名物劇場の最後に、人気劇団が再集結して花を添えることになった。3月末に閉館するシアタートップスの最終公演として、3月18から29日まで「東京サンシャインボーイズ」が新作を上演する。
小劇場として数々の名作を生んだシアタートップスは、同劇団にとって思い出の地。91年「12人の優しい日本人」で初登場し、93年「ラヂオの時間」「彦馬がゆく」など7作品を上演した。取材に応じた三谷氏は「ホームグラウンドのつもり。下北沢から駒を進めるイメージで、あこがれの劇場でした」という。昨秋に閉館が決まってから、相島が三谷氏らメンバーに連絡。「劇団としての思い出の地の最後ということと、充電の途中経過という意味でいい機会になる。相島の熱意のおかげ」と、今回限り、15年ぶりの公演が決定した。
最近の俳優それぞれの活躍は、三谷氏も気になっていたようで「主役を引き立てていく、一番大事なポジションで、みんないい仕事してきている」と感じている。それだけに、今回の舞台は「15年前より成長しているはずだし、何が出来るかが楽しみ。僕自身も原点に戻ることによって、先へ進むための足がかりにしたい」と期待を寄せる。
約60分の作品は「自分たちの今のシチュエーションに似た設定を生かしたい。かつて共に過ごした場所に集合するという話。劇中の人物の心情と、僕らの心境をリンクさせたい」。また、2002年に劇団の旗揚げから所属していた伊藤俊人さんが40歳の若さで急死。「劇団の中でも芯になる俳優でしたから、喪失感がある。彼がいないトップスは想像しづらい。だから何らかの形で、彼も参加できるように考えたい」という思いも込めた舞台となる。
150席、全12回というプレミア公演。三谷氏は「ぜいたくな時間だと思う。当時を知っている人も、知らない人も見てもらいたい」と語っている。