換えればバラエティに富んだ作品ですが、その中でも個人的に一番印象深く、オススメしたいのはバンドサウンドを全面にした二枚目。アマチュア時代からの曲をリメイクした作品をはじめ、バンドとしての勢い、実力を存分に感じられるライブ感あふれるナンバーが目白押しで、それまでの作品とは一味違う躍動感あふれる安全地帯を感じて頂けるのではないでしょうか。

次回からは、アナログ盤一枚目から数回に渡り、全曲レビューさせていただきます。

またお時間があれば観覧して頂けると嬉しいです♪

よろしくお願いします🤲